50代おやじのWワーク奮闘記と裏話

豊崎信彦

第1話 Wワークスタート!!

 51歳の11月。

地元では最大手の旅行会社をやっと辞めた。

朝の6時から夜の9時までやっても仕事が終わらない… 果てなく続く…

“人を増やしてほしい…”会社に訴えれば“能力の問題だ”の一言で終わり。

営業だから、当たり前に残業代なんか出やしない… ブラック… それも大ブラック企業‼


8人いる営業所の中で俺と同じ、毎日朝5時起床、朝6時出勤のパターンを繰り返す、俺より忙しい30歳の有能若手社員と、二人しかいない営業所の中で毎日話す事は…

「いつ辞める… おれは限界だ…」の合言葉。


そのうちうつ病になり病院通いになって、会社を休職して… 後は一回辞めてゆっくりやすんだら」で終わり。


早く地獄から抜け出したい…


寝不足だろうが、ふらふらだろうが、添乗が続いて仕事が溜まっただろうが、客は関係ない。

“私の旅行計画をより良く、楽しくしてね…” それだけ。

一つでも狂えば苦情… 二つ狂えば怒り… 三つ狂えば二度と頼まねぇ…

普通に行って帰って来るのが当たり前… 旅行業は引き算の仕事…


あげくに、キャンセル料払う気の無い客の為にいくら自腹で払ったか…

会社に詫びて、嫌味を言われ、査定が下がるんだったら、その方がまし…


早く地獄から抜け出したい…

 

やっと抜け出して入った旅行会社。

社長を含めて5人だけ。

気楽になった。

前の会社に顧客を置いてきたが、直ぐに取り戻す…


一年後、会社の雲行きが少し危なくなってきた。

社長から“あなにバトンを渡したいな…”

冗談じゃない。

将来性が全く無い旅行代理店。

気軽に働ければそれでいい…


それが社長…

無理…

絶対無理。


2年連続の赤字会社。

粉飾して少しの黒字決算。

その会社を引き継ぐ… あり得ない…


一身上の都合で退社。

今度の会社は規模が同じだが、完全歩合と一部歩合又は最低賃金を下回る月給制。

一応顧客は付いている。

どこに行っても付いてきてくれる顧客の皆さん。


完全歩合にしよう…


しかし社会保障もあるし… 客も高齢化で先細り…

取り敢えずバイトでもして、マイナス分を当面カバーするか…


“葬式の司会”時給1,000円 地方にしては破格だ。

研修中は800円… 致し方ない、当然だ。


添乗で、人前で話すのは慣れている。

葬式は話すパターンが決まっている… 楽勝!  甘かった…


よりにもよって、黒服の大敵… 猛暑の夏… 死にそう…

式場が涼しいとはいえ、最初から最後までいる訳ではない…

研修中の下働きの身、体中が汗まみれ… 我ながら気持ち悪い。


司会練習。

静まり返った式で話すのは、思った以上… 何十倍も緊張する。

原稿を読んでいるだけなのに、アクセントが違う… 言い間違う…

ボロボロ…


3ヶ月後試験。

ボロボロ… 落ちたな… まぁいいか…


結果合格… 嘘…


「葬式は毎日のように有りますが、あなたにいつ声がかかるか…

直近まで分かりません」


そんなに暇人じゃねぇ。

お客さんとアポ取れないじゃん。

辞めよ…

葬式の裏側が金貰って、分かっただけいいか…


皆さん…

葬式はやはり前もっての段取りが全て。


その時がきた… 慌てる… 葬儀屋のいいなり…


これが一番まずい。


考えておくことは…

どこの葬儀屋に頼むか… 近くの葬儀屋、ネット受付の葬儀屋(実際は最寄りの

            葬儀屋が依頼を受けてきます。料金はネット価格。

            ここがみそ…

            同じ葬儀屋なのに葬儀屋が取り仕切るのに料金が違う。

            かなり安くやる。

            やれば出来るんじゃないか。


通夜会館を使うか… やはり金は掛かるが便利。何でも揃っているし、家に人が

          出入りする窮屈さが無くていい。


葬儀スタイル… これが問題。決して葬儀屋のいいなりになってはいけません。

        起こりそうもない時から、前もって必ず調べて下さい。

        特に“生花祭壇”… これは儲かる。必ず薦めてきます。

        高齢で亡くなり、弔問者が少なそうな時は普通の

        “白木の祭壇”で十分です。


        棺桶もそうです… 燃えるだけ。


ただ、若くして亡くなったとか、絆が強かった方が亡くなった場合は、喪主のお気持ち次第です…

 

いずれにしても葬式は前もってのシミュレーションが大事です‼




 “新店舗オープンに付き、パート・アルバイト募集”

時給820円 17時以降880円 登録販売者有資格者50円アップ


何故か持っている資格… 登録販売者

こう見えても(見えていないか… 残念)資格をそこそこ持っています。

総合旅行取扱管理者もそうですが…


“資格試験の挑み方”は別に書きますので、そちらも見て下さい。

資格試験になかなか受からない方、必見ですよ… 自信があります‼

  …これから書きます。


面接… 採用… 本格的にWワークスタートしました❕



 1年後、旅行業は何とか馴染みのお客さんと、馴染みの役場がらみの視察旅行で食っていた。

ドラックストアー… 頭がポンコツになり始めているのを実感した。

品出し、接客、それ程問題無し… 

レジ… 複雑だ… 慣れれば大丈夫… いつになったら慣れる…


数限りない失敗… お客さんがはっきり分かる失敗… しらばっくれる失敗(ポイントの付け忘れ。これは多かった。 皆さんポイントがちゃんと付いているかチェックしてね)

缶を落として変形させる(あまりひどいのは廃棄してます 逆にそれ程でないのは出しています)… 包装を少し破く… 


いろいろあって一年半が経った。


そしてこのコロナ…


 2月28日。

何とかコロナ騒動をかわして、四国一周から仙台空港に戻ってきた。

役得でマスクを簡単ゲット(従業員でも個数制限があります。いくらでも買えるわけでは有りません… あしからず)

今マスクより入手困難なアルコール系の消毒用品。

この二つをお客様分も含めて大量購入し、仙台空港から出発‼


まだ四国から一人も出ていない。

ギリギリセーフ… か?

コロナで飛行機空いているかな… 甘い… ほぼ満席。

何でこんなにいるの… 2月中は確かにまだ切羽詰まっていなかった。


神戸空港から明石海峡大橋を渡って鳴門へ。

いよいよ四国。

30回は来ている。


自慢じゃないが(自慢です) 旅行会社の社員の中でもダントツに天井が多かった。

営業所の所長に恵まれた… “成績はいいから沢山添乗して覚えろ、そうすれば凄い財産になって、お前にお客さんが付くぞ…”

その通り知っている人と、知らない人ではえらくお客さんの信用が違う。

知っていて進めると、ほぼその通りに仕事が取れるようになった… 大感謝‼


日本全ての県を巡った(何回も)添乗員がお薦めするのは… 

      *個人の趣味趣向がありますので

小豆島 雰囲気が好きです。

しまなみ海道 言わなくても分かると思います

屋久島  沖縄小浜島  津軽半島…寂れた感じ(失礼しました でも好きなんです)

知床 能登半島(津軽と同じ理由) 高野山 長崎 島原 秋吉洞


どちらかというと、寂れたそのままの方がいいかな… 俺は


海外も綺麗な街並みよりは、カンボジアのような発展途上国のごちゃごちゃしたパワーが感じられる方がいい…


ニューヨークは興味がない… ビル群を見てどうする…


話しを戻します。


2泊目琴平温泉宿泊。

徳島から四国第一号のコロナ患者発生… 驚きのニュース

3泊目道後温泉宿泊。

高知からも


早く戻りたい…


 四国から戻って、久々のドラックストアーのバイト。

棚が空っぽのスペースが多数…

昨日、デマで紙(店内でのトイレットペーパー等の紙製品をひとまとめにした表現)

が無くなった…


「あぁぁ… 別にそんな話しなかったよね…」


「デマって凄いね… 恐ろしい…」

店から一日で、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、生理用品、キッチンペーパーが消えた。


その日から10日くらいは、一人一つの制限を付けても普通に入荷すると一週間は持つ量が、一日持たなくなっていた。

あれほどデマだとテレビで言ってるだろう…

いい加減理解しろ… 叫びたい…


 マスクの入荷はバラつきがある。

2から3日に7枚入りから50枚入り位のが数十個くらいの入荷。

しかしどこの店もそうだろうけど、決して入荷日は教えない…


開店前、毎日並んでいる人間が一気に押し寄せてくるから…

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