堕天使再起動

堕天使再起動フォールンエンゼルリブート

(ティガー・K・テーリッツ編)

  


春休みは終わった...。白雪中学へと入学式に向かうものたちはとんでもないを見た。一列にならぶアームヘッド!これはアームヘッド不良の伝統的示威行動「マッド・トレイン」だ。その先頭にたつマーニ。「堕天使」「更正」「世界王者」「部長」などの禍々しい書体の書道がなされたのぼりを掲げた行列。

  


「...どうしてこうなった」僕は頭を抱える。礼三郎先輩は未だに不良時代の習慣が抜けきっていないのだ。「部活のいいアピールになる」と九先輩は言うが明らかに逆効果だろう。九機の不良アームヘッド集団は学校の駐機場に停まり、僕は入学式に出た。そして放課後、部活の申請をした。しかし...。

  


「部長になれない...だと?」礼三郎先輩が狼狽する。「どういうことです?」初老の教師に訴えた。「それは僕が説明しましょう」「威闇君!」メガネをかけた男が現れた。「何者だ!」「僕と君は同じクラスのはずですが、...僕は威闇楓季いやみふうき、君のクラスの学級委員にして風紀委員長そして...」

  


威闇がメガネをなおす。「アームヘッド部の部長だ!」「なに、アームヘッド部、既にあったのか!」礼三郎先輩が狼狽する。「あるよ!うちの部は九連続優勝の伝統のある由緒正しい部活だ」「なら俺を部長にしろ」「断る!」「くっ」「烏谷だぜ...」そりゃアームヘッド部あるよな...。

  


「どうすれば...」職員室からの帰り、礼三郎先輩は頭を抱えていた。アームヘッド部、白雪オラクルスは僕らを入れる気はないらしい。世界王者の野望は途絶えた?「私にいい考えがある」舎弟いや元舎弟が言った。「オテアライ!いいアイディアがあるのか?」「先輩、アームヘッド部を作りましょう」

  


「いや、もうあるのだぜ?」「私達の、アームヘッド部を」「おお...」「黒炎フォールンエンゼルを!」

  


話し合いの末、部活の顧問を探すことになった。翌日、初老の教師に頼みに言った。しかし、リジアンの教師はそろそろ退職らしく断られた。「まて、君はマキータの子供か?」初老の教師に言われた。「え?」「俺はプロセス・ショダイキガ、リズ崩壊の煽りを受け英語教師としてゴレンへときた」

  


「なるほど、それほどの関係者ならやってくれませんか?」礼三郎先輩の貴重な更正機会だ。「できない、だがいいやつを紹介しよう」「え?」「新任の英語教師だ、彼女もリズからやって来た。美人だぞ」プロセスがサムズアップした。そして紹介された金髪の教師がやってきた。あの車内にいた...。

  


「アイリーンよ、よろしく」僕らの顧問アイリーン…。



「さてさて顧問も決まった事だし!いっちょ練習でもするぞ!」図書館に集合した、第二アームヘッド部、チーム名「黒炎フォールンエンゼル」のメンバー達九名。白雪の反対で黒炎というわけだ。なんという...。「キミタチ!図書館では静かにしたまえ!」威闇風紀委員長だ。まさに嫌み風紀委員長。

  


「威闇先輩も充分声でかいっすよ」「チョットハナシガアル」「え?」「キタマエ!」そして外へ。...ここなら充分声が出せる。「アームヘッド部を作ったとして練習場はどうする?学校の練習場は僕らのものだぞ」ケチ臭い人だな。「...ティガーんちの借りるわ」九先輩がいう。え?「何だと?」

  


マジかよ...。「九は賢いな」礼三郎先輩が感心する。「汚い金持ちめ...」汚なくないです。「まあいい!今日はティガー君に話があるのだ!」「...なんでしょう?」「与太者集団など見捨てて僕の部活に入りなさい!」「止めろ!」ヤバイちょっと心惹かれた。「裏切らないよな?」怖い。

  


「ならばこうしよう、勝負だ、僕が勝ったら、オラクルスに入りたまえ!」「じゃあ僕が勝ったら?」「よし威闇!俺の部活に入れ!」「面白い...」威闇風紀委員長の実力とは...。  



放課後、威闇風紀委員長の専用カスタム文月、エクソダスが目の前。ここは白雪中学のアームヘッド試合フィールドだ。マーニとエクソダスは対峙し、勝負が始まる時を待っていた。「アームヘッド部、部長の実力、とくと見るがいい!」エクソダスが威圧する。「ぬ、アヤツ...」スウマが反応する。

  


どうしたスウマ?威闇を知っているのか?「違う...あのワッパではない」ピー!試合開始!「終わらせてもらう!調和能力"完璧なパーフェクトブルー"!」エクソダスが異様なポーズを決めた!「ええい、邪魔をするでない!」マーニの両腕が発火!エクソダスに瞬足で近づきエクソダスの両足を切断!発火!

  


「え?」「死にたくなければとっと脱出しろ」スウマは威闇にいい放つと観客席へと向かった!そこには、アイリーンがいた。「生きているとはな...。死んでもらうぞ。ゴレン!」マーニがアイリーンに手刀を降り下ろす!「待て!他のものを巻き込むぞ!」「構わん!」止めろ!だがマーニが飛ばされた!

  


マーニを蹴飛ばしたのは砂色のアームヘッドだ!「ドーン・ヴィーナスだ。やるというのならやるぞ。先生…」アイリーンはドーン・ヴィーナスに飛び

乗った。「エクジコウ!あのときの決着を着けようぞ!」


転送ゲートを出た俺達を待ってたのはゴレンとその配下どもだった。そして戦いが始まった。「先生、久しぶりだな、ドーボーキはどうしたんだ?」ゴレンが嘲笑った。「俺のもとを去った」「やはり、先生!あなたには人望がない!」ゴレンが剣を振り下ろす、鍔迫り合い!「エクジコウと名乗ってるらしいな」

  


「俺は神共の運命を超越するのだ!」ゴレンが叫んだ!「・・・。ドーボーキも・・・」「なんだ?」「ドーボーキもまたエクジコウを名乗っている…」そうドーボーキは俺のマスクを奪いエクジコウとなったのだ。「それがどうかしたか!」「まずはお前を倒す!」俺はマスクを取り出した。

  


マスクは禍々しいオーラを放っている。「なんだそのマスクは・・・?」ゴレンが離れた。警戒している。「おまえが作ったオモチャとは訳が違うぞ…。これはM.O.D」「モッド・・・?」「創造されし破壊の仮面、マスク・オブ・デストラクションだ」M.O.Dを構えた。


M.O.Dは俺の生命を吸い起動し・・・。「エグザイル領域ごと滅べ!ゴレン!」 ◎◎◎◎◎◎◎◎

  


マスク・オブ・デストラクションのパワーに俺の生命は耐えられなかった。だがゴレンもM.O.Dを使おうとは思わず俺と共に埋葬した。

  



マーニはドーン・ヴィーナスと対峙している。マーニの腕の炎が槍の形を取る。それをドーン・ヴィーナスに向け投げる!ドーン・ヴィーナスは観客席をかばうかのように前にたつ。「アナザー・ノート」ドーン・ヴィーナスが右手をかざす。炎の投げ槍を右手に命中?!いや影が飲み込んだ!そして!

  


背後の影から炎の投げ槍が出現!マーニを突き刺す!「俺に炎は効かんぞ!」マーニがドーン・ヴィーナスから離れる!「なにをする気だ?」マーニが両手を突き出し互いに手の甲を向けるかのように外に手のひらを向けた。「・・・ソーラーフレア」両手が炎上!空間が裂けはじめ・・・。

  


「やめろ」

  


僕はその声で目を醒ました。「また理解者を失うつもりなのか、先生」アイリーン先生の声だ。「・・・」スウマは押し黙った。「そのまま、それを使えばティガーは死んでいたぞ」「・・・変わったな。おまえ」「あなたはまるで変わっていない」「ふっそうじゃな」マーニは構えを解いた。

  


「エクジコウはもう、死んだというわけか・・・」「先生・・・」「だが!エクジコウは現存する!」「ドーボーキですか・・・」ドーボーキ、またあの名前だ。「俺はもう一人のエクジコウを倒すぞ」スウマは言った。「私は出来ることをするだけです」アイリーン先生はスウマに協力する気はないらしい。

  


「私はしばらく人間を満喫しますよ!先生が勝ったらまた相手をしてください」戦いは今終わった。事故はなんやかんやでなんとかなった。怪我人もいなかったらしい。その点は感謝せねばならない。そして数日後、ぼろ泣きをするイヤミ委員長がやってきた。「ウワアアアアアアア!追放された、お前のせいだ」

  


この人まともに戦えば強かったろうに可哀想に・・・。「ようこそ!フォールン・エンゼルに!」礼三郎先輩が歓迎する。「・・・、仕方ない」「でも、部長がいなくなったら向こうも終わりだな!」「お前知らないのか」「え?」「俺は部長にすぎん!」「どういうことだぜ?」礼三郎先輩が首を傾げる。

  


「俺の上には専務、常務、副社長、社長、そして会長が存在するのだ!」「会社・・・?」まだまだ強敵はいるのだ・・・。


「堕天使再起動」終わり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る