誘い

「渚ちゃん、せっかくだから俺んちで宅飲みしない?」


 久しぶりに会った高校時代の先輩の誘いに、断る理由もなかったのでついていく。圧倒的なリーチの差で、先輩の背中に追いつくのがやっとだ。


「楽しみだなあ、何が食べたい?」


 あれ、先輩の家ってこんなに山深いところにあったっけ。そもそも自分が今住んでるのは東京じゃなくて北海道だったじゃないか。こんなに長くて急な坂、近所にあったっけ。引き返そうにも、いつの間にか先輩の長い長い三本の腕にしっかり抱え込まれていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る