Death or Alive
名無死
授業準備1
俺は
今日は小田がHRを始めようと、ドアを開けた瞬間頭の上にゴミが落ちてきた。
「あれぇ?先生、まだ学校来てんの?懲りないねぇ、あんたも。」
おそらく上にゴミ袋を設置したのは山田だ。元々つるんでいたのは佐藤と田中で二人に金魚のフンのようにひっついているのが山田。彼も気に入られようと必死なのだろう。しかし、その挑発に小田は一切乗らない。無言で自分の頭に落ちてきたゴミをはたき落とすと、ゴミを片付け始めた。そしてそのまま教卓に立つ。
「臭いので教室に入ってこないでくださーい!あんたはゴミなんだからさーっ!」
ギャルで素行が悪い芍薬エレナ《しゃくやくえれな》も小田を攻撃しだす。
「田中さんも芍薬さんもいい加減に。」
紗蘭が止めても彼らは上の空だ。始めはキレていた小田も、最近は抵抗をするわけでもなく、ただじっと耐えている。俺は何も手を出さないただの傍観者。俺は彼らから視線を外し、こっそり手に持ったスマホに集中する。俺が何か言ったところで何かが変わるってわけでもないし。
「じゃあ、連絡について話します。」
小田は小さい声で話し出す。その間にもみんなは好き勝手に騒いだり、紙飛行機を飛ばしたりし始める。
「くそ…負けたし。」
銃で撃たれて死んだ俺は少し顔を上げた。少し視線を感じて隣を
向くと、紗蘭がピースをしながらこっちを見ていた。紗蘭の持っているスマホに目をやると、「WIN!!」という文字がどでかく書かれていた。俺の端末に目を戻すと、「シャラン」と言う名前のプレイヤーのキル数が一位になっていた。
「白がハマってるって言ってたから私も練習したのー!えへへ。」
そう言って笑う紗蘭の顔に俺は見とれてしまう。自分は負けたはずなのになぜか見とれてしまう。
「紗蘭がこっそりゲームやってるなんて珍しいね。」
俺がそう言うと紗蘭は少し舌を出して言った。
「ふーん!私だっていつも良い子ちゃんの優等生ってわけじゃないのよ!」
なぜか威張ってそういう紗蘭を見て俺は呆れて笑ってしまう。今考えたら殴ってでも紗蘭を黙らせればよかった。今考えたって無駄なのは分かってるけど。
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