義母に全力でXXする!!
紫煙
第1話 プロローグ
「○〇君! 大好きです! 付き合ってください!」
目の前で顔をあかくしてそういってきた子は同じ幼稚園の年長さんで、確か名前はすみれちゃん。
園内美女ランキングなるもので1位にも輝いたことがあるらしいその子は子役もやっていてお遊戯会にテレビが来たこともあった。
周りでほかの男たちがピッカピカに輝いた泥団子を落として砕け散っていったのを今でも覚えている。
先生たちだって色めきだって子どもそっちのけでこっちに視線を送っていた。
「〇〇君! 付き合って!」
そう告げてきたのは確か、中学で美化委員をしていたタッキーこと滝沢さん。
普段は髪の毛をおさげにし眼鏡をしているが、あれは確かプールの時。
謎の美人現ると軽く事件レベルになり、体育教師でさえ滝沢さんがおぼれたものだとばかり水偵を10分もしていたほどだ。あの時は確かプールサイドに普通に座っていた。
要は何が言いたいかといえば、間違いなく美人。
そんな美人が告白をしてきたんだ。
ただ、確かその時も俺は
************
パーカーのポケットの中に手を入れれば当たるのは小さな箱。
サイズはばっちり寝ているときに糸を使って測ったから大丈夫のはずだ。
――この日のために頑張ってきたんだろ俺!
カラオケやボーリング、レアカードに図書カード。失ったものはかえって来ない。
やるしかない!
箱を掴み勢いよくそれを突き出す
「これ指輪!」
お年玉も小遣いもバイト代も、そのほとんどを使って。
クラスの女の子にだって聞いた。
恥ずかしい奴だと思われたのか赤い顔で教えてくれたそこそこいいらしいブランドの指輪。
「はいありがとう。」
―よし。受け取ってもらえた。
ただ、思い描いたような感動的な返事ではなく、学校のお便りを受け取ったときのようなそんな淡白な返事
「えっと、その」
伝えたいけどさすがにここからは気づいて欲しい。でも伝えたい!
そんな思いを察してくれたのかようやく開けられたケースのフタ。
「うん、薬指にはまるからつけるね」
そういわれ、指輪は右手の薬指へと吸い込まれていく。
いや、左手の薬指を狙ってるんですけどなんて言えやしない。
―無念
「ありがとね、遊太」
「うん」
予定は変わったが嬉しそうに言われれば頷くしかないじゃないか。
これがほれた弱みというやつなんだろう。
―俺、月島遊太は恋をしている。長い長い恋だ。
―おれを一人で育ててくれた義母に
沙月姉ちゃんに恋をしている。
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