第21話 想定外

 とりあえず、ラブレターを出すという考えに至った経緯を説明しようと思う。


 まず、俺はボスにダメージを与える有効な方法はないかと考えた。ダメージを与えることで彼女のいじめに対する価値観を変えたかったからだ。


 単純に思いつくところからいくと、やられたやり返す戦法だ、奴の靴に土を詰めるとか。それとも、単純に暴力で脅すとかだろうか。


 いや、どちらも微妙な感じがするだろう。俺に倍返しだというセリフは似合わない。まあそれは冗談として、多分やり返したらやり返したで、ボスは増長してしまうんじゃないだろうか。


 俺は彼女のことを知り尽くしているわけではないが、ただ単純にやり返すだけで彼女の心が折れてしまうというのは、いくら上手く事が進んだとしてもまったく想像がつかない。


 ボスはこれまでに俺以外の人間をいじめてきているのだろう。その中で俺のような反骨精神を持つ人間だっていた可能性はある。例えそんな奴がいなかったとしても、そうなる可能性はボスに頭の片隅に過るくらいのことはあってもおかしくない。もしそうなら彼女自身も十分に余裕をもって対処できる能力を持っているはずだ。実際そこまでの器用さがあるのかは分からないが、念には念を入れたほうが良い。


 ということで、やられたらやり返す戦法は却下である。

 

 暴力は論外だとは思う。あまりにもこちらが不利になる可能性が高い。できるだけリスクは小さくしたい。


 そんなわけで、ラブレターが最適解だということにたどり着いた。


 色々な思考をすっ飛ばしすぎかと思うが、やはり最適だ。ボスの思考の外から打撃を加えることができ、なおかつリスクも最小限だ。


 俺が恐れているリスクというのは、目立つということだ。それ以外のことは別に構いはしない。目立ってしまえば、これからもまたこういった場面になった時に水面下で動くのは難しくなってしまうだろうから。


 俺がドッチボールの時にボスから感じたこと、柳谷から聞いた発言と高橋から聞いた発言を照らし合わせて考えてみると、どうもボスという人間は、他人から見られる自分という像を本来の自分よりも大きく見せる傾向があることが分かる。


 運動ができる風を装うは言わずもがな。自分の些細な情報を他人に伝えないというのも、自分自身を深堀りさせないための意識的か無意識的な行動に思える。


 とはいってもボスに関係なく普通の人でも自分のことを誇張するというのはよくあることだとは思う。


 だけど、ボスのその傾向は少し強めに感じざるを得ない。


 だからこそ、目立たず、俺とボスの中でラブレター作戦は完結するはずだ。


 自分を誇張するというのに関して、ラブレターを貰ったというのは一つのネタになるのかもしれないが、それはイケメンに限る。例えば俺じゃなく寺島からだったらいいネタになっただろう。だが、今回は俺である。


 良く分からない気持ち悪いラブレターをよく分からない気持ち悪い奴からもらったというのは果たして彼女のステータスになるのだろうか。ならないはずだ。もし俺が彼女の立場だったら、警察に通報したいところだが、一応形式的には単なるラブレターだからそこまでしないはずだ。


 そして、彼女はそのラブレターの歴史を誰かに深堀されたくないカテゴリーに入れるはずだ。いや入れてもらわなくては困る。


 ただ嫌がらせと決めつけるのは難しい特殊な嫌がらせで、なおかつそういったリスクのないもの、それが俺流のラブレターである。




 

 それから、数日が経った。俺の日常は特に変わりなく、何かをされるということも全くない。もう少し何かあった方が俺の日常は楽しくなるのではないかと思うほど何もなかった。


 ボスの動きに何か変化があった場合は、岡崎か高橋から何らかの連絡をもらうということだったが、それに関しても変化はないらしい。


 ということは、俺の予想通りボスはラブレターを貰ったということを誰にも伝えていないということになる。もし伝えていたら、彼らが裏切っていない限り確実に連絡は来るはずだ。


 裏切りまで考慮して考えてしまったら、切りがなくなってしまうな。ここはもう確定ということでいいだろう。その方が楽である。もし違ってたら泣く。


 

 だがとりあえず、ボスが今のところ変化を見せていないということは、ラブレターによるダメージがあまりない、もしくは許容範囲と思われている可能性がある。


 ということで、俺は再度ボスの下駄箱に向かうのであった。


 次の手紙はラブレターの皮を被った催促手紙である。非常に気持ち悪いことをしているという自覚を感じすぎて、どうにかなってしまいそうだが、仕方がない。


 黒ひげ危機一髪のノリでラブレターを今日もまたボスの下駄箱に突っ込むのだった。

 


 

 土日を挟んで数日が経った。


 六月に入って、クラスの雰囲気も入学式と比べると遥かに明るくなっているようだ。そんなことを感じながらそのクラス内に一応含まれている今の自分の現状を客観的に見てみる。うん、一人だけ訳の分からない青春を過ごしている奴がいますね。


 そんな自虐を繰り返しながら、最近は過ごしている。


 今日もまた、俺はラブレターもどきを持参している。毎度毎度違った内容で無駄に工夫を凝らして、書いているからだろうか。もしかしたら、俺はボスが好きなんじゃないかと錯覚しそうになることもしばしばあった。


 ボスの下駄箱に手紙を入れるのも、改札にICカードをかざすような滑らかな流れで入れるまでに成長した。


 黒ひげ危機一髪とは逆でボスを樽から吹っ飛ばすことができればクリアということなので、どんどん適当になってしまっているのだろう。



 そんな感じの俺だが、さすがにやり過ぎているのではないかとも感じ始めているのも間違いではない。もはや、ラブレターの皮を被ったとかそういうのではなく普通のちゃんとした嫌がらせになってきているのではないかと。これでは、ただ普通に嫌がらせとしてやり返すこととなんら変わりはないのではないかと。


 バッグに入っている、ラブレターが今か今かと出番を待っているが、今日のところはもう出さなくてもいいかもしれない。


 そうだな、今日のところはよしておこう。


 ということで、今日は素直に自分の下駄箱に直行することにした。


 下駄箱を開ける時のトラウマが植え付けられてしまっているのか、いまだに自分の下駄箱を開ける時はびくびくしている。これに関しては全部岡崎のせいだ。


 とそんなことを考えながら下駄箱を開けてみると、クリップで何枚かにまとめられたメモが入っていた。間違いなく、岡崎と高橋からの連絡だろう。


 これは、もしかしなくても何かあったということだろうか。


 ここで熟読するのはまずいので、家に帰ってからにしておこう。どこにボスの手先がいるのか分からないからな。今すぐにでも読みたい気持ちを抑えながら、俺はポッケの中にそのメモを放り込む。




 家に到着した瞬間、そのまま靴を脱がず玄関に座り、俺はメモ帳を確認する。


 「ふむ……。ん?」


 メモ帳には最近のボスの様子が書かれてあった。


 ボスは最近、機嫌が良いらしい。最初、岡崎と高橋はそんなボスの様子を落ち着きがない様子だと感じていたようで、イライラしているのではないかと思っていたらしい。


 だが、実際に話しかけてみると、いつもより強い言動が減っているらしく、口がちょっと悪いだけの普通の女になっているとのことだった。


 誰かにちょっかいを出すという命令も極端に減っているらしい。


 その報告に付け加えるような形で岡崎と高橋から俺に対して感謝の言葉も書かれていた。


 

 俺はゆっくりと頭を抱えた。


 多分、いや確実に俺の想定していない方向に問題が吹っ飛んでいる。なんでボスは喜んでいるんだろうか。何か良いことでもあったのかいとイケメンボイスで尋ねたい気分だ。


 まさか不幸を運んでいるはずだったラブレターが、俺の期待とは逆の効果を生み出してしまったということのなのか。


 いや、想定外も想定外だ。


 もしかしたら、ボスは俺が思っているよりも、いや思ってすらいなかったが、乙女チックな考えを持っているのかもしれない。


 確かに、俺のラブレターは自信作だった。書き終わった後は無意識に『良し』って言ってしまうくらいには自信作だった。


 だからこそ自分が嫌っている相手から、そんな熱い手紙を貰ったら普通は気持ち悪い、穏やかな性格の人でもなんとなく微妙な気持にはなってしまうんじゃないだろうか

 

 いや、もしかしたら俺のこの決めつけが間違っていたということなのか。


 いやまだ分からない。なんか普通に良いことがあってハイテンションだったという線も残っている。いや、それだとしてもこの気持ちの悪いラブレターを相殺する良いことってなんだよっていう疑問が出てくる。


 いったん考えることを止めて、布団に包まった方がいいかもしれない。


 時間が経てば物事は勝手に進んでいくだろうし、もはや俺はその流れに身を任せるべきなのかもしれない。


 やはりどうあがいても俺はモブである。


 



 次の日もまた俺は懲りずにラブレターを持参していた。


 とりあえず、俺がこのままラブレターを出し続ければボスのいじめ心は安定化させることができるということは間違いない。


 この理論でいけばこれを中学卒業まで続ければ、俺以外のボスによる被害者たちは割と楽しい学生生活を送れるということになる。


 そんな風に俺を平和の礎ポジションに置くことで、すべてが解決するのなら、どんとこいって感じではあるが、そう上手くいかないのが現実というものだ。


 こんな良く分からないラブレター作戦なんてあと数日も経たずに一瞬で破綻することだろう。


 まあ、とりあえず今日のところはラブレター作戦は続行して、その場しのぎをするつもりだけれど。


 

 放課後になり、俺はいつも通り昇降口に直行する。俺がボスの下駄箱に手紙を入れる時は、人のいない時間が望ましいので、できるだけ素早く向かわなければならない。誰よりも早く登校して、朝のうちに手紙を入れてしまうというのが最も確実なんだろうとは考えもしたが、早起きが辛すぎてあきらめた。


 こんな風に色々考えて毎日を過ごしていると、自分のとる行動一つ一つが本当に正しいのか正しくないのか疑心暗鬼になってしまう。


 将来死ぬかもしれない、ヒロインたちの運命を握っているのは俺である、そんなプレッシャーが少しづつ俺の精神を圧迫しているんだろう。後者に関してはもしかしたら気にしないくてもいいだろうと思う人もいるかもしれない、だけど俺は気になっちゃうんだから仕方がない。誰が何と言おうと気になるものは気になる。


 そんな自分がたまに嫌になったりすることもあるんだよな、たまには息抜きをすることも大事かもしれない。


 少しだけ憂鬱な気分になりながらも、俺はいつものようにラブレターをボスの下駄箱にポイ捨てし、自分の下駄箱に移動する。


 そして、下駄箱を開けると、そこにメモがあることを確認する。


 昨日連絡を貰ったばかりなのにまた岡崎たちによるものだろうかと、俺は手に取ってみる。昨日とは違って、メモは一枚だけである。


 すぐに確認できそうな感じなので、俺はその場で確認してみることにした。


 まず、そのメモは昨日とは違って女の子らしいデザインというかファンシーな感じがした。そこに若干の違和感を感じつつも俺は読み進めることにした。


 そこには簡潔にこう書かれていた。


 放課後、屋上に来い。


 名前とかは特に書かれていない。十中八九ボスで、残りのわずかな確率は名前を書き忘れた天然系女子だろうか。


 俺としては後者であることを望んでいるが、果たして俺の期待を裏切る続ける現実がそんな甘い展開を許してくれるのだろうか。


 朝にはこの手紙は入っていなかったし、放課後とは今日の放課後で良いんだろう。


 どうしようか、正直言っていきたくない。でも行かなかったら、俺はボスにどうにかされてしまうんだろう。でも、行ったら行ったでめんどくさいことになるのは目に見えている。


 自問自答を数分間続ける。


 どっちが正解なんて分からないという結論が出た。こういった場合は、流れに身をか任せて、もみくちゃにされた方がいいだろう。どうせ俺の通りに物事は進まないのだ。先日学んだばかりではないか。


 俺は下駄箱を閉め直して、再び学校に戻る決意をする。前に歩き出すと、前から見知った顔が歩いてくることを確認した。


 いつもは敢えて会わないように、下駄箱でもたもたせずに速攻で帰っていたから会うことはなかったが、こうなってしまうと遭遇してしまうようである。


 同じ帰宅部員の柳谷である。


 こそこそと隠れて色々している手前もあって、対面すると少しだけ気まずさを感じてしまうんだよな。まぁ、それは単に俺の事情というわけであって、柳谷は気まずさなんて感じていないだろうが。


 俺はそんな気まずさを感じさせないように、挨拶することにした。


 「おっす」


 「こんにちは。久しぶりに会った気がするわね」


 柳谷は俺の目をしっかり捉えてそう返してきた。俺はあまり人と目を合わせるのは得意ではないので、彼女から少し離れた虚空を眺めながら言葉を返す。


 「数週間は会わなかったな。まぁ、クラスが違えばそんなこともある」


 「敢えて私に会わないようにしているのかとも思っていたんだけど」


 鋭い鋭い鋭いよこの女。しっかりとポーカーフェイスをつくって対応しなければならない。


 「いやいや、たまたまでしょうな」


 胡散臭いおじさんみたいな口調になってしまった。


 「そう、まあいいわ。話は変わるけどあなたはなぜ学校の中に戻ろうとしているの?」


 「忘れ物というか、野暮用というか」


 「なぜ濁すの?何か良からぬことでもやりに行くのかしら」


 変に濁すんじゃなかったな。でも、本当のことを言うと変な感じになるのも確かではあるので何とも言えない。


 「良からぬことというわけではないが、あんま言いたくはない個人的なことなんだ」


 良い感じにオブラートに包んで、当たり障りなく伝えたつもりである。


 「急ぐの?」


 「急ぐ」


 「そう、いってらっしゃい」


 やけに素直だなと思ったが、柳谷はそう言って手を振ってきた。


 非常に可愛らしかったので、それと同時に俺の些細な疑問もどこかに吹っ飛んで行った。


 「はい、いってきます」


 俺も素直にそう言って、戦場に行く決心を固めたのだった。



 

 柳谷からエールを貰い、意気揚々と俺は屋上へ向かった。


 屋上へ行くのは初めてだが、そもそもこの学校は屋上が開いているのだろうか。このご時世だと、屋上を閉鎖している学校も多いと思うんだがな。実際俺の小学校でも屋上は一応あったが、閉鎖されていた。


 いやまあ、手紙で指定してきたということは、ちゃんと開いていることも確認済みということなのかもしれないな。


 そもそもなんで屋上を設定してきたんだろうか。もしかしたら、ヤンキーとかを引き連れて俺を秘密裏にボコすみたいなこととかあるかもしれない。暴力反対。


 流れに身を任せるとは言ったが、なんかだんだん怖くなってきたぞ。


 階段を登りきると、中々に重そうな扉があった。ここは埃臭い感じもするし、あまり人が立ち寄るような気配もなさそうだな。そんなことを感じながら少し埃をかぶったドアノブをつかむ。


 どうやら鍵はかかっていなかったようだ。俺はそのままドアノブを回して、俺はすんなりと屋上に入った。


 屋上にはなんとも殺風景な景色が広がっていた。そこには屋上を四角く囲む柵があるだけで何もないし、誰もいない。


 俺が早く来すぎたのだろうか。それとも俺は放置されているのだろうか。


 そんなことを考えながら、とりあえず屋上の中央で体育座りして待ってみることにした。


 しばらくの間、日の丸弁当の梅干し気分を味わっていると、屋上のドアが開いた。


 勢いよくドアを開いて、入ってきたのは普通にボスだった。猫のような鋭い目が俺を貫く。


 俺はゆっくりと立ち上がり、重心を下げて、臨戦態勢に入る。ヤンキーが入ってきた場合は、柵を乗り越え、命を犠牲にした強引な逃亡を行うとしよう。


 そんな心持ちで、ボスの方を見つめていたのが、しばらくしてもヤンキーが入ってくることはなかった。どうやらヤンキーを引き連れて俺を潰しに来たというわけではないらしい。


 「どうも。俺をここに呼んだ人であってます?」


 確認の意味を込めて、俺は発言する。


 ボスは俺の顔を睨んだり、逸らしたりしながら、何か言いたそうな顔でそわそわしている。


 俺に色々悪戯を仕掛けてきたくせに、可愛い素振りをするんじゃない、キュンキュンしちゃうだろ。 

 

 ようやく、言いたいことをが固まったのか、ボスは口を開いた。


 「あんた、私の事好きなの?」


 俺の質問は華麗にスルーされたようだが、まあ良い。今は何と答えればいいのか分からないこの質問に脳の容量を使うとしようではないか。


 ここで曖昧に答えると、先ほどの柳谷との会話のように付け込まれる隙を与えるかもしれない。


 好きか嫌いか、その二択で答えたほうがいいのではないだろうか。


 あれだけラブレターを出しておいて、嫌いと言うのはちょっと変な空気になりそうだよな。そのまま罵詈雑言を浴びせられて、ガチガチないじめが始まる可能性も無きにしも非ずだ。それは嫌である。


 「好きだ」


 そんな感じで普通に告白した。どうせ振られるので何の問題もない。ボスは俺の熱いラブレターを貰って少し舞い上がってしまったのかもしれないが、実際は俺のことなど好きでも何でもないだろう。


 それを確信しつつ、俺はボスの様子を確認する。


 「あたしがあんたをいじめるように指示出していたのを知ってるんでしょ。そんな奴の事を好きになるとかありえない」


 俺をディスっているつもりだろうが、あなた自分のことをそんな奴呼ばわりしてますよ。


 「そうかもな」


 そんな風に俺は言葉を返したが、実際、その指示が形を成しなのは最初の方だけで、後の指示は岡崎と高橋によって嘘の報告で完結していたのだから、俺にそこまでの被害はないというのが現実である。


 それを悟られるわけにはいかないので、ここで俺は嘘を投入することにする。


 「だけど俺は、手紙でも書いた通り、そんな状況に興奮するんだよ。だから会澤のいじめは最高だった」


 こんな気持ち悪いことをラブレターに書いて、なおかつ実際の言葉で発言された、鳥肌どころではない。したがって奴が俺に惚れる要素はない。こればかりは自信がある。

 

 

 「……そこまで、言うのなら付き合ってあげてもいいわ」


 「ああ、迷惑かけて悪かっ……。え?」


 用意していたセリフを噛みちぎるように、俺の口からは疑問符が出ていた。


 こいつは今何と言った。


 「もう一回言ってくれ」


 「っだから。付き合ってあげるって言ってんの!」


 なんとも乱暴な告白であるか。いや、俺もICカードの感覚でラブレターを出していたから同じようなものである。


 待て待て待て待て待て待て待て待て待て、今俺の頭はパニック状態だ。待てという単語がゲシュタルト崩壊しそうである。


 なんでこうなった。そもそも俺は何をしているんだろうか。


 もう本当に訳が分からない。


 とりあえず、俺に季節外れの春が来たということだけは分かった。


 果たしてこれから佐藤照人の学生生活はどうなっていくのでしょうか。他人事風にアナウンスしてみたがこれは現実逃避モードに入っている証拠である。


 ああ、どうしましょうか。


 

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