第六回 ℮スポーツが、二〇二〇年の夏物語へと誘う。……前編。


 ――それはゲーム大好きな千佳のため、私が入手した片道切符にあった。



 そもそも、それが事の始まり。

 その片道切符とは『第二回格ゲー選手権』


 つまり私が今、このエッセイを連載している小説サイトの『書くと読む』……そこが主催している『ゲームによるエッセイ部門』の『下の欄にある』……広告にあったもの。



 そこをクリックし……


 応募してみた。――少しばかりの勘違い。その結果、そう、抽選を通って、そして、


「お母さん、よく見たの? これって別物だよ」


 ……と、千佳ちかに言われた。……あの、私は、私はね、『ゲームによるエッセイ部門』の題材として、『第二回格ゲー選手権』に参加するのものだと思っていたの。


 でも、でもね、


「すごいじゃない!

 これって立派な℮スポーツ出場権だよ! 三人で一チーム、お母さんも僕と一緒に出場して……ええっと、梨花りかも。梨花も入れて三人で頑張ろうよ、お母さん」

 と、喜んでくれた。


 千佳が喜んでくれた! 無邪気な子供のように。


 千佳がまだ……

 学校へも通っていない頃のように!



 千佳は、℮スポーツに興味津々……それ以上に、

 もしかしたら、それが千佳の――本当にしたいことなのかもしれない。


 垣間見る子供の夢。

 つまり千佳が大喜びするほど夢見ること。それを大切にしてあげたい。



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