第15話
さてさて、エリサさんの防御魔術をどうにかしないとな。
弥生さんも防御魔術は切れないようだし。
「……攻撃魔術」
「そうはさせない」
弥生さんがエリサさんの魔法陣を次々と切っていくのでこちらに攻撃して来れないようだ。
「なんなのよ、あの刀使い……」
ホント、どうやってるんだろうね、魔法陣斬り。
「アイラさん、あの防御魔術、どうにかならないですかね?」
「いくら最強格の防御魔術と言ってもダメージを与え続ければ壊れるはずだ」
ふーん、なるほどね。
「じゃあ、アリスさん、あの魔法陣殴りまくりまくりましょう」
どうせ攻撃魔術来ないし、スゲェーしょうもないけど殴りまくりましょ。
「了解です」
防御魔術の魔法陣をオレとアリス、アイラさんは剣で斬り付け続ける。
「クッ……どうして」
計算、狂うだろうなぁ。
オレも狂ったし。
時間稼ぎどころじゃなくなちゃったよ。
しばらくすると、ガラスが割れるような音がして、防御魔術は崩れた。
今だ!
オレはエリサさんの杖を持っている方の手を斬り飛ばす。
「ガハッ!私の手がぁぁぁぁ!」
エリサさんは地面に倒れ込んだ。
「……終わりましたね」
アリスさんがそう呟く。
「えぇ……」
「こんなはずじゃ……ワタシの復讐は……まだぁ……」
「もう終わりだ、エリサ。お前は杖を失ったからもう上位魔術は撃てないはずだ」
アイラさんがそう言うとエリサさんは再び歪んだ笑みを浮かべて
「ホントにそうかしらぁ」
「仕込んだ魔術なら破壊した」
そう言うと弥生が刀を鞘に納めながらそう言う。
「バカ……な。あれを見破ったの?」
「……さっきの魔法陣斬りとタネは同じ。私には魔力が見えるの。だから魔法陣の核を切って魔術を壊せるし、仕込んでる魔法陣も魔力を見ればすぐ分かる」
ハハ……とんだ化け物だぜ。
「こんなところで……私は……」
「死にはせんよ。すぐに帝国の軍が来るからな。治療してもらえるだろうよ。ま、刑務所行きだろうけどな」
「アイラ……私はどこで間違えたの」
「最初からだ……そもそも、やり方が間違ってた」
「そう……悪いけど私、刑務所には行きたく無いの」
そう言うとエリサさんは懐からナイフを取り出して自分首に刺そうとする。
「このバカ!」
アイラさんがそう叫ぶ。
……あれ、使うか。
nihility's gate、対象、ナイフ。
私は心の中で呟く。
ナイフは消える……
代償は?
あぁ、俺自身か。
「なんで……あなたまで私を否定するのよ……全部、あなたのために……あれ?あなたは死んだ……でも、目の前に……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「……発狂死とはな」
アイラさんはそう呟く。
そして、私は倒れ込む。
「レティシア!」
弥生が私を受け止める。
あぁ、弥生、私、全部思い出したよ。
私の意識は途絶える。
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