第20話共にトラウマ
今の段階でこれが本当なのか嘘なのか、人の心が分からない。
長期戦かもしれない。
疑心暗鬼に頭から喰らわれた。
「変な顔とか、嫌な顔とかされたりなにか態度とかで嫌な目にあったの?」
今か?それ聞くのは、と言ってから気づく。
聞く、ということはその人に深く関わろうとする前兆になりかねない。
志鶴は違うと思いたい、信じたい。
そう思う心と
結局この人もアイツらと同じ、人に不幸を与えて喜ぶ奴らなんだ。
そう思う心が対立をして止まない。
「あったよ、しょっちゅう、ね」
志鶴は表情を曇らせてそう告げる。
「そう、なんだ」
「うん、だからお礼…」
もし、もし志鶴も同じような目にあっていたら?
ここで(だから何?)とか(そう、で?)とか心無いことを言えば間違いなく傷つくだろう、トラウマがまた増えるだろう。
けれどここまでも、これからもまだ計算づくで最悪のケースになるとしたら?
こんな時ほど人の心の声が聴ける耳があれば、嘘を見抜ける目があれば、こんなにも悩まなくていいのにな。
嫌な奴になってしまった、何を言われてもその裏に隠れている本音を探るクセが、本当は違うのだろう?と疑うクセが知らない間についていた。
自分を守るためなのだろうか。
そのせいで今日わざわざ話しにくいからと家にまで呼ばれたことですら裏があるよな?と疑って止まらない。
嫌だな、辛いな、苦しいな、怖いな、悲しいよ。
誰か、助けてよ。
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