第15話 潜入任務!!

時間は午後18時半を過ぎた頃、ジャック、オリヴィア、ゼルダさん、ギルの4人はパーティー会場である屋敷の前に着いた。


「少し遅れちまったの、もうパーティーは始まっとる。」


「オレは警備員になりすますから、適当なところにいる警備員を倒して服を拝借してくる。」


そう言うと早々にギルは探しに行った。


リリィさんとルーナ、そして僕は、屋敷の近くにキャンピングカーを止めて、リリィさんの能力で繋がっている4人の視界をパソコン越しに確認する。


ジャック達は会場のゲート付近にある金属探知機と荷物検査を受けた。


「凄く厳重ね。」


「流石、金持ちといったところじゃろ。」


ジャックが嫌味っぽくボヤいた。


「これでアタシ達は武器も持ち込めないって事ね。」


太った警備員の男が


「はい!問題ありません!最後に証明書を確認させてもらいますね!」


僕が急ピッチで作った物だけど大丈夫であろうか?緊張して胃がキリキリする。画面越しにみているだけなのに。


「はいはい、わかってるわよ。」


オリヴィアは呆れた顔で証明書を全員分渡す。


数秒の沈黙が流れる。


「すみません。お待たせ致しました!ようこそ!タルボット主催のパーティーへ!どうぞお楽しみにください。」


フゥーー!よかったぁぁ!なんとか騙せたみたいだ。とりあえず僕の仕事は成功したといってもいいんじゃなかろうか!


「良くやったじゃない。」


右隣でリリィさんが缶コーヒー片手に、ぶっきらぼうに褒めてくれた。なんだかそれがとても嬉しかった。


なんだろう。厳しい人に誉められる余計に嬉しく感じるのは、凄く気持ちいい!


「ルーカスにしては上出来じゃの!」


「やったじゃない!帰ったらチューしてあげる♡」


「流石だ!早速、君の力が役にたったぞ!」


スピーカーからジャック、オリヴィア、ゼルダさんとお褒めの言葉を頂けた!


初任務にして遂にみんなの役に立てたみたいだ。


なんだか歯が浮くような、そんな浮き足だったような気分になる。


「よかったね!ルーカス!昼間に頑張って作っていたもんね。」


左隣でルーナも笑顔で喜んでくれた。


「さぁ、3人とも!無事潜入できたらタルボットを探してコンタクトを試みるのよ!」


「了解じゃ!」


屋敷の中はオーケストラの音楽にワインを乗せたウェイター達がワインを配り歩いており、金持ち達はワインを飲みながら世間話に花を咲かせているようだ。


初めて見る金持ち達のパーティーに僕は目を丸くする。その煌びやかな世界に驚きを隠せない。


「うわぁぁ!はわわぁわぁわぁ!」


どうやらそれはルーナも同じだったようだ。そりゃそうか。目を輝かせてるな。


「人が多すぎて見つけにくいな。私の能力でも時間がかかりそうだ。」


「さて、どうしたものかのぉ」


「なぁなぁ、ちょっとだけあそこにあるお菓子食っていい?アタシ、お腹減っちゃってさぁ〜〜。」


オリヴィアがヨダレを垂らしなが訴えかける。


「我慢しなさい。オリヴィア」


「え〜〜ん。マジィ〜〜。」


すると横から小太りの無精髭を生やしたオヤジが話しかけてきた。


「あんた達、見ねぇ顔だな?新入りかい?ウィッ」


顔は赤くだいぶ酔っているようだった。


「そうなんじゃよ!最近事業を起こしたばかりでの。タルボット氏に少しでも話をと思っているんじゃが・・・」


「ほぉ〜〜、あんたもタルボット氏に援助してもらおうってハラかい!まぁこの町で成り上がろうってなりゃそうだわな!この町の魔石は全てタルボット氏が所持しているしな。ギャッギャッギャッギャッ」


「あなたも相当の手腕の方とみた。どうじゃろう、よければ是非、タルボット氏に気に入られる為のコツがあれば承りたい。」


「ギャッギャッ!こいつはぁ〜〜肉食だなぁ〜!流石に若いだけあって野心満々だな!そうさなぁ、特別に教えてやるよぉ〜。おらぁ今気分がいいしなぁ〜〜、オメェさんの隣にいるべっぴんさん2人は連れか?」


「そうじゃが?」


「なら簡単さ!タルボット氏はかなりの好色家さ!そんだけのべっぴんさんなら間違いなくいけるだろう。ギャッギャッ!オラァも後10年若けりゃなぁ!ギャッギャッギャッギャ!」


うぇぇ。やっぱりか!タルボットのヤローに2人のあられもない姿を見させるわけにはいかない!なんとかしてぇー!ジャックぅぅ!


2人して露骨に引いていた。


小太りのオヤジが続ける。


「それにちょっとしたパーツが作るのと、売り上げの少しを毎月献上すれば安泰さ。簡単だろ?」


「ちょっとしたパーツって何さ?」


オリヴィアが不思議そうに聞き返す。


「何に使うかは全くわからねーんだがよ、タルボット氏のおこぼれを欲しいって企業は必ず頼まれるのさ。それが一体なんだかよくわからないし、企業ごとに形が違うのさ。これも深く聞かない方がうまくいくコツだゼェ。」


「そうか!親切にありがとうの!親切ついでに聞きたいのじゃが、今、タルボット氏はどこにおられるのじゃ?」


「ん?ああ、右奥に人だかりがあるだろう?あそこにいるよ!みんなタルボット氏と話したいから大変だと思うけどな。ギャッギャッ!」


「この礼はまたいつか。」


それじゃっと伝えて3人はタルボットの元へ向かう。


向かう途中で見覚えのある赤髪が黒のスーツに身を纏い、サングラスをかけて神妙な顔をして立っている。


どうやらギルは警備員に変装することができたようだ。


タルボットの周りには人だかりでうまくコンタクトを取れそうにない。


「流石にこれだけいるとなかなか話しかけには行けないな。どうするジャック。」


「ここはアタシに任せてよ。」


「行けそうかの?オリヴィア。」


「あいつは好色家でしょ?美人には目がないとみた!ここはアタシが落として見せるわ!一応あっちの視界にも入るしいけると思う。」


そう言ってオリヴィアはゆっくり歩き出す。その歩調はなんとも言えぬ優雅さを持っており、赤いドレスがよりオリヴィアの美しさを際立出せた。


ゆっくり、タルボットの方に首を傾げ、少し目を合わせる。オリヴィアの視界でモニターからもタルボットと視線が合ったのがわかった。


オリヴィアは少し口角を上げていやらしく微笑むとすぐにタルボットから視線を外す。そして悠然とジャック達の元に戻ってきた。


「どうじゃ?釣れたか?」


「えぇ、あの助平オヤジ。こっちが誘った瞬間に鼻の下伸ばしてアタシの胸やお尻に視線を落としたわ。その内来るわよ。」


す、凄い!あれだったら誰でもオリヴィアに視線を送ってしまうだろう。あれがオリヴィアの、プロの技か!


男はセクシーで美人に視線がいってしまうものだ。おっとっと鼻血が出てきたようだ、いかんいかん。ズズズゥゥゥ。


「わ、私はなんというか、ああいうオヤジは苦手だ。」


「これから変態オヤジがエロい目で来るんだから、ちゃんと誘惑しなさいよ!ゼルダ!」


「ぅぅう。この格好だけでも恥ずかしいのに誘惑なんてぇぇ。」


少し涙目になるゼルダさん。これはこれで慣れてない感じが出て可愛い。


「おっとすまんね。ちょっと道を開けてくれるか。」


タルボットの護衛が人混みを割って道を作り、タルボットがジャック達に近づいてきた。


「おぉぉ!これはこれは美しさお嬢さん。既にご存知かと思うが儂がタルボット。よければお嬢さんのお名前を聞いても良いかな?」


「あぁん。もちろん知っています。あの高名なタルボットさん!アタシの名前はオリヴィア。是非お会いしてみたかったの。タルボットさんの噂は予々聞いていまして・・・」


「ほぉ、噂と。儂のどんな噂を聞いているのかな?この町一番のお金持ちとか、意地悪とかかな?ウキョキョ。」


「えぇ、色んな噂がありますが、女の子達の噂だとある場所ではタルボットさんはとってもセクシーで・・ワ・イ・ル・ド♡って聞いて。」


「ウキョキョウキョ!噂以上じゃぞ!儂のはな!ウキョキョウキョ。」


ゼルダさんが青ざめた。モニター越しの3人も青ざめた。


「おやおや、こちらの眼帯のブルーのドレスを着ているとてもエレガントな女性もあなたのお友達ですかな?オリヴィアさん。」


「ええ!彼女はゼルダ。そしてそこにいる彼はジャック。」


「こ、こ、こん、こんにちは。」


ゼルダさんはさっきのショックからガチガチであった。


「お初にお目にかかります。ジャックと申します。」


タルボットの目が少し厳しくなった。おそらく男の存在が気に入らないのだろう。


「どのようなご関係で?」


「わしらは親戚同士で最近起業しましての。もともと小さかった親父の会社を息子のわしが引き継いで新しくしたところです。彼女達はその時働いていた従兄弟になります。」


「ほぉん。なるほど、お前さんも魔石を使った企業はにしたいと。」


「ええ、是非タルボット殿にお力添えをお願いしたく、わしらもタルボット殿のお力になれるかと。よければ今晩お話ができれば。」


「そうじゃのぉ〜〜」


そう言うとタルボットはオリヴィアとゼルダさんを舐め回すように観察している。


ゼルダさんは顔を伏せて頬を赤くする。


タルボットのエロい視線が耐えきれず恥ずかしくて顔を伏せたのだろう。


「ウキョキョウキョキョウキョキョ!愛いのぉ、愛いのぉ!またその慣れていない感じが愛いのぉ。ウキョキョ!」


ウゲェェェ、この気持ち悪いタルボットと同じ感想になっちまったぁぁ!嫌ダァ、でも、でも、気持ちは痛いほどわかります。チクショォ


逆にオリヴィアはむしろ誘うように、セクシーに視線を送る。


「いいのぉ、いいのぉ!最高じゃのぉ!ウキョキョウキョキョ!よし!わかった。お前たち、少し奥の部屋で・・」


タルボットがそう言いかけた時、護衛の男が耳元で何かを囁く。


タルボットが次第に深妙な顔になっていく。


「すまんな、急用が入ってしまった。また後日、話を進めよう。」


さっきまで鼻の下伸ばしっぱなしの緩んだ顔とは打って変わってとても怖い、深妙な顔付きになっていた。とても引き止められる様子ではなかった。


それを察したジャックは、わかりました。また後日と言い、タルボットは急ぎ足で奥の大きな扉の中に消えていった。


「奴のあの反応、もしかしたら今夜、大物が釣れたかもしれん。」


「ゼルダ!恥ずかしがってないで行くわよ!」


「え?ええええっ?何?」


大急ぎでタルボットが消えた大きな扉に向かい扉を開こうとするが、押そうが、引こうがビクともしなかった。


「クッ!電子ロックされとる。ここからは関係者以外立ち入り禁止禁止ってか?」


「やばい!奴を見失う!ゼルダ!頼む!」


「ああ!私に任せろ!」


そう言うとゼルダさんの左目が光りだす。


「第3の凝視トランス!!温度眼テェンパーチャーアイズ!」


ゼルダさんの視界がサーモグラフィーの様に、蛇のピット器官の様に、辺りのみんなの温度が見える様になった。


これがゼルダさんの能力!?視ることに関してこんない色々な事が出来るのか?


「奴は・・・どうやら地下に向かっているみたいだ。」


「地下!?秘密部屋か?ますます怪しいの。」


「どうするのよ!ジャック!この扉、蹴り破る?」


扉の奥からウェイターが料理を持って出てきた。


「見たかの?」


「あぁ、カード、右のケツポケット!」


「だったら、」


「アタシが取ってくるわ!待ってて。」


オリヴィアは出てきたウェイターに駆け寄り肩に手をかけた。


「ハァーイ!お1つ頂いてもいいかしら?」


「え、ええ、どうぞ!」


ありがとうっと一言伝えオリヴィアは戻ってきた。


一体これでカードキーを取れてきたのだろうか?


「これで準備完了!行くわよ!」


右手を伸ばして唱える。


強奪スナッチ!!」


一瞬にしてオリヴィアの右手にカードキーが瞬間移動してきた。


確かオリヴィアの能力は奪う能力だったな、ギルのアイスを奪った様に今回はウェイターのカードキーを・・・


ジャック達はドアを開けタルボットの足取りを追う。


「ゼルダ、奴はどっちに向かっていった?」


「確か、この辺だ。ここからおそらくここから下に行ったのだろう。」


「本当かよぉ〜、だってこれさぁ〜〜」


みんなの視線に写っていたのはただの白い壁であった。ただ変哲のない廊下の壁。


「おそらく隠し扉ね。」


リリィがマイクに向けてみんなに伝える。


「大丈夫だ。私の眼は奴の指紋を捉えている。ここの壁だけ一際指紋が付いている。」


「第4の凝視トランス調査眼サーチアイズ


「奴はどうやって入っていった?ゼルダ。」


「指紋の流れからしてここから」


ゼルダさんが壁を手でなぞり指を押し込む。


それまでただの白い壁だった物はゆっくりと半分に分かれて開いた。


「行こう。」


階段をしばらく降りると一本道が続いていた。そして一本道をずーっと行くと目の前にエレベーターが現れた。


「また上に行くのか!?」


オリヴィアはどうなんってんだよと言わんばかりの顔をしていた。


「ここは一本道じゃった。ここしかないじゃろ。意図は不明じゃがな。」


「心していこうか。」


3人はエレベーターに乗り込み上へとあがる。


エレベーターのドアが開き目の前に広がった景色に皆驚いた。


「これは、この町を囲む岩山じゃないか。」


ちょうど屋敷の真後ろの岩山の中央あたりに繋がっていた。


「なぁ!こっち見て!」


オリヴィアが指をさして伝える。そこにあるのは岩山の中を切り抜いて出来た倉庫であった。


「もしかしたらここに武器が保管させているのかも。」


倉庫の中には段ボールやとコンテナがたくさんあった。


「段ボールの中に変なパーツが沢山あるわ。」


「ねぇ、もしかしたらこれ、拳銃のパーツじゃないかしら、私よく組み立ててるから見よぼえがあるわ。」


「そうか、おそらく各パーツ1種類づつ色んな企業に作らせてここで組み立てていたんじゃ、そうする事で武器の存在を分かりづらくするために。」


「これで確定ね。奴は武器を製造して売買しているわ。」


リリィが静かに、冷淡に言う。


もう少し奥に進むと男の声が聞こえてきた。ジャック達はコンテナの後ろに隠れながら聞き耳をたてる。


「全く、突然呼び出すのはやめてくれんか。せっかくいいところだったのに、あんただから急いできたんじゃぞ。」


声の主は1人がタルボット。護衛を3人後ろに立たせている。


「ええ、申し訳ない。取り急ぎ伝えたい事がございましてね。」


もう1人はフードを被った人物。体格も良く声が少し低い重めのトーンをした人物、おそらく男であろう。


「それで〜、一体なんだね?」


「今日はお祭りと聞きましてね。列車も動いていないと、なので今日しかないと思いましてね。」


「一体なんの話じゃ?」


「各色の列車に貴方が作ったそれぞれの色の魔石爆弾を積みました。今夜これから出発致します。」


「はぁ?一体何を勝手なことをしておる!!まだ取引の金も貰っとらんし、お主達がどこぞで暴れようと興味はないがこの町で暴れるのは許さぬぞ!ここは儂の町だ!」


「いやね、爆弾の威力も確かめたいですし、古代兵器の場所も復活方法もわかりましたので頂こうと思いましてね。」


「バカな!一体どこに!?わ、儂が散々探しても見つからなかったんじゃぞ?!お、教えてくれ!!それは、儂のじゃ!」


「フーーー、つまり、テメェは用済みだって事だよ。豚野郎!!」


フードの男は拳銃を抜きタルボットを撃ち抜く!


銃声が3発ほど倉庫内で鳴り響く。


「ガハッ!ぎ、ぎざま、う、裏切ったなぁ。」


護衛の男達はフードの男の後ろに付いていた。


「あぁ、それとここに忍び込んでいるネズミも始末しなくっちゃなぁ。」


フードの男がそう呼ぶと後ろから沢山の兵士たちが武器を持って出てきた。


「まずい!ワシらの存在がバレとる!」


「私達は丸腰だ。どうする!?」


「あのフードの奴!何もんなのさ!」


ジャックがコンテナに触れて能力を発動する!


「とりあえずこの場を切り抜けるぞ!『物質変化』」


そう唱えるとコンテナが大きなサイに変化した。そこから段ボールやコンテナをさまざまな動物に変化させていった。


「な、なんだ!この動物達は!!どっから湧いてきやがった!?」


まさに倉庫の中はパニック状態になっていった。


オリヴィアが拳銃を奪い、ゼルダやジャックに渡す。倉庫の中は戦場と化していた。


「一体何がどうなっているんだ?あのフードの男は一体何者だ!?」


僕はリリィさんに尋ねるが、リリィさんはわからないわと。


「うぉーい!てめぇーら!出てきやがれぇぇ!もうテメェ〜らは包囲されてんのさ!」


キャンピングカーの外から声が聞こえた瞬間、銃弾が数発撃ち込まれる。


「キャァァァ!」


ルーナが恐怖で叫び声をあげた。次から次へと何が起きているんだ!?


僕達3人はゆっくりキャンピングカーから降りた。


兵士達は5人、全員こちらに銃を向けている。


「よぉーし、いい子だぁ。おとなしくしていろよぉ。」


「全く!あんた達雑魚に構ってる暇ないのよ!」


リリィさんが冷たくそう言うと、左指から5本の白い光の糸が兵士達はを貫く。


「くっ!テェメ!ぶち殺されてぇーのかぁ!ああん!あ?!え?な?」


「あら?感じたかしら?今、あんた達はこれよ!」


そう言って右手に持っている缶コーヒーを突き出す!


え?何を言っているのリリィさん!?あんまり敵を逆なでしない方が・・・銃持ってるし・・・


「触られてる感じ分かる??愚かなあんた達に教えてあげるわ!この缶コーヒーとあんた達の痛覚を繋げたわ!『痛覚接続』つうかくコネクト


「ま、まさか!!」


「そう!つまり」


「ヤメロォォォォォォォォォオオオオオ」


リリィさんは缶コーヒーを放し、思いっきり脚で潰した。


その瞬間兵士達は鶏が首を絞められたみたいに金切り声を上げて倒れていった。


ヒィィィィィイ!恐ろしすぎるぅぅぅう!リリィさんこぇぇぇぇ!パネぇぇぇえ!


「ル、ルーナ!リリィさんには逆らわない方が身のためだな!ははは。」


ルーナに向けて話してみたが返事がない。というか姿さえ見当たらない!!


「ル、ルーナ!?ルーナ!!ルーナ!!」


ま、まさか!攫われた!?今の一瞬で!?隣にいたのに!!全く気づかれずに!?


「え!?ルーナちゃん!?この一瞬で、私にも気付かれずに攫われたって言うの!?」


一体この町で何がどうなっているんだぁぁぁぁあ!




















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