Repetition

オノマトペとぺ

第1話


青の中にいるキミたちに、その本当の鮮やかさはわからない

かつてのボクらもまったく同じだったように

薄汚れた中からながめて

はじめてその青さに気づき、驚く

そしてその青さをようやく尊ぶのさ


春を生きるキミたちに、その本当の暖かさは感じられない

かつてのボクらもまったく同じだったように

吹きすさぶ冬の中を耐えて

はじめてその暖かさに気づき、羨む

そしてその暖かさをようやく敬うのさ




きっとキミたちは辟易へきえきしているだろう

口うるさく言うボクらに

わかった口をきく大人に


でも許してほしい

これがきっと、キミたちの未来でもあるから


今キミたちが生きる時の

その青さと、暖かさに

ボクらはようやく気づいたんだ


かつてキミたちと同じように時を過ごしたボクらは

その尊さを、そのありがたみを

今になって実感できたんだ


そしてあの時ボクらが顔をしかめた

大人の戯言ざれごとってやつを

今ボクらはキミたちに吐いている




これはボクらのエゴなんだ

青き春の置き土産ってやつさ

いつかキミたちも経験する

通過儀礼みたいなものさ


その青さも暖かさも

その中ではわからないもので

そこから外れてはじめて、

それに後悔し、憧れる


だから言わせてほしい

きっとこれは、

青い春を通ってきたボクらの

無駄にしたボクらの

なけなしの権利だから


キミたちが嫌う

大人のお小言こごとだけど

キミたちもいつか

味わう未練だから





今キミたちが生きている

窮屈きゅうくつで苦い時間は

あまりに短く、あまりにせわしないから

一瞬一瞬を、全力で生きてね

目一杯駆けて、目一杯悩んで


「頑張ってるだろ」って思ったら、そのもう一歩先まで

粘ってほしい、ぶつかっていってほしい


気づけば青はくすみ

春は冬に沈むから


見てる未来はあっという間に

明日あすに、今日に、そして昨日になるから


妥協しないでほしい、限界は無視してほしい

どう足掻あがいても、

きっとキミたちもボクらと同じようになるだろうけど

それもまた青い春の一編いっぺんだから


一歩先のボクらから

青春を生きるキミたちへ


メッセージ?エール?

いや、ただの自己満足だけど


単調で映えない青を

苦しくてウザったい春を

全力のさらに上で、進んでいってね



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