新世界の神へ

水上風磨

第1話 誕生日

星上春人と近藤進の共通の友人の手記:


それは、恐ろしい夢であった。星上春人はその夢から覚めた後、全く新しい人に生まれ変わり、自信を取り戻し、強い使命感、すなわち世界を一つにしなければならないという使命感に支配されていた。彼は、生まれ変わっていた。

2025年2月14日、バレンタインの日の未明のこと、2009年4月6日生まれの星上が15歳の時のことである。「私は、新世界の神になる」、以前の彼が考え付かなかったような思いが、自然と口をついて出た。そして、この日を自分の新しい誕生日に決めた。


星上は、横浜都の名門星栄中学校の生徒であったが、その陰気な性格のために、周囲に溶け込むことができず、孤独で苦痛な日々を送っていた。また、彼自身周囲を何もわかっていない馬鹿の群れと思い見下している節があった。そんな中、唯一彼が好感を持てたのが、背が高くて色黒の美少年近藤進だった。彼とは、三年間部活動も異なり、クラスも異なったが、星上は彼からは他の生徒と異なるものを感じて、密かに彼に惹かれ、寝る前などは、良く彼のことを思っていた。


そんな近藤と、星上は運命の巡り合わせからか、聖栄中学から、2人だけ東京市のエリート養成校東光学院へ進むことになった。


ここから、2人の波乱と野望に満ちた青春が始まる。

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