ひとつの夢

第1話

いつもと変わらない。ピピピッとなる携帯のアラームも、下で母親が朝食を作っているところも、父親が仕事に行く前に朝食をを食べているところも、いつも通りだ。

そう思っていた荒川翔はいつも通りに高校に行く準備をしていた。

「カケル!はやくおりてきなさい!」

母親がカケルを起こしてくる。これもいつも通りだ。

朝食をすませいつも通り学校に向かった。

自分のクラスへ入る時、

「カケル!おはよう!」

同級生の小岩愛花だ。一応付き合っていて彼女である。いつもなんのためにおれに挨拶してんだろうって思う。

「あぁ、おはよう」

「んもぅ、なんでいつもそんなに元気がないの?」

「別にいいだろ、朝はやくにお前のその元気な挨拶がうんざりだよ」

あぁ、この会話もいつも通りだ。

自分の席につくと、

「なあなあ、小岩ってチョーかわいいよなあ!」

同級生の倉田直人だ。また始まった…

「まあ、そうだな…」

「だろぉ!めちゃくちゃかわいいのし、毎日元気な挨拶をしてくれていつも眠気が覚めるしんもー最っ高!」

「そうか?おれはうんざりだよ。朝からあのテンションは疲れる。」

「なんでカケルはそんなこと言うんだよ〜あんな彼女最高じゃんか!」

これもいつも通り。

少し前に愛花から告白してきた。まあ彼女もいないしOKを言って付き合うことにした。

でも、なぜかちゃんと好きになれていない。

はぁ、これもいつも通り。

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