レイチェル・ハウェルズ?
「マスグレイヴの儀式」の事件を忘れたのか? 聡明な執事のブラントンといい仲だった女中さ。いや、いい仲なんてもんじゃない、婚約者だったんだからな。考えてみれば哀れな女さ。なぁ、ホームズ、君もそう思うだろう。
【ネタばらしコラム】
以下に「マスグレイヴ家の儀式」のネタばらしがあります。
マスグレイヴ家に伝わる秘宝をくすねようとする執事のブラントンにまんまと利用されたのが、彼女、レイチェル。
ハウェルズなんてのは、今知りましたくらいの感じです。でも、ある意味、「あのひと」こと、アイリーン・アドラー以上にインパクトのある女性。
なぜならば、土壇場でブラントンに利用されていることに気付い(たんだろうと思います)て、鮮やかに粛清をするからです。
女性を手玉に取ろうとする不埒な野郎どもは、すべからく、この短編を味わって戒めとするべし。
石蓋は落ちたのか? 落とされたのか?
個人的には自然に「落ちた」というオチもありだと思います。だって、そのほうがレイチェルが救われるから。
天罰を引き起こしてしまったがゆえに彼女は贖罪として、自らが死を選んだ高潔な人物像だった。だとすれば、シリーズのなかで一、二を争うほど高貴なキャラクターだと思うのです。
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