世界の真相が知りたいので旅をしてみることにした。
水色の雨
プロローグ
この世界は広いが人間が住める場所は限られている。世界の8割は瘴気のようなものでおおわれていて残された2割で人間たちは生きていくことを強いられた。
その瘴気は吸い込んだり触れたりするだけで体に何かしらの悪影響が起き早くて一日最高でも一週間で死に至る。しかもそこには魔獣が存在するのだ。
そしてその2割も一か所に2割が固まってあるのではなく点々と存在するのだ。その2割の場所は結界という石を中心に円形に広がっている。そのため人々の生活できる場所はかなり限られてくる。畑作業や牧畜などのできる場所も少ないので人間たちは苦しんでいる。
結界の外には魔獣が存在するのだ。しかも魔獣は普通に結界の中に入ってくる事ができるため結界の中にいても絶対安全というわけではない。
これが世界の理なので今更その8割に対して何とかしようと思っている人なんかほとんどいない。
じゃあ人間はなすすべなくその2割で生活していくのかというとそうでもない。まれに能力や魔法に目覚める人たちもいる。もちろん生まれた時からその能力をもっている人もいるがそんなことはめったにない。
その能力や魔法を使うことができれば結界の外に出ても何ともないのだ。
そして剣の腕にならそこそこ自信はあるが、何の能力も魔法も持たない俺だがなぜかその瘴気に耐性を持っている。今は特にすることがないので自分がいる結界の中のほぼ中心に位置する国王のいる城で働くためにその試験へと受けに行く途中である。
その試験は面接も筆記試験も何もない。ただ実技の試験だけなのだ。
「これからは金には困らなくなるぞ」
「お兄ちゃん!」
「あんまり無理しないでね?」
「あぁ大丈夫だ。安心して待ってろ」
「終わったらすぐ帰ってくるように。無理しないように」
「心配しすぎだって大丈夫だよ。よし着いたな。じゃ、行ってくる。気を付けて帰れよ」
「お兄ちゃんこそ」
「おう」
と勢いよく言って試験会場に向かっていくソラトとそれを見送る妹のエレナ。
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