第24話境界の国6
...ゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴ...
イプシロン(ナジマの波紋)は空を覆っている。
...バリバリバリバリバリバリバリ...
沈黙と空を突然切り裂き、光の巨槌が落下する。
...
...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴ...
イプシロンは、ゆっくりと回転しながら、絶え間なくアマル軍に制裁の雷(いかづち)を叩き落とす。
雷爆は、無数のアマル兵を一瞬で蒸発させる。
爆風は、ミノスの市街や人々だけを避け、容赦なく地上の全てのものを吹き飛ばして行く。
アマル軍は、兵曹ですら、生き残ることは許されない。
穏やかで美しいはずのミノスの地には幾つものキノコ雲が立ち上がる。
轟音が轟き渡る。
身が震える。
身体の隠し場所が見つからない。
ミノスの青く澄んだ空は、神の怒りに触れ、噴き上がる粉塵と煙で真っ暗になっている。
白い装甲歩兵が慌てて駆け上がっていく。
巨大な旗艦シムキャスト(兵曹用戦車)を。
乗っている兵曹達は白い装甲歩兵に道を空ける。
シムキャスト(兵曹用戦車)の上では、背の高い兵士が腕組みをし、雪崩のように退却するアマル軍を見守っている。
「コウ殿!。あの波紋ごと、マジゥを叩きましょう!。このままでは我が軍は壊滅してしまいます!。我々の動かせるソラン7機を全て投入するしかありません!。」
白い装甲歩兵は、イプシロンを指差し言う。
コウソンライは、いつの間にかワダンのシムキャスト(兵曹用戦車)に深く腰掛けている。
「ソランであれを叩くことは出来ない。」
「なぜです?!。ミノスを消滅させることすら容易いはず。」
「おまえは、あの気狂いの力を侮り過ぎている。」
「火力が足りないのですか?。ならばアトラとの境界にいる衛星もお呼び下さい!。」
末席と言えども、18使徒のコウソンライは、この場ではワダンに次ぐ存在。
にもかかわらず、ワダン軍の将校は、コウソンライに対して横柄だ。
コウソンライは俄かに不機嫌になった。
「数の問題ではない。それらはザフィーラ殿下の命によるもの。動かすことはできない。」
「ザフィーラ殿下のお考えが分かりません。」
「殿下はマー神帝の称号、スカルヤク・マーを冠する大兵曹。貴様ごときの口出しは許されぬ。慎め。」
「しかし!。」
「赤碧様も快くは思ってはおるまい。殿下のなさることには。それより、貴様のその態度。如何に不遜なことか。己の命を持って償わせねばならぬな?。」
「....。」
白い装甲騎兵は、あからさまに不服そうな顔をしている。
「あの波紋を未だ叩いた者はいない。所在すら分からない。わが軍の衛星をハイドラの領空から後退させる。あれに撃ち落とされる前にな。」
「な、何ですと!?。ワダン殿下がお許しになりませんぞ!。」
「ワダンが?。構わん。我が軍のアパッチ(飛行攻撃艇)やホーネット(大型飛行攻撃艇)はあの愚か者のせいで全てペルセアに撃ち墜とされてしまった。これがどれだけの損害か分かるか?。この国の人工知能がここを掌握している限り、我々は空からも宇宙からも攻撃は出来ない。」
「空からの攻撃が出来ぬのなら、ミノスの占領など不可能です。空からの...。」
「その通りだ。アメンの後ろ盾なく、ミノスを征圧しようとするなど、ワダンの馬鹿さ加減にはほとほと飽きれる。我々が軍事衛星をこれ以上失えば、それだけで、アトラやデューンとの均衡を失う。」
「ペルセアごときをアメンが制覇できないのは誤算でした。」
「誤算だと?。貴様は何も分かっていない。この小国のシナプスフレームは、ここではアメンを凌ぐ力を持っている。アメンが常にアトラのスサノオと交戦しているのを忘れるな。スサノオは、常に、アメンが弱体化するのを見計らっている。デューンとの連合の裏では、アメンはデューンのゴトラとも交戦をしている。今、スサノオが参戦すれば、アメンは大きな痛手を受ける。如何にアメンが強大であっても、無限では無い。我が帝国の領土の広大さ、紛争地域の数を考えろ。」
コウソンライは、出来の悪い子供をなじるように言う。
装甲歩兵はコウソンライを睨んでいる。
一体の兵曹がシムキャストに駆け上がってきた。
「コウ様!。ご報告申し上げます!。アトラのスサノオが、アメンとの交戦を開始しました。スサノオがアメンの情報の壁を破り、決壊した壁から、大量のワームを送り込んでいます。全く新しいタイプのものです!。アメンは一時的に、ハヌマカン、タンジア、ミノス他17箇所から撤退します。伴い、ペルセアの勢力圏が拡大します。今は、全てがハイドラに優位に働いています。アトラとの情報戦の最中に、ミノスに進行するのは、やはり無理があります。」
「ご苦労。ペルセアか...。ブラバーチは厄介なものをハイドラに与えた。」
コウソンライはため息をついた。
----------------------------------------
ブラバーチとニシノは、アスカ計画の主要な研究者だ。
どちらも不世出の天才と言われた。
世代を越えた二人が巡り会い、協力して研究をはじめたことは、世界に衝撃を与えた。
ブラバーチは、最愛の娘が自分の計画の実験体に使われ、変わり果てた姿になった時に祖国を無くした。
そして、アダムゼロの暴走をきっかけに、アトラから逃亡し姿を消した。
ブラバーチは廃人になり、流れ、ハイドラのハノイに辿りついたという。
彼はこの地ハイドラで命を終わらせるつもりだった。
ブラバーチが世代の違う旧友、ニシノに宛てて送った書簡。
それには、そう記されていた。
ハノイの人達は、温かく優しく勇敢で、流れ者のブラバーチを、アマルやアトラからかくまった。
ハイドラ部族の『現代ジュール部族記』に下記の記載がある。
ブラバーチはヒドゥイーンに感謝していた。
その文化に触れるにつれ、ヒドゥイーンを尊敬し愛するようになった。
流れついてから10年が経った日、ブラバーチはジュールの禊を受け、ハイドラの民ヒドゥイーンとなった。
そして、悲しい宿命と歴史を背負ったヒドゥイーンに、ブラバーチは、自らの技術で恩返しをしようとしたという。
元々、ハイドラには、高い人工知能の技術があった。
それは、ハイドラの古い友人。
古の同盟国 ハクアから継承されたものだ。
ハクアは、今のアトラの一級都市ネオジンムの地にあった小さな国。
勤勉で礼儀正しいだけではなく、高い文明を持っていた。
ハクアは、ハイドラに住むスメラベという寄生虫の情報を得て、高圧炉の原形を作り出した。
スメラベは、アフロタイトを体内で分解し、そのエネルギーを宿主に注ぎ込む。
アフロタイトの生み出すエネルギーアフロダイは、宿主に爆発的な、エネルギーと回復や進化の力を与える。
このエネルギーは、アルマタイトの生み出すエネルギーと同じく、生命エネルギーと呼ばれるものだ。
ヒドゥイーンの守護神ハイドゥクは、このスメラベの中でも1300年に一度しか現れない、シーアナンジン(千年虫)を宿していると言われている。
シーアナジンは、アルマタイトを体内で分解し、通常のスメラベの6億9696万倍のエネルギー量を生み出す。
スメラベの原虫は、何種類かいる。スメラベは、自ら意思を持ち宿主を探す増殖炉のようなものだ。
『ハイドゥク13000戦記』によると、古代ハクアは、世界に先駆け、重力板、シナプス系の爆発的な演算能力を持つ人工知能。
そしてスメラベを科学的に解明し、アフロダイ高圧炉を開発し、量産をした。
ハクアと、ハイドラの同盟は堅かった。
しかし、アフロダイを使った兵曹の台頭を恐れた大帝国アマルは、13000年前、実に2500万というべらぼうな数の軍隊を投入し、ハクアを滅ぼした。
アフロダイの技術をアルマダイの技術に進化させたブラバーチは、自らのシナプス技術でハイドラに強力なスーパーシナプスフレームをもたらした。
それがペルセアだ。
ペルセアはその規模にもかかわらず、短期間で開発された。
ペルセアはワイナ語で、最愛の娘という意味だ。
ニシノがアトラのタルカンドに建造したコマチと親和性の高いペルセアは、しばしばコマチのバックアップに回る。
コマチは、民間のシナプスフレームでありながら、常に、アトラのスサノオやバグーのメイデエの侵略に晒されている。
アスカ計画の機密データを隠し持っているからだ。
ブラバーチは、ザザルスの隣のサラディナでアマルに捉えられた。
サラディナが帝国アマルに占領された日に。
ブラバーチは、ハイドラを侵略しない契約をアマル帝国と結び、アマルに協力をした。
契約は、守られることなどなく、ブラバーチの技術は帝国の兵曹を圧倒的に強化し、今まさにハイドラを滅亡の危機へといざなっている。
そう『ジュール現代記』には記されている。
--—————————————-
アマルの大軍は、潮が引くように、ミノスゲートからケラム地帯へ逆流して行く。
レーダーは、猛烈な速度でミノスゲートに押し寄せる、巨大な影を映し出している。
無数のケラムの獣達だ。
ケラムの化け物達は、美味しい餌への扉が開かれていることに気づいてしまった。
美味しい、憧れの餌のいる場所の、防護壁が壊れていることに。
アマルの軍事衛星ソランは、アメンの状況にかかわらず、ハイドラの領空から撤退した。
アマル軍をケラムの生物から護らなくてはならなくなったからだ。
「ああ...アマルが、アマルの大軍が、蒸発していく...。」
「ふ、不思議だ...爆風が全くこっちに来ない。こんなことがあるのか...。」
「す、凄まじい...まさに戦闘神ナジマの化身...。」
ミノスの人々は、驚愕している。
イプシロンによる雷爆は、鳴り止まない。爆風が吹き荒れる。
アマルの大軍が撤退する中、ワダンとモルフィン。
二体の巨大兵曹は、激突した。
...ズズズーーーーーーーーーーーーーーーン...
大地が激しく揺れる。
激突の衝撃波が、残っている全ての建築物を吹き飛ばす。
ワダンの巨大な錐(キリ)のような棘が、モルフィンを串刺しにする。
マジゥの青い装甲から、体液が噴き出していく。
...ズズーーーーーーーーーーーーン...
マジゥは早くも膝をついた。
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
勢い良く体液が噴き出す。
ワダンの重厚な巨体も、衝撃で、後ろに弾き飛ばされ、山に激突する。
...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
山は、樹木もろとも雪崩のように崩れていく。
ワダンは、カマキリのように飛び出した、目を剥き、牙だらけ口を大きく開け、咆哮を上げ続ける。
...ガガガカガァーーーーーーーーーーー...
...ガガガカガァーーーーーーー...
...ガガガカガァーーーーーーーーーー...
牙を剥き出し、巨大な棘だらけの兵曹は、咆哮を上げ続ける。
ワダンは怒り狂っている。
その咆哮が、ミノスの山々にこだましている。
ワダンは、起き上がり再び、モルフィンに突進する。
...ドーーーーーーーーン...ゴーーーーーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...
地面が激しく振動する。
マジゥは立ち上がれない。
「ぁぁぁぁ...。」
「あぁぁ、危ないっ!。」
マジゥがギリギリでたちあがり、ワダンに体当たりをする。
...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン...
再びワダンの棘がマジゥを串刺しにする。
...ブッシャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ブッシャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ドシャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
マジゥの身体のあらゆる場所から体液が噴き出す。
ワダンの棘は抜けマジゥの身体に残っている。
...ドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
しかし、ワダンも、また弾き飛ばされた。
イプシロンによって焼けた剥き出しの岩山に激突する。
...ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ...
ワダンの鍵爪に切り裂かれた岩山は、鏡のような断面を残し崩れていく。
...コーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
マジゥの光る4つの目から、閃光が走る。
ワダンの背中を直撃する。
...
...
...ズッ...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ダダドッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
ワダンは仰向けに倒れた。
マジゥの背中の多角形の放電翼は、焼け焦げる電熱線のように、燃える松明のように、燦然と輝きを増し回転している。
....ブウウウウウーーーーーーーーーーーーン...
...ブワッッ...ブワッッ...ブワッッ...ブワッッ...ブワッ...ブワッッ...
まるで鬼火の火車のように、音を立てて回転し続ける。
マジゥは、口を大きく開けた。
口が眩く光り粒子が飛び交っている。
粒子砲撃だ。
とどめだ。
...パシッパシッ...
ワダンの棘だらけの背中が光る。
...
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ドドーーーーーーーーーーーーーーーン...
土煙が立ち上がりマジゥに刺さった棘が大爆発を起こす。
マジゥの放電翼が吹き飛んだ。
...ブッシャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ブッシャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ドシャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
マジゥの身体はおびただしい量の体液が噴き出している。
辺りはマジゥの体液で真っ赤に染まっている。
もう噴き出す体液も残っていない。
...ガンガーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ドンドーーーーーーーーーーーーーーーーン...
遂に、両膝を地に倒れた。
....ガガガカガァーーーーーー...
...ガガガカガァーーー...
...ガガガカガァーーーーーーー...
ワダンは勝利の咆哮を上げる。
そして、地に着くほど長い爪を閉じた。
巨大な錐状のドリルのようだ。
...ドーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...ドーーーーーーーーン...
ワダンの足音が大地を揺るがす。
ワダンは、マジゥに突進する。
高圧炉をひとつきにして、不動明王の一人にとどめを指すために。
...チカッ...チカッ...チカッ...
大気が眩く光る。
イプシロンが眩く光っている。
巨大な光の柱がワダンを直撃する。
...ズ、ズ、ズーーーーーーーーーーーーーーーン...
雷爆だ。
ワダンは直前にシールドを展開した。
しかし、空高く吹き上げられる。
あの巨大な兵曹が...。
数百メートルの高さまで吹き上げられている。
墜ちる。
黒い巨兵が落下して来る。
...
...ズダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
...
地鳴りと共に砂嵐が捲き上る。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
砂嵐がミノスの街を覆い隠す。
砂煙の中、マジゥは立ち上がり、落下したワダンの元に向かう。
マジゥの歩みは遅い。
...ズドーーーーーーーーン...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ダダーーーーーーーーーーーーン...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
一歩踏み出すほどに体液が噴き出している。
しかし、ワダンも、立ち上がれない。
ワダンもまた、甲殻が割れ多量の体液が噴き出している。
...ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーン...
マジゥはワダンを踏みつけた。
ワダンは鋭いその爪を振り上げた。
...ブウォォォーーーーッ...
マジゥはかわす。
爪の直撃を受けた背後の岩山は、再び鏡面を残して切り裂かれる。
ワダンは立ち上がる。
...ダンダーーーーーーーーーン...
ワダンが、飛びかかり、二体は組み合った。
ワダンは、鋭い牙で嚙みつき、爪でマジゥを串刺しにする。
爪は、僅かにマジゥの高圧炉の位置を外れた。
...ピィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ピィーーーーー...
...ピィーーーーー...
...ピィーーピィーーーーー...
...ピィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...
...ズッ...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
マジゥは再び4つの目から光線を放つ。
必死だ。
しかし、ワダンに首に噛みつかれ、閃光は、ミノスの大地を焼き払う。
ワダンに光線を向けることが出来ない。
ワダンの牙と爪は、マジゥの首と肩に食い込んでいる。
ワダンの爪や、牙から金色の液体が。
全ての生物の麻痺させる神経毒。
ワダンの究極の攻撃。
通電で大爆発する。
マジゥの首からも激しく体液が噴き出している。
...シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー......シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー......シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー......シャアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「モルフィン様が、火の技ばかり使っている...。」
「屈指の拳闘の戦士が...。」
「やはりハイドゥク様と、マジア様との戦いの傷が...。」
「もはや、組み合う力すら残っておられない...」
ミノスの人々は、逃げることを忘れ、戦いを見ている。
...キーーーー...キーー...キーーーーーーーーーーーー...キィーーーー...キーーーー...キーーー...
マジゥの身体からは飛行機が落下するような不安定な機械音が響いている。
マジゥのシーアナンジンは、弱っている。
「ああ!。モルフィン様!。」
「モルフィン様が...!。」
「このままでは...。」
「これ以上ダメージを受けては...」
...ガガガカガァーーーーーーーーーーーー...
...ガガガカガァーーーーーーーーーーー...
ワダンが咆哮を上げる。
正に勝利の雄叫びだ。
ワダンの背中の棘が再び光り始めた。
棘の刺さっているマジゥの首や肩からは、白煙がモウモウと噴き上がる。
...ダーーーーーーーーーーーーーン...
...ドダーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
マジゥは、渾身の力でワダンを殴る。
...ボガッ...ガギッ...パラパラ...
...ダーーーーーーーーーーーーーン...
...ドダーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ボガッ...ガギッ...パラパラ...
ワダンの装甲が割れ弾け飛ぶ。
しかし、ワダンは牙を弱めない。
ワダンはタフで撃たれ強い。
マジゥの動きは次第に鈍くなっていく。
マジゥはワダンを怪力で締め始めた。
...ミシ...ミシ...ミシ...ググク...パキッ...ググクググク...ゴゴゴゴゴゴゴゴ...
ワダンの背中の甲殻が砕け散る。
...バギィッ...ゴゴンッ...
...ブウウウウウーーーーーーーーーーーーン...
高圧電流がながれるような音が。
...パシッ...パシッ...
ワダンの棘が光りを放つ。
...
...ズッ...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
再び棘は、大爆発を起こした。
...ドッ...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
大地が揺さぶられる。
マジゥは再び地面に倒れた。
マジゥは負けた。
ワダンの体液がマジゥの神経を破壊し、動きを完全に奪ってしまった。
モルフィンの負っていた傷はあまりにも深い。
4つの目が徐々に光を無くしていく。
「ま、モルフィン様が負けた...?。」
「モルフィン様が...そんなばかな...」
とうとう、マジゥの目は光を失った。
ミノスの人々は騒然となった。
「キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!。」
「うわぁぁ!。」
「うをおぉぉぉ!。バカな!。そんなバカな!。」
「ギャアアアアア!。」
「モルフィン様が、モルフィン様が、ま、負けてしまった!。」
「モルフィン様が、負けた?。」
「ま、まさか...そんなバカな...。」
「モルフィン様がワダンに倒された!。」
!?
声が聞こえる。幼い子供の声だ。
男の子が飛び出した。
背中に赤ん坊を背負っている。
「がんばれっ!。がーんばーれ!。」
男の子は、顔を真っ赤にして泣きながら叫んでいる。
手には木の棒が掴まれている。
「お、おいっ!。あれを見ろ!。」
「あああ、あんな所にどうして子供が!。」
「おおい!。坊や!。逃げろ!。」
「あ、あの棒で、わ、ワダンと闘う気か...。」
ワダンは、子供に気がつき、ミノスの人々にも気づいた。
ワダンがマジゥの桐のような爪を振りかぶる。
マジゥの胸、シーアナンジン目掛けて。
「ああ...モルフィン様が..。」
「良し!。待ってろ!。無駄死にでも構わない!。放っておけるか!。あの子もモルフィン様も。」
男は泣きながら飛び出した。
「私も行く!。私だってヒドゥイーン!。絶対にあの子を傷つけさせない!。」
次々とミノスの人達が飛び出していく。
「くっそ!。モルフィンの敵討ちだ!。」
。
「ワン!。これ、持ってろ!。俺も行って来る!」
数百人の人達が、次々と、瓦礫になった石壁を飛び越え、堀の橋を走って来る。
続々と次々と。
「良くも我らのアンティカを!。」
「俺の命!。ハイドラそして、モルフィン様に捧げる!。」
ミノスの人達の流れが止まらない。
「僕も行くよ母さん!。ごめんなさい...。」
「見てろよ!。みんな!。モルフィン様!。俺の勇姿を!。笑。」
...ガガガカガァーーーーーーーーーーーーーーーー...
ワダンは、爪を下ろし、先に子供そしてミノスの人々の方へ進んで行く。
ワダンに取っては、何の脅威も無い。
ただの虫以下だ。
男の子もミノスの人々も逃げない。
...キーーーー...キーー...キーーーーーーーーーーーー...キィーーーー...キーーーー...キーーー...
モルフィンの身体から音が聞こえる。
...キーーーー...キーー...キーーーーーーーーーーーー...キィーーーー...キーーーー...キーーー...
シーアナンジンが回転している。
...キーーーー...キーーーーーーーーーーーー...キィーーーー...キーーーーーーーキーーーー...キーーーーーーーーーーーー...キィーーーー...キーーーーーーー...
...キーーーーーーーーーーーーーーー...キィーーーー...キーーーーーーーキーーーーーーーーーーーーー...キィーーーーーーーーーー...
回転音の激しさを増して行く。
...キーーーーーーーーーーーーーーーー...ズズズ...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
マジゥの体内から破裂音が轟く。
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
マジゥのシーアナンジンは、激しく回転し始める。
再び。
マジゥの4つの目は微かに光を取り戻した。
...ググググ...ゴゴゴゴゴゴゴゴ...
...ガツーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
マジゥは必死に巨大な身体を引きずり、ワダンの足を捕まえた。
...バスッ...バス...バス...バスッ...バスッ...バスッ...
ワダンの背中の棘がミサイルのように飛び出し、マジゥを串刺しにする。
....ブウウウウウーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...パシッ...パシッ...
....ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
棘がマジゥの身体で大爆発を起こす。
マジゥの右腕は吹き飛んだ。
マジゥは、それでもワダンを手繰り寄せる。
ワダンは、再びマジゥの首に嚙みついた。
....ブウウウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
ワダンの全身が光で包まれる。
ワダンは放電している。
マジゥは苦しそうだ。
必至でワダンの頭と顎を掴み引き剥がそうとしている。
マジゥは再び光線を。
...ピィーーーーー
...ピィーーピィーーーーー
...ピィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しかし、ワダンの怪力で噛まれている首は、思う方向に向かない。
閃光がミノスの大地を薙ぎはらう。
...
...ズッ...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
爆風が吹き荒れる。
マジゥは片手。
にも関わらず、ワダンの頭部が撓んでいる。
凄まじい力だ。
しかし、ワダンも剛力で、頑丈だ。
....ブウウウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
ますますワダン甲殻が輝きを増す。
マジゥの巨体は、高圧電流を受け震え始めた。
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
しかし、マジゥのシーアナンジンの回転音も更に高まって行く。
...ガガガガギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ...
ワダンの身体は軋みはじめた。
...バッキィィィィィィィッ...
マジゥがワダンの顎を裂き引き剥がし、地面に叩きつける。
....
ズッ...ダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
地面はワダンの重さで揺れる。
砂嵐が吹き荒れる。
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
更に、シーアナンジンの音が高まる。
マジゥの腕が自ら触手を伸ばし、自らの肩に取り付く。
マジゥの放電翼が蘇って行く。
イプシロン(ナジマの紋様)がゆっくりと回転しながらミノスの広大な空に広がっていく。
マジゥは蘇った。
マジゥの中のシーアナジンは、最大速で回転している。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
マジゥは、更に巨大化し始めた。
マジゥアンティカの最終兵曹だ。
人々の勇気がマジゥに力を与えたのだ。
「み、見ろ..モルフィン様が...」
ますます巨大化していく。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ボーーーーーーーゴゴゴゴゴーーーーーーー...
マジゥは、咆哮を上げる。
哀しげな声だ。
マジゥの泣き叫ぶような咆哮は、遥か彼方にまでこだまする。
更にマジゥの外観は変わっていく。
ワダンは、突然、逃げ始めた。
ワダンは、這って必死に逃げている。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴ...
ワダンの高圧炉は回転が失速している。
数メートルの大きさまで収縮している。
第一兵曹だ。
もほやシールドを展開することが出来ない。
目を見開き、声にならない悲鳴を上げている。
ワダンは怯えている。
マジゥ中の高圧炉の回転音は最高潮になった。
光りで何も見えない。
ワダンは逃げ切れない。
空の青いマントラは、青い炎を纏い回転している。
まるで青い火車だ。
今まさに光を放とうしている。
....ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ...
大地全体が燦然と光を放った。
真っ赤な眩い光を。
ミノスの大地が真っ赤な光を放っている。
空には、赤い巨大なイプシロンが。
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
地面から巨大な光の柱がうち放たれた。
地の雷爆だ。
光の巨鎚は、ワダンでは、なくマジゥを直撃した。
マジゥを中心に大爆発がおきた。
...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
黄色く大きな何かが飛び出て、子供と妹そして、ミノスの人々を爆風から覆った。
爆風が吹き荒れる。
岩石が巻き上がり、大木や建築物をことごとく破壊された。
今度の爆発は、ミノスの街を避けることは無かった。
爆炎の中でマジゥは倒れた。
マジゥはもはや、満身創痍だ。
ワダンは、怯え切った表情で、足を引きずりながら一目散に、ミノスゲートに向かう。
再び、大地は真っ赤に輝き、容赦なくモルフィンを撃つ。
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
マジゥを直撃する。
今度は、マジゥに受け止められ吸収された。
マジゥが低い声で唸る。
...ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...
青いイプシロン(ナジマの紋様)が再び浮き上がる。
撃つべき相手を探しているように方向を変える。
イプシロン(ナジマの紋様)は、赤い兵曹に立て続けに光の雷を叩き落とした。
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!...
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!...
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!...
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!...
光の巨槌は赤い兵曹を捉えている。
無傷ではいられない。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
赤い兵曹から破裂音が轟く。
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
赤い兵曹は体液を撒き散らしながら巨大化する。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
地鳴がおき、再び大地が真っ赤に光り輝く。
大地にも広範囲に亘りイプシロンが浮き出ている。
「おやめください!。マジア様。!マジゥ様!。ご兄弟で闘うなど!。」
黒い戦闘服を着た男が、巨大化しつつある、赤い兵曹の前に立ちはだかる。
赤い兵曹は身体を中心に回る赤い光の中で言う。
「こやつは、もはや弟などではない。ヒドゥイーンでも無い。ただの賊である。」
「マジゥ様を賊などと...何とも心なきお言葉。」
「ノリエガよ。また貴様か?。」
マジアは、回転する赤い光の中で、片腕をノリエガにかざした。
腕は真っ赤な光を放ち始める。
ノリエガは、巨大な刀をそっと地面に起き、眼を閉じた。
「この大事な時に、兄弟で命のやり取りをするのが、誇り高きヒドゥイーンの守護者とは。本当に情けない。このノリエガ、命など惜しくは無い。」
「良かろう。今度こそ、おまえの希望を叶えてやろう。」
ノリエガの瞼を閉じた。
マジゥは、ダメージを受け過ぎて、体液の流出が止まらない。
マジアの掌に赤い光は集中した。
この光が当たれば、ノリエガの命が消えることは、簡単に想像がつく。目が眩むほどの明るさになった。
突然、低い船の汽笛のような声が響いく。
「兄様!。おやめになられよ!。ノリエガをどうするおつもりじゃ!。」
大きな声だった。黄色い甲冑(戦闘服)を着た身体の山のような男だ。
マジアよりも大きく、まばらなあごひげを生やしている。
この男は人間の姿のまま巨大だ。
色は白く少し顎がしゃくれている。
童顔で素朴な顔つきだ。
ふっくらとした大きな身体や、その顔は愛嬌すら感じられる。
大きな男は、幼いヒドゥイーンの子供と妹をそっと地面に下ろした。
そして、ノリエガとマジアの間に、大きな身体を不器用に屈め割って入る。
まるで、子供のように両手を広げて、ノリエガを庇った。
男の白い顔は真っ赤で、汗だくだ。
男は細い目を見開いて言った。
「兄者!。ならん!。」
「トラフィンよ、おまえは何故ここにいる。まだ、ザザルスに向かっていなかったのか?。」
「兄上達の闘い、放ってはおけぬ!。ワシは2度とサンザの時ような哀しみを味わいたくはない。」
「おまえは使命は何か?。」
「兄上はヒドゥイーン同志、しかも兄弟で殺し合うのを、おかしいとは思わぬのか?。」
「兄弟ではない、賊である。」
「な、何と言うことを...。」
トラフィンは、唖然とした。
「それでは再びおまえに機会を与えてやろう。あの賊を討て。」
「モル兄者は賊ではない。」
「ハイドラを破壊する者など、賊以外の何者でもない。」
トラフィンは、汗をかき、白い童顔の顔を更に真っ赤にして、トラフィンの前を微動だにしない。
飛馬艇に跨る大きな白い兵曹が現れ叫んだ。
「デフィン様!。トラフィン様!。アマルとの国境ザザルスにて、ハイドゥク様と赤碧アブドーラが交戦を始めました!。マジゥ様が敵方に...」
飛馬艇に跨ったアンティカ カルタゴだ。
「モルフィンだと?モルフィンはここに...。」
デフィンは絶句した。
掘りはマジゥの血で真っ赤に染まった。
血に飢えたレッドアイ達が血に引かれ集まってくる。
水の苦手なシャガール族のアンティカは、失意のもとラウス湖底に繋がるという深い堀に沈んで行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます