第4話 猫のお父さん

 私、猫です。名前はお父さんに、つけられたけど自分では発音できません。えっへん。

 ごろごろするのが得意でし。長く伸びてるとお父さんに褒められまし。あくびしても褒められまし。だいたい全部褒めてくれるのでお父さん大好きでし。

 四角い箱を覗き込んでなにかぽちぽちしているときは、遊ぶ合図でし。私がぽちぽちの上に乗ると、お父さんは膝の上に乗せてくれまし。何度かこれを繰り返すのが大好きでし。お父さん最高でし。

 朝になってご飯食べ対にゃーと膝の上に乗るとブィンと言って動いてくれるでし。どんな時にでも動いてくれるので、お父さんとっても大好きでし。

 背中がかゆいとか、ヘンな匂いがお父さんからするときは、すりすりしまし。たまににゃーと言いまし。

 するろお父さんは決まって私を抱き上げます。頬にキッスすると毎回、抱きしめてくるくるまわりまし。

 うちのねこいずなんばーわんといいまし。愛の表現だと思いまし。


 お父さんは色々喋ってくれます。半分くらいはなんと言っているか分からないけれど、時々悲しそうなのでそういう時は前脚を出しまし。すると必ず喜ぶでし。

 私が人間だったらにゃん。お父さんの言葉が全部が分かるかもしれません。四角い箱のぽちぽちの遊びも、もっと刺激的になるかも。

 でもお父さんはいつも私の毛並みを褒めるので、人間になったらそれがなくなるのでとても寂しいでし。猫にも喜びと悲しみがあります。

 朝起きて、お腹が空いてお父さんのところに行きまし。抱き上げてくれると嬉しいでし。毎日がずっと続くといいにゃん。

 

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