臨時ギルドマスターとして
臨時ギルドマスター就任
たこ焼き風帽子を手に取る。でも、何も起こらない。様々な角度から見てみるけれど、何かが隠されているとか、そういう感じではなさそうで。
「……まさかとは思いますけど……」
そっと帽子をかぶってみる。すると、スライムさんがぴょんぴょんはねる。
「ミッ! ミッ!」
『ギルドマスターの証をギルドメンバーのサランが発見しました』
ポップアップ画面に表示された文言を見て、シュウさんの声が聞こえてくる。
『……あとは、カズアキとこちらの承認があれば、臨時ギルドマスターとして承認される』
ギルドマスターのカズアキさんと、サブギルドマスターのシュウさんの承認。それがあれば、臨時ギルドマスターとして承認される。
『ギルドマスター、カズアキがギルドメンバーのサランを臨時ギルドマスターに承認しました』
『サブギルドマスター、シュウがギルドメンバーのサランを臨時ギルドマスターに承認しました』
しばらくして、二つの文言がポップアップ画面として表示される。
『……おそらく、今ゲームにログインしているギルドメンバー全員に、そちらに表示されているものと同様の内容が送信されているはずだ』
『あなたが臨時ギルドマスターとして承認されました。一時的にギルドマスターのシステムが利用できるようになりました』
そう表示される。そして、私は何も操作していないのにギルドのメニュー画面が立ち上がる。いくつかタブがあって、メンバー一覧や、掲示板、保持アイテム、保持金、ギルド限定イベントなどの文字が見えている。
メンバー表のタブを見ると、やはり何人かのメンバーがログインしている状態であることが分かった。この人たちに片っ端から連絡を取ってみよう。
そう思っていると、ピロン、と音が鳴った。
『……ギルドの掲示板が更新された音だ』
シュウさんの言葉で掲示板タブを見ると、赤い丸がついている。きっとこれが、新しい書き込みがあったことを知らせる通知なんだろう。
開いてみると、一番上にカズアキさんからの書き込みがあった。どうやら、ログイン状態でなくても、掲示板には書き込みができるみたい。
『今、通知があったと思うけど、臨時ギルドマスターを承認した。ギルドマスター、サブギルドマスター、共にゲームにログインできてへん。せやから、ログインできる人間を臨時ギルドマスターとして承認した。ギルドマスター、サブギルドマスターが信頼する人間だから、安心してほしい。それから、ゲームを存続させていくにあたり、この臨時ギルドマスターは力を尽くそうとしてる。可能であれば、ギルドの建物に集合し、臨時ギルドマスターに力を貸してやってくれ』
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