終章-23:最終決戦、マヒコ 対 サラピネス

 【迷宮外壁】にめり込んだ命彦とメイアに、梢達が駆け寄る。

「命彦、メイア!」

「生きとるかっ!」」

「うぐぐっ! 生きてるよ」

「……ボロボロだけどね?」

 ホッとした梢達の脳裏に、怒気を纏った思念が響いた。

『種族的弱点があるとはいえ、よもやこの駒まで討たれるとは……少し見くびっていた、お前達のことを。小童達との戦闘による高揚感に、酔い過ぎていたやもしれぬ』

 ゆるゆると降下し、空に浮かびつつ命彦達を見下ろす眷霊種魔獣サラピネス。

 4本腕のうち2本がもげて、裂傷や火傷をあちこちに負っているサラピネスだが、急速にその傷が癒えて行く。

 神霊治癒魔法による時間遡行で腕を修復し、傷を完全に治癒し終えて、サラピネスは再度思念を放った。

『宴はここで終わる筈だった。貴様らは滅ぼされ、都市も壊滅し、おびただしい数の人間どもが我が母神の供物として死ぬ筈だった。そして、絶望した小童や小娘を、我が喰らう筈であった』

 サラピネスがその瞳に殺意を宿し、梢達を見て、また【迷宮外壁】近くの高層建築物の屋上にいる舞子達を一瞥して、思念で宣言する。

『我が母神に捧ぐための宴を、よくもまあぶち壊してくれたものだ……不快極まる。ここで滅べ』

 静かに透徹した思念であった。それだけに、サラピネスの怒り具合も相当だと言うことが分かる。

 空間転移で上空に瞬間移動したサラピネスは、人差し指を天にかざした。

 すると、空間を歪めるほどの重力異常を引き起こす、半径十数mにも及ぶ漆黒の球体が出現する。

「ま、マズいわ! 【迷宮外壁】を抉った重力渦の魔法攻撃よ!」

「しかも外壁抉った時より遥かにデカいっ! 梢さん、動ける魔法士達に……」

『遅い』

 メイアと命彦の警告を梢が聞き終わる前に、サラピネスは漆黒の神霊魔法攻撃を三葉市へと放った。

 戦場の上空から、【迷宮外壁】とその先にある三葉市へと目がけて放たれた、漆黒の重力渦。

 魔法で作り出した重力渦であるため、物理現象としての重力渦とは、その性質に幾らか違いがあるものの、以前使われたモノはたった半径数cm規模の重力渦が、魔法防御能力を持つ【迷宮外壁】に着弾し、そのまま爆縮して100m周囲を消滅させたのである。

 半径十数m規模の重力渦では、数十km周囲を容易に消滅させられると推測し得た。

 三葉市を一撃で蒸発させ得る破壊力を持つ、絶望の魔法攻撃であることがうかがえる。

 単一の精霊結界魔法や3種融合以下の精霊融合結界魔法を全て無効化して貫通し、4種融合以上の精霊融合結界魔法でも、融合魔法防壁1枚では防ぎ切ることが不可能である、極めて貫通性の高い魔法攻撃が街に迫った。

 攻撃魔法で相殺しようにも、4種融合以上の精霊融合攻撃魔法を複数使わねば相殺できず、しかして、それらを具現化する時間は決して与えぬという、圧倒的魔法展開速度を有する速効性の高い魔法攻撃でもある。

 魂斬家の源伝攻撃魔法《魂絶つ刃》であれば、この神霊魔法攻撃をも打ち破れるだけの絶対的効力を持つが、魔法展開速度では数段劣るため、先に具現化された時点で相殺に使うのはどう考えても無理であった。

『命彦、転移して!』

『私達は逃げられます!』

「姉さん、ミサヤ、でもっ!」

 さっさと退避せよと言う姉達の思念を受け、命彦が梢達を見て一瞬迷った時であった。

「はああああぁぁぁーっ!」

 横にいたメイアが迫る重力渦の前に空間転移し、神霊結界魔法で受け止めたのである。

「メイア!」

「ぐうううぅぅっ!」

 思わずメイアを呼ぶ命彦。

 驚くべきことに、メイアはサラピネスの神霊魔法弾を、自分の神霊魔法防壁で完全に受け止めていた。

 思わぬ抵抗に遭い、サラピネスが少しだけ口角を上げて思念を発する。

『面白い、我と力比べをしようというのか? いいだろう、全力を持って応えてやる、そぉうらぁっ!』

 サラピネスの魔力が迸り、重力渦が数段膨れ上がって、メイアと魔法防壁を後退させる。

「くぬぬぅっ! ミカヅチヒメ様……私に、力をぉぉおおぉぉーっ!」

 メイアの全身からも魔力が迸り、白く透きとおった魔法防壁が厚みを増して、後退を止めた。

 今まで使っていた神霊の魔力は、神霊魔法を怖がるメイアが無意識に制限した上でのモノだったが、今はその制限が解かれており、神霊魔法をメイアは全力で使っている。

 あらん限りの神霊結界魔法で、三葉市を守る盾と化したメイア。

 しかし、拮抗状態は突然に終わった。

 魔法攻撃と魔法防御が反発し合い、神霊魔法同士の対消滅が起こったからである。

 メイアの目の前で重力渦が爆縮を起こし、神霊魔法防壁も破壊され、凄まじい衝撃波がメイアを吹き飛ばした。

「メイア! くっ!」

 命彦がメイアを抱き止め、防具型魔法具と魔力物質で覆われた我が身を盾にして、魔力を纏う衝撃波を受ける。

 メイアは神霊儀式魔法《神降ろし》が解けて、素の状態であった。

 この状態で衝撃波を受ければ、身体が千切れ飛ぶと思い、地面に置いたメイアの上へ咄嗟に覆い被さる命彦。

 地上を吹き散らした魔法の衝撃波は、【迷宮外壁】をも吹き飛ばし、その場にいた義勇魔法士のほとんどを戦闘不能に追い込んで、壊滅させた。

 対消滅の余波は三葉市にも届き、あらゆる地区の高層建築物を圧し折って行く。

 そして、衝撃波が治まった頃。

 【迷宮外壁】から3km範囲に位置する、あらゆる地区は瓦礫の山と化していた。

 舞子達のいた公演会場の高層建築物も、崩れ落ちていた。


「う、嘘やろ……」

「ぼ、僕らの街が」

 梢の結界魔法が間一髪間に合い、無事だった勇子と空太がその場で崩れ落ちる。

 梢も、周囲を見回して戦慄した。

「メイアが全力で止めに行ったのに……それでもこれだけの被害が出たの? デタラメにもほどがあるわ」

「姉さん……義勇魔法士のほとんどが戦闘不能です。咄嗟に動ける魔法機械を盾にしましたから、奇跡的に今の攻撃での死者こそまだ出ていませんが、それでも重傷者は多数。このまま放っておけば……数時間後には魔法士の死者が多く出ますよ?」

 ミツバも唖然とした様子で、現状を報告した。

「た、たすけ、て……」

「痛い、痛いよーっ!」

「し、死ぬのか……ワシは」

 【迷宮外壁】が吹き飛び、三葉市がよく見える地上では、吹き飛ばされた土砂や瓦礫に埋もれている、義勇魔法士達のうめき声があちこちから聞こえた。

「て、手当てを……動く魔法機械達はすぐに負傷者を回収し、治療して!」

「動ける魔法機械は僅か数体です! 手が足りません、公用エマボットで代用します!」

 梢とミツバが事態の収拾に追われている時。

 座り込んでいた空太と勇子は、命彦とメイアの姿を探した。

「命彦! メイア!」

「どこにおるんやーっ!」

 2人の声に答えるように、義勇魔法士達が倒れ伏す土砂の一角が盛り上がり、メイアを抱えた命彦が姿を現す。

「生きてる!」

「当然やろ!」

 エマボットに担がれて運ばれる義勇魔法士を縫うように躱して、喜びの顔で駆け寄る勇子と空太の前に、サラピネスが空間転移で出現した。

「げっ!」

「くっ! 止まれ空太!」

 急停止する2人。エマボットも魔獣の出現に移動を止め、運ばれていた義勇魔法士達も、息を止めて怯えの宿る目で、サラピネスを見ていた。

 梢とミツバも目を見開き、その場で凍り付く。サラピネスの思念が、戦場に響いた。

『我が全力によく耐えたモノだ。感心したぞ? 宴をぶち壊された溜飲も相応に下がった。そろそろ幕引きと行こうか? 小童、小娘、貴様らを喰らい、改めてこの街を破壊し尽くすとしよう』

 まだ戦おうとするサラピネスの殺意が、その場にいる魔法士達の心を砕く。

「もう……ダメだ」

 瓦礫や土砂に埋もれて救助を待つ魔法士達は、茫洋とした諦観の念を目に宿し、自分で這い出ることを止めた。

「終わりね……短い人生だったわ、ううっ……」

 エマボットに救助されて移動していた魔法士達は、ぐったりと脱力し、すすり泣いている。

「ここまで、ですのね」

 比較的傷が浅く、自分で治癒魔法を使っていた【ヴァルキリー】小隊の魔法士達も、魔法の具現化を止め、諦めたように頭を垂れた。

 誰もが抵抗を止め、目前に迫る死を受け入れようとしている。勇子と空太、メイアや梢でさえも。

 その場にいる、たった1人を除いて。

「まだ終わってねえっ!」

 命彦が一喝し、メイアを地面に降ろして、サラピネスを見つつ言う。

「メイア、3分だけ時間をやる。《神降ろし》を使え」

「え?」

「勝機はある、やれ!」

 短く告げた命彦が、魔力物質製の日本刀を具現化し、サラピネスと1人対峙した。

 戦場にいた全ての義勇魔法士が命彦を見る。

 フワフワと都市内に浮かぶ平面映像にも、魔力物質を纏う命彦の姿が映っていた。

『小娘を始めとして、貴様以外の全ての者が、絶望と諦観の念を抱いておるというのに、貴様はまだ諦めんのか、小童?』

「当然だ。勝てる勝負を捨てるバカはいねえよ」

『……我に勝てると? あれだけの力を見て、あれだけの魔力を操る我を見て、そう思ったのか貴様は?』

「ああ。貴様の全力を見て、その上で勝てると、そう思った!」

 命彦が全身に魔力を走らせると、空間転移でサラピネスの背後に移動し、斬り付ける。

 サラピネスは上空に転移して斬撃を躱すが、いつの間にかその背後に命彦は回っており、拳を振るった。

『ぐっ! 貴様!』

「お前の動きがようやく見え始めたんだよ、こっちは!」

 命彦の右腕の〈四象の魔甲拳:エレメントフィスト〉が火を噴き、神霊付与魔法の魔法力場と、魔力物質製の手甲で、命彦の拳と至近距離での集束系魔法弾を受け止めたサラピネスを、数十mほど吹き飛ばす。

 返す一撃を命彦へ叩き込もうと、目前に瞬間移動して命彦の腹に拳を叩き込むサラピネス。

 命彦の身体がくの字に折れ曲がった次の瞬間、その姿が分身体の魔法幻影のようにフッと消えて、寒気を感じたサラピネスが瞬時に身を捻った。いつの間にか、サラピネスの背後に刺突を放った姿勢の命彦がいる。

「……身を捻ったせいで、狙いがズレたか」

 空間転移で瞬時に距離を取ったサラピネスの右頬から、噴水のように血がしぶいた。

『ぐおっ!』

「あと1秒、その場にいれば脳天に突き刺せたのに……惜しい」

『小童、貴様ぁぁああぁぁーっ!』

 顔の傷を押さえ、神霊治癒魔法で修復したサラピネスが、初めて余裕を失って激昂げっこうする。

 魔法は思考による特殊現象。

 それゆえに、群体種魔獣や植物種魔獣のように脳を持たず、同種の群れで疑似脳を形成して、思考能力を確保する魔獣であればともかく、思考器官としての脳を持つ魔獣にとっては、頭部への攻撃が1番危険である。

 神霊魔法を使えようが、眷霊種魔獣も脳を持つ以上、頭部への攻撃は最も致命的で恐ろしかった。

 サラピネスはこの時、初めて見下していた命彦に、ただの人類に、恐れを抱いたのである。

 殺意を宿す険しい視線で、命彦を見るサラピネス。

 そのサラピネスの眉間を狙うように、魔力物質製の日本刀を晴眼に構えて、命彦は語った。

「言ったろ、勝てると? 母さんの仇、討たせてもらう! かかって来い、イカレ女神の木偶人形!」

 確信があるのか、それとも周囲へ発破をかけるためのただの方便か。

 勝利を明確に宣言する命彦へ、三葉市にいる全ての人々の目が引きつけられた。


 命彦が眷霊種魔獣サラピネスと戦闘を再開した頃。

 気絶していた舞子は身体を揺すられ、起こされた。

「「舞子、舞子!」」

「……あ、詩乃ちゃん、奏子ちゃんも。いつつ、あれ? 私、どうしてお店に?」

 仮眠所の仮設寝台の上で目を覚ました舞子は、周囲を見回して自分が【精霊本舗】に戻っていると知る。

 庭の芝生の上に出された仮設寝台で寝ていた舞子の横には、同じ〔魔法楽士〕の学科魔法士である友人達がおり、記憶が混乱している様子の舞子を見て心配していると、友人達の後ろから声が届いた。

「目が覚めましたか、舞子さん? 私達が店に連れ帰ったのですよ、舞子さんの友人達と一緒にね?」

「一先ずようやったのう、マイコ嬢。若様から与えられた務めを、立派に果たしたわい。しかし、建物が崩落した様子を平面映像で見た時は、さすがにワシも肝を冷やしたぞ?」

 友人達の背後から、エルフ女性とドワーフ翁が姿を見せて、舞子は仮設寝台から身を起こした。

「ソルティアさんに、親方も……あ、少しずつ思い出してきました」

 舞子は自分の記憶を、口に出して整理した。

「確か、魔獣の神霊攻撃魔法とメイアさんの神霊結界魔法がぶつかって対消滅を起こし、発生した魔法の衝撃波が、私達のいた高層建築物を倒壊させたんです。ただ倒壊の寸前に、あの場にいた〔魔法楽士〕の学科魔法士達は全員、対消滅が起こると先読みした融和型魔獣さん達の力で、間一髪屋上から地上へと空間転移しており、衝撃波の発生前に散り散りに逃げた筈。私達も近くの地下避難施設の入り口まで逃げていて……」

「その時に、背後から吹き付ける衝撃波の爆風をモロに浴びて吹き飛ばされ、進路上にあった建物に激しく叩きつけられて、気絶してたのよ、全員でね」

「死ぬかと思った」

 舞子の友人達が言うと、ドワーフ翁とエルフ女性が苦笑して語る。

「3人とも魔法具を装備していて良かったのう? 魔法具抜きじゃったら死んどるぞい?」

「私達は三葉市の現状を映す平面映像で、舞子さん達のいた建物が崩れたことを知り、舞子さんの安否を確認しようと、感知系の精霊探査魔法を使ったのです。そして、近くの低層建築物の壁面にめり込んでいた3人を見付け、私とドルグラムが〈転移結晶〉で店へと連れ帰ったわけです」

「ソルティアさんから、舞子が【精霊本舗】の社員って聞いて、驚いたわ私達」

「舞子、羨ましい」

「あはは、色々と事情があって……」

 友人達の言葉に苦笑を返した舞子は、庭に浮かぶドデカい平面映像に魔力物質を纏う命彦の姿が映るのを見て、ハッとした。

「そ、そうです、暢気に話してる場合じゃありません! 戦闘は、戦いは終わったんですか、親方?」

「いんや、終わっとらん。じゃが、最終局面に入っとるよ? 若様達が眷霊種魔獣と戦っておるわい」

「当社の一員として、舞子にもしっかり目に焼き付けて欲しいと思い、私達は起こしに来たのです。一緒に見守りましょう。若様の勇姿を」

「はい!」

 舞子は仮設寝台から降りて立ち上がり、平面映像を見た。

 映像は高速戦闘が早過ぎて、ほとんど命彦の姿を捉え切れずにいたが、時折映るサラピネスの表情が、先ほどまでとは違って随分苛立っているように見えるので、命彦が押しているように舞子には感じられた。

 庭にいる従業員やその家族が、平面映像に時折映る命彦に声援を送る。

「若様、そこや!」

「ああっ! アイツ、若様を殴りおったぞ!」

「若様逃げて、逃げてぇっ!」

 歓声と悲鳴が入り混じる庭で、舞子の横にいたドワーフ翁がおもむろに口を開いた。

「互角か、少し押しておるのう、さすが若様じゃ」

「メイアさんと一緒に戦っている時より、明らかに動きが良いんですが、どうしてですか?」

 舞子が以前の戦闘を思い出し、命彦の動きの質が違うことを指摘すると、ドワーフ翁が答えた。

「恐らく、若様が眷霊種魔獣の動きに対応し始めとるんじゃ。思考や動きのクセを読み取り、最善の戦い方を構築しつつある。戦闘を通じて相手を理解し、対抗策を取り始めたのじゃろう」

「それだけではありません。〈秘密の工房〉に潜まれている姫様やミサヤ様が、若様の援護を最適化しつつある。若様が欲しい時に欲しい魔法を使って援護し、時に先読みまでして魔法を構築して、的確に助力し始めた。高速戦闘に適応しつつあるのです。要するに、若様達はあの状態での眷霊種魔獣との戦い方を、掴んだのでしょう」

 エルフ女性の言葉に、ウムと首を振ったドワーフ翁が言う。

「このまま行けば、あと数分は互角の戦いができよう。そこが勝負じゃ」

 ドワーフ翁の発言に、舞子は戸惑った。

「えっ? このまま命彦さん達だけで戦っても勝てるんじゃありませんか?」

「いや、難しいだろうね、それは……」

「若様達は敵の動きに対応した。しかし、それはまた逆も然り。敵も若様達に対応し得る」

 白衣白髪の鬼人女性と禿頭の老人が、いつの間にか舞子の横に来て言う。

 古参の従業員達は、平面映像を見て厳かに語った。

「このままあと数分で押し切れれば勝つ見込みはあるが、しかし、押し切れずにズルズルと時間が経てば、若様の負けじゃ。〈魔竜の練骨具足〉の効力はもう切れかけておる。エレメントフィストも右腕のみじゃ」

「しかも相手は神霊魔法の使い手、無尽の魔力を振るうんだ。時は相手の味方をするよ」

「メイア嬢が加勢できるかどうかが分水嶺だろう。決めてくだされ、若様、メイア嬢」

「メイア様もそれを理解して、神霊魔法の構築に入っておられます。決着は近い」

 エルフ女性の言葉に、舞子達はごくりと息を呑み、平面映像を見続けた。

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