圏外にて

行宮見月

圏外にて

遅すぎた涙がほろほろ湯舟にとける

それ、なんか、嘘みたいで嫌だった、

透明になどならないで。逃げないで。

あの子のささやかな不幸を祈っては

真っ当に痛みたいと針を突き立てる

せめて血が流せたら違っただろうか

星と呼ばれたから光るほか無い僕ら

さわりたい、さわりたかったのにね。

句読点を置き忘れた思考、夜の質量

美しいものは、例外なく、孤独です。

群を成す僕は寄りかかっては離して

澄んだ姿に撃たれる朝を待つばかり

圏外、電波信号は混線、揺れている

さいごにきみの星のことばを教えて。

美学、すべて、壊される為在ったの

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