アウトロー!はぐれものは、超任務に挑みエージェントなるサスペンスアクションファンタジー
内匠頭
第1話 悪夢の始まり
夢をみていた。自分の将来を考えることに希望が溢れていた。明日には何か新しいことが待っていると、
世界は希望に満ちていて、願いはすべて叶うと信じて疑わなかった。
僕にもそんな時代があった。昔の僕が今の姿を見たらどう思うだろうなぁ、、、、
そんなことを考えながらコントローラーを握りゲームに興じていた。
「へへ~、ルーカス。君はこんなにもゲームが得意だったんだねぇ。驚いたよ」
「別に暇だったからやる時間が人よりも多かっただけさ」
「確かに!君は学生でもなければ働いてもいない。立派なニート君だもんね!」
ほっとけ。
あー、なんでこうなってしまったんだろうか、、みんなはどうやって就職していったのか。なぜ僕は職に就けず、こーして家でゴロゴロしているのだろうか。どこで何を間違えたのだろう・・・
自分がニートになっているとは思ってもみなかった。普通に就職し、汗水たらして毎日働き、仕事終わりに上司の愚痴でも言いながら酒飲んで帰る。そんな当たり前みたいな生活をしていると思っていたのに・・
「でも驚きだよね~、学生時代一番優秀だった君が職にあぶれるとは。うける!!」
「うるせー!ローザ!ほっとけ!笑うんじゃねーよ。」
ローザとは大学時代の唯一の友達だ。大学時代得たものはローザくらいだ。もともと性格がひねくれていてコミュ障の根暗な僕にこんなにかわいい女の子と友達になれたのは奇跡だった。顔は整っており、髪はボブカットの丸メガネが特徴な女の子だ。
「ねぇ〜!聞いてよ!メガネ新しくしたのぉ〜〜!いいでしょう?」
「そうだな!シンプルでいて真面目さを感じさせる!さらに顔が小顔のこともあり大きな丸メガネがより顔を小さく見せてかわいい!ボブカットの髪型も相まって服装によってはスポーティに見える可能性もある!たくさんの秘めた可能性を持ったメガネだといえよう!」
「なんか気持ち悪いょ、評価がオタク特有の早口でよくわかんないし。」
うるせぇ、オタクは余計じゃい。
「そのメガネ、まさか伊達眼鏡なんて言わないよな?」
「うん!ちゃんとしたメガネだよ!私目が悪いし!ついでにルーカスは人相が悪い!」
「人が気にしていることを言っちゃいけません!」
僕も爽やかイケメンみたいになりたい。何故こんなどんよりメガネになってしまったんだろうか?さらに髪の毛は癖毛で天パ!ぴょんぴょん跳ねるし!
「よかったよ!ちゃんとしたメガネで!最近はおしゃれメガネなんて言って、目が悪くないのに伊達メガネなんかをしてカッコつけてる奴がいるらしいじゃない!」
「・・・・・」
ローザが冷ややかな目で僕を見ていた。気にせずスルー
「僕は言いたいね!メガネは医療器具ですと!!貴様らみたいにちゃらんぽらんで付けているわけではないのだと!メガネ会の会長としては言いたいね!いや、言わせていただく!」
「一体いつからメガネ会なんてできたのよぉ〜。メンバーは誰がいんのそれ?私は入らないよぉ〜」
ついさっきできました!ちなみにお前はメンバ入りしてるからな!覚悟しておけ!
「さらに言わせていただくと!!黒縁メガネや、少し色が入ったものを付けているだけで伊達メガネを疑われる確率が普段の二倍になるのだ!許せん!こっちは根っからのメガラーだ!」
「メガラーって何?ルーカス。自分で思っているほどかっこよくはないわよぉ〜!むしろダサいわ!」
流行らないかな?メガラー!黒縁メガネがなんじゃ!スタンダードが至高じゃい!
「はいはい!わかりましたよぉ〜!」
呆れられてしまったか、でも僕はめげないぞ!絶対流行らすメガラー!
「にしても雨が鬱陶しいな!湿気で毛が跳ねる。」
この時期は嫌いだ。雨が多い。雨が多いと癖っ毛で天パの僕は跳ねるしうねる。
「それに対しては同意だよぉ〜!私も湿気が多い日は跳ねるよぉ〜!」
えっ?ローザも癖っ毛のなの?天パなの?それは初耳だ!
「滅茶滅茶ストレートじゃんお前!!どの辺が天パ?どの辺が癖っ毛?」
「毎朝アイロンで真っ直ぐに伸ばしてるんだよぉ〜!これでも女の子は毎朝頑張っているのだ!」
「毎朝ねぇ。よくやるなぁ!僕なんかはもう諦めちまったよ!髪を真っ直ぐにするのにアイロンなんかあるんだな。知らなかったよ!」
「そうだねぇ〜!ルーカスには全く縁のないものだからねぇ!でもオシャレな男子は使ってることも多いみたいだよ〜!どっかの誰かさんとは違くて。」
「おいおい!偏見が過ぎるぞ!オシャレな男子は皆使ってるみたいな言い方をするのは良くない!使っていないオシャレさんもいるじゃないか!僕みたいに!」
この髪の唸りこそがむしろオシャレと言ってもいい!
「冗談は頭だけにしてよぉ〜!」
それは言い過ぎじゃない?こんな僕でも傷つかのよ!
「ねぇそんなことより、そのゲームで私と勝負しましょうよ。」
ん?今僕がやってこのゲームか?
「負けたら冷蔵庫にあるアイスはいただくわ!どう?この勝負受ける?受けない?」
「そのアイスは昨日の夜から楽しみにしてた僕のアイスだ!絶対に渡さん。負けねーぞ!」
「じゃ決まり〜〜!ハルシステム内にある格闘ゲーム、えーと、、たしかバトル&アニマルズ」
「よく知ってんな。さすがだよ、まったくお前にはかなわないなぁ」
ハルシステム・・三年前に、ハル・スプリングという博士が開発したシステム。この街のあらゆるものはハルシステムを通して管理されている。インターネットと仮想空間が融合した新しいシステムだ。パソコンはもちろん、テレビや車、エレベーターや信号などの交通機関などをハルシステムで行っている。納税や行政手続きなどもできる。自分のアバターを作り、アバターを通して様々なサービスを受けれる。
例えばテレビをつけたいときハルシステムを通して自分のアバターを操り起動させる。これによりリモコンは必要なくなった。車の運転などもアバターに目的地を設定し運転を行ってもらう。これにより事故率はゼロに近くなった。
およそこの街の99パーセントの人間がアバターを持っている。この街に住むのであればアバターがなければ生活は難しい。
「なんだかこの街の支配者みたいだねぇ。」
ローザが少し冷たい声で言った。
「支配者ねぇ、そんなこと思ったこともなかったなぁ、お前の表現は相変わらず毒がある表現をするよ。」
「そんなことより早速始めましょうか!」
バトル&アニマルズはフィールドから相手のアバターを突き落とせば勝利となる。それぞれタイプがあり、格闘タイプ、剣士タイプ、射撃タイプの3種類だ。
ローザのアバターは猫の格闘タイプ。対する僕のは兎の剣士タイプだ。格闘タイプはコンボが決まるとすぐやららてしまうので間合いを見極めていがなければすぐやられてしまうだろう。
しかし格闘タイプは1つ1つの攻撃が軽いので大差からの逆転はありえないだろう。こちらの剣士タイプはリーチも長くオールラウンダーに立ち回れる。
ちなみに僕はこのゲームの世界2位の記録を持っている。万が一にも負けはしないだろう。もはやデキレースだな。悪いなローザ!
バトルは僕から仕掛けた。剣を生かし、格闘タイプの間合いのに入れさせないよう絶妙な距離を取りながら攻めていく。
ローザは初心者のはず!コンボもわからないだろう。
僕は右から大きく剣を振る!しかしうまくローザは躱す!
そこから剣をフェンシングのように突いたが腕で弾かれなかなか当たらない。
素人の動きではない。ローザめ!少なからずこのゲームをやってるな!
僕が横目にローザを見ると、見たことのないドヤ顔で僕を見返した。
なんだろう。ムカつくとかそんなんじゃなく可愛かった!
ローザも僕の剣を弾きながらパンチやキックを繰り出していく!
このゲームにはゲージを溜めて放つ大技がある!必殺技とも言っていい!うまく隙をついて当てれば一気に場外まで持っていけるだろう!
これは持久戦。どちらかが痺れを切らし大技を仕掛けるかで、勝敗が決まる。
お互い少しづつダメージを稼ぎながら、しかし決め手に欠けていた。
ここでついにローザが仕掛けてきた!空中へ飛び上がり大技の踵落としを決めにきた。
ローザの必殺技!!ここで痺れを切らしてうってきたか!
ふっ、やはり甘いな。僕がどのくらいこのゲームをやってきたか。有り余る時間という時間をかけ、研究に研究を重ねて積み上げてきたスキル! ローザ・・・ 貴様の負けだよ!
僕はローザの踵落としを避けこちらの大技!!大回転斬りを仕掛けた!
「くたばりやがれぇぇぇぇぇえ!」
その瞬間相手の構えを見て悟った。
え・・あれは!格闘タイプ唯一の技。カウンター!!
カウンターは相手の攻撃を倍にして返す技!技の威力が大きければ大きいほど返ってくる威力は上がる!
僕の大回転斬りを受け、カウンターが発動した。
僕は場外までぶっ飛んでいった。
「イェーイ!私の勝ちだね〜〜!アイスはいただきぃ!」
「クソォォォ!そんな上級者技できんのかよぉ〜!僕のアイスがぁー!」
そこから悔しくて10戦申し込んだが全敗だった。なんなのこいつ。めちゃめちゃ強いんだけど。
「なーんにも知らないルーカス君に教えてあげる!あたしこのゲームの全国チャンピオンなのよ!」
はぁぁぁぁあ!!マジかよ!こいつがチャンピオン?!そんなの聞いたらあの賭け詐欺じゃん!どーりで自信満々に勝負を仕掛けてくるわけだよ!
僕がデキレースじゃんって思ってたのに!!逆じゃん!
「あ〜あ!楽しかったぁぁ!アイスも美味しかったし!ありがとね!美味しかったよ!抹茶味!」
チクショ!僕の抹茶味!昨日の深夜に買いにいったものの流石に深夜にアイスを食うのは、体にどうかと思って、だから、今日食べようとしてたのにぃぃぃ!クッソォ!昨日食べてりゃよかった!
「で!どうなの?最近は?家に引きこもりがち?」
「ご覧の通りですよぉ!毎日ぐーたらしてまっせ!暇を持て余しております!」
「あっ、そうそう。それならさ!君にちょうど良さそうなバイトをいくつか見つけたからさ!お金も入るしどうせ暇ならどうよれやってみたら?」
と言っていくつかチラシを置いた。
僕はまだ敗北の気持ちから這い上がれてないがローザは意気揚々に置いた。
「たしかに。お金は欲しいが、僕ば接客系はできないぞ」
「そーいうと思って君が出来そうなのを選んでおいたよ、、基本日雇いだから大丈夫でしょう?」
ここまで気を使ってもらえるとは、、こいつには頭が上がらない。
「ありがとう。目を通しておくよ!」
それじゃ、また今度ね。とローザは僕の部屋を後にした。
それから惰眠を貪り、夜飯を食いながらローザがくれたチラシに目を通していた。
「んー、んー、、んー、、」
なかなか決まらない。優柔不断なせいもある。そんな中1つ気になるチラシを見つけた。
ハルシステムの新セキュリティを試すテストプレイヤー募集。難易度に合わせて報酬が変わります。最高難易度クリアには報酬三百万ボンド!!さらに新システムを設置することでボーナスも出ます。
「まじかぁ、やる価値あるな!しかも今日の夜中1時から!もしかしたら300万ゲットしちゃうかも!これでしばらく働かなくて済むぞ!」
ボーナスもゲットしちゃいますか!でも新システムってなんだろ?
チラシを丁寧に見ているとちゃんと書いてあった!
新システムはハルシステムに追加で新たなシステムを組み込んでもらいそのシステムの評価でさらにボーナスを上乗せさせていただきます!
皆様の斬新なアイデアをお待ちしております!是非是非ボーナスも狙って見ましょう!
そして夜中1時に30人くらいハルシステム内部のセキュリティルームに集まった。
「こんばんは皆さん!今回のテストプレイに集まっていただき誠にありがとうございます。今回は6段階に組まれているハルシステムのセキュリティを突破していただきます。また追加のシステムを設置された方にはボーナスも出ますのでよろしくお願い致します
。これはハルシステムセキュリティをより向上させるために必要な実験なので皆様!全力でお願い致します。」
真ん中で喋ってる主催者はイタチのアバターだった。なかなか可愛らし!
主催者のイタチが言うには、三段階にハルシステムを守るセキュリティを突破し、中心にある解除コードを入力してセキュリティを完全解除することでテストは終了らしい。
どの段階に辿り着こうが、完全解除することがテストの達成条件らしい。つまり完全解除出来ないで失敗した時点で1ボンドも入ってこない。0か300か。
このテストでテロ対策などのデータ収集に繋がるらしい。またテロ対策用の強靭なシステムを作って設置すればボーナスも出る。制限時間は2時間!
「説明は以上とさせていただきます。それではスタートです。」
一斉に始まった!全員解除に取り掛かる!
ある意味これはハッキングのレベルを見ているのかもしれない!
セキュリティの向上と言ったが、たしかにハルシステムがハッキングなんてされたらほぼこの街を乗っ取ったと言ってもいい!もはやテロだ!
だからだろう!今回のデータを元にさらに強化していきたいと思っている!
他の人たちは各々の自分のやり方で侵入している。もう何なんかは一段階目をクリアしている模様!僕もモタモタしてられないな!僕は僕のやり方でいくぞ!
一段階目は大きな巨人が守っていた。こいつを突破しなければならない!
他の人たちは動きを止めたりウイルスを、送ったりしていたが弾かれている人が多い!
僕は巨人に触れて巨人の中に侵入する!中からこいつを分解するやり方でいくつもりだ!
こいつを構成しているプログラムを一つづつ切り取り分解していく!こいつを構成しているプログラムの数はおよそ五万個!
普通の人なら一ヶ月あっても解けないであろう!でも
悪いな!僕はこの手の事は得意でね!
約10分!巨人は足元から崩れていった!
「悪いね!お先に!」
第一段階からなかなかのレベルだ!さすがだよ!最高レベルのセキュリティとはよく言ったものだ!
第二段階は無数のハチがこちらに針を飛ばしてくる。
これもまた多いなぁ。やはり簡単には通らしてくれないらしい!なら次はウイルスだ!
一体一体なんてやってたら時間を食ってしまう!一気に散布してやる!
僕は上から僕お手製のウイルスをばらまいた!
これウイルスに感染すると完全フリーズする!機能を止める事が出来る!完全にウイルスが回るまで少しかかるのが難点だ!その間このハチどもの猛攻を避けなければ!
一斉に襲いかかるハチをバトルアンドアニマルズで鍛えたスキルでうまく避けていく!
手前が徐々にハチが動きを止めていく!こうなればもうこっちのもんよ!
数分経つともう動いているものは誰もいなかった!
よっしゃ!第二突破!次でラストだ!
第三段階は数列の並びであった!この数列の中にパスワードの四桁の数字を探し出し解除出来る!
やばいな!さっぱりわからないぞ!なんだこれ?どーすればいい?
いや、ここの過去の履歴を遡って足跡を探す!必ずロックをかけるときにその足跡が残ってるはず!
見つけてやる!必ず!大丈夫!俺なら出来る!やれるはず!
僕は数字の羅列に侵入し履歴の足跡を探す!
ダメだ!数が膨大にありすぎる!いや!諦めるな!まだまだだ!まだ時間はある!
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「おめでとうございます。エントリーナンバー23番!ルーカス様!何という速さ!素晴らしい!賞金は明日振り込んでおきます。」
「まじか!!やった!やった!やっほーーい!三百万だぁぁぁぁあ!」
あれから奇跡的に僕1人が完全解除することができた。まさか自分にこんなハッキング能力があるとは。新システムも設置してきたしボーナスゲットか!!
始まって深夜三時を回っていた!
「流石に疲れたなぁーー!だぁー!こんなに集中したのはいつぶりだ?」
でも今日はパーティーだ!いいだろう?お金は入るし、頑張ったし!自分にご褒美しても!
嬉しさのあまりお酒を飲みまくった!僕はビールとかあまり好きではないので甘いお酒にした!カルーアミルクが好きなのだ!
いや、いいだろう?カルーアミルク!居酒屋で頼んだら店員さんに少し笑われたが、、、
まぁそれは男ぼっちできて笑われていたのか、あの顔でカルーアミルク!?と笑われていたのかわ知るよしもないがな。
二時間ぐらいカルーアミルクを浴びるようにのみおつまみを食い散らかした!
やはりつまみと言ったら枝豆だろう!人それぞれだと思うけど!僕は枝豆とチータラが好きなんだ!
それにしても大金が入ったんだ!せっかくこのバイトを教えてくれたローザに何かうまいもんでもご馳走しよう!
何だかんだあいつには沢山お世話になってるしな!その日頃のお返しもほとんど出来てないし、いい機会だ!
なんだかんだで、腹一杯まで食べたら眠くなりベットについた。時刻は六時を回っていた。
まさかあんな恐ろしい事件まで発展するとは夢にも思っていなかった。
ピンポーン!!!
ピンポーン!!!
「うぅぅぅううう、、」
ピンポーン!!!
「あー、うるさいなぁ、なんだよ。こっちは二日酔いで頭いてぇーんだよ。」
携帯を開いて玄関のモニターを見ようとしたが、アバターが現れない。
ん?僕のアバターの姿がいない。どーいう事だ?
仕方がなく、痛い頭を抑えながら玄関の扉を開いた。
「どぉーも〜〜、ルーカスさんですか?お間違えありませんかね?」
その男は黒いスーツに身を纏い、黒いハットを被っていた。ハットは目深く被っているせいか、目元は前髪でほとんど見えなかった。それに腰に黒の刀?
なんでこいつ黒い刀なんてぶら下げてんだ?見た目は完全に殺し屋のそれなのに腰の刀がミスマッチしていてなんだか余計に怪しく見える。
「えーとっ、どちら様で?」
「自己紹介がまだだったの〜、わしは特殊特別特務特化特例捜査官のジャックじゃ!通称アウトローと呼ばれたる!よろしくの!」
特を何回言うだよ!よくわからんわ!アウトローってなんだ?それに捜査官?なんで捜査官がうちに?
と言いつつ部屋に上がり込んでくる。僕の部屋をキョロキョロ見渡している。
この男どうにも胡散臭い。ヘラヘラしてるし、格好殺し屋だし!
「にしてもザ・オタクって感じの部屋じゃなの〜、ラノベにマンガにフィギュアか。それに調べたところ無職」
うるせぇぇええ!てめーにラノベやアニメの何がわかるってんだコラぁぁぁああん!それに無職はほっといてくれぇぇぇえ!それに関してはなんもいえねぇぇからぁぁぁあ!
「おまけに人相は悪いし、髪はボサボサだし、部屋は汚いし、友達いなさそうだし、身体はヒョロヒョロだし、言葉のセンスはないし、メガラーって意味わかんないし!」
言い過ぎじゃなからろうか?初対面でそこまでいいます?!それになんでメガラー知ったんだよ!びっくりだよ!
「それに酷い格好じゃな」
えっ、あー、上下スエットの状態であった。いやでもみんな寝起きはこんなもんだろ!
「オーラがないわい!オーラが!いや、むしろ負のオーラならでとるのぉ!疫病神的な!」
何なんだよぉぉぉ!こいつぅぅぅ!ムカつくんですけどぉぉぉ!
「え、えーとっ、何の用で?僕みたいな一般市民に何かご用でしょうか?」
なんだか下っ端みたいな喋り方になってしまった。こんなところでコミュ症が出てしまう。
「わしはな、ある任務で組織に潜入捜査を行っておった。」
潜入捜査?!なんだか怪しい雰囲気がしてきた。しかも急に真面目に語り出しやがって!
「組織の名は傭兵会社穴熊!!テロリスト一歩手前の奴らじゃ。奴らの主な仕事は要人の暗殺やテロリストたちへの戦力としての派遣。強盗。国家破壊工作の援助じゃ。」
ほとんどテロリストじゃねーかよ!
「最近奴らに大きな動きがありその内情を知るためにわしが潜入しておった。」
大きな動き?
「そして二週間前に奴らにとってある重要なターゲットの人物の名前を見つけることが出来た。その人物が何者なのか、奴らとどのような関係で狙われてるのはわからんが最重要人物であるのは確かじゃ。」
ま、ま、まさか、、その人物の名前って!?
「そう、奴らがターゲットにしてる人物はヌシじゃよ!ルーカス君」
「まさか!何かの冗談か、人違いでしょう?!なんで僕がそんな危ない奴らに狙われなきゃならないんですか!!」
冗談じゃない!いきなり意味のわからないことをペラペラと!何処ぞのアクション映画か!!
ここでジャックが一言、「冗談じゃよ」や笑顔の1つでも作ってくれれば僕は一緒に笑える準備は出来ていたのに、僕の気持ちとは裏腹にジャックはさっきのようなヘラヘラした態度でなく真剣な表情で僕を見つめる。
「うそ、だろ。」
そう落ち込んでいる時、不意にテレビがついた。
「僕のアバターが、、、」
そこには白いウサギの姿から紫色のどす黒い顔をした僕アバターが街のアバターたちを襲って混乱させていた。
テレビのキャスターが「現在ウサギのアバターが次々にほかのアバターを襲い乗っ取っています。街はパニック状態となっております。」
そして僕のケータイに一通のメッセージが送られてきた。
「ボ・ク・ト・ア・ソ・ボ」
なんだよこれ?
悪夢の始まりだった。
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