星と彼方のエンドスケープ
比良坂月子
序章
俺たちの安寧は、夢の浅瀬を
何故、世界が一度滅亡し、生まれ変わったと言うことを
答えは簡単だ。俺たちの神さまとやらは、過去を――この惑星が地球と呼ばれ、国家という多数の集合体によって管理され、異なる文化や思想を持つ民族が共存した時代を経て、最後には無惨にも消滅してしまった旧世界の記録を――完全に消し去ってしまわなかったのだ。
では何故消さなかったか。これはただの推論だが、人間という生命体は神話や歴史から自らの過ちを学び、種としての間違いを正すよう
事実、滅亡から再生した文明の発展は目覚ましく、旧世界で科学と呼ばれた技術はもとより、太古に失われてから永らく未解明だった
しかし神は見落としていたのだ。人間の脳は不完全な装置と同様、ほんの少しの
旧世界の人類はこう言ったらしい――
言い得て妙じゃないか。この世界の人類もまた、間違いだらけの旧世界と変わらず争いや
世界統一機構が創設され、秩序回復による生活完全保証や世界経済の永久的安定を主としてほぼ全ての人類を管理するシステムを導入、上層機関の介入によって各
血は争うことを止めない。争うことを欲する遺伝子が人類の血に流れている限り。
この世は大樹の
だからこそ俺たちは生きる場所を探し、死に場所を求めるのだ。
いつか夢から目覚めるように。
果てるその
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます