第76話 屋敷を手に入れたら仲間も増えた
屋敷を買ってから、1週間が経った。
今まで休みなくダンジョン行ったりしていたので、この1週間はのんびりしたものだった。
ただ、この1週間で屋敷の様相は劇的に変わった。
まず、工房が出来上がった。
さすが魔法とスキルのある世界。
元の世界なら普通に1か月は掛かるであろう建築物が4日で出来上がったのだ。
もちろん、材料とかは自己調達で建材はすべてガント製だ。
同じく、厩舎も増設した。
元々ある厩舎だと馬が4頭くらいしか入らないので、中を改造しても足りない感じだった。
なので、メイアの助言通りに新しい厩舎を隣に新築した。
土地は一杯あるので、もしもっと拡張しても大丈夫なように配置も考えてある。
おかげでカルマとニケ専用の部屋も出来た。
もちろんグラン専用の部屋を作ってあげた。
他のペットたちも、今は全員こっちに来ている。
中型までの魔獣たちは、広いスペースで自由に走り回れるようにしてある。
簡単に言えばドッグランみたいなものだ。
反対側には、戦闘訓練所を作った。
ここも同じくらい広くて、メンバーが外に出ていないときはここで自主訓練に励んでいる。
そうそう、カイト達だが、次の日には全員から一緒に生活をしたいと申し入れがあった。
自分たちの甘さを鑑みて、指導してくれる存在が必要だという事だった。
ミラなんかは、『一生ここで生活したいのです〜』とか言ってたな。
その後、カイトと約束してたもう一つの報酬であるスキル伝授をしてもらった。
救出クエストは、ほぼこの為に受けたようなものだ。
『
シュウに『
大剣使いのシュウでは、ドラゴンの翼が邪魔をして上手く振るえないからだ。
その代わりに、シロやクロに乗せて戦闘訓練させている。
そのうち、『
リンは剣士なので、カイトと同じスタイルになる予定だ。
なお、リンの方がセンスは有りそうだ。
空中での姿勢バランスがかなりいいので、威力が全く落ちない。
ピューイととても仲がいいし、もう少し育ったらピューイに乗せたい。
いいコンビになる筈だ。
この一週間で二人共スキルがかなり上がったはず。
5人組とリンとシュウの冒険者組は、色んな組み合わせでダンジョンに潜らせ、ついでにクエストを受けさせて稼いでもらっている。
基本二手に別れて行動するため、どちらにも回復役がいる様にアイナとザインが一緒にならないようにした。
万が一が無いように、クロとフィアをガードに付けて、何かあったらすぐ連絡出来るようにしてある。
ちなみに連絡先は、カルマとニケだ。
思念伝達が彼ら同士なら出来るらしい。
というより、カルマが
『主に役立つと思い、出来る様にしておきましたよ』と軽い感じで言ってた。
2匹の丸まったしっぽを振る見る限り、本人達には大変な事だったんろうなぁ。
うん、ごめんな。
でも助かるよと言って撫でたら、グルグル鳴いてご機嫌になってた。
あとはライとサナティ達がギルドで、俺が屋敷を買ったのを聞いて訪ねてきた。
サナティがメイド達が人間じゃないと気が付いて慌てたが、マイニャが居合わせて、『あー、サナティ様。その人らユートさんが雇ってる鬼人さん達ですよ〜。大丈夫ですから』と、いつものタンクトップ姿で瑞々しい汗が滴る姿で現れたので、男性陣はそちらに目を奪われた。
サナティに、どこに目をやっているんですかっ!とライだけ肘鉄を食らっていた。
「あはは!兄に厳しいなサナティ。ようこそ、俺達の屋敷ヘ。よく来てくれたな」
丁度、出迎えに来たらサナティがツッコミ入れているとこだった。
「あ、ユートさんお客様来てますよ!」
「ああ、ありがとう。俺が案内するから仕事に戻ってくれ」
「はい、分かりました。あ、そうだ!おとーさんから、頼まれてた転送クリスタルと飼育クリスタルが明日届くそうです。なので、明日来る時に持ってきますね」
転送クリスタルは、前にパドからサニアへペット達を送ってもらった時に使ったものだ。
これで、各厩舎からこの屋敷に直接送ることが出来る。
飼育クリスタルは、入りきらないペット達や治療が必要なペット達を入れとく事が出来る。
厩舎で使っていたクリスタルはこっちだ。
これにより、手入れする時や餌をやる時以外はクリスタルに入れておける。
まだ育ってない子などを外敵から守るのに最適だ。
「明日は、カイトを迎えに行かせるから家で待っていてくれ」
「分かりました、助かります!」
貴重品を一人で持たせて歩かせる訳にはいかないからな。
メイアに言って、カイトに伝言を頼んだ。
ライとサナティ達をリビングに案内し、今の状況を説明する。
主に、カイト達のクエストの件とこの屋敷の購入した経緯や、これからの冒険方針などだ。
「なるほど、皆さんここに住むことになったんですね。ミルバから聞いてはいましたが、ここの幽霊を開放してさらに使役するなんて、相変わらずですねユートさんは」
「そうか?たまたまが重なっただけだよ。ゼフもメイア達もみんないいヤツだし、普通の人間よりも真面目に働く。しかも、護衛も出来るとなれば雇わない手は無いさ」
そう言ってメイアを見たら、恐縮ですとだけ言った。
「はあ、Bランク冒険者でも凄いのに、Aランク冒険者が5人も加入ってどんなチームですか。王国の近衛騎士と、同格ですよ?」
「んー、俺的にはまだAランクって感じなんだけどな。今ローテーションしながらスキルとステータスの底上げさせて、次のランクを目指して貰ってるとこだよ?まだまださ」
自分もまだ力不足だが、本当の強敵を知った以上は、生き残るのに力を付けないといけない。
そのためにはランクアップは必須だ。
「あの…、ユートさん。その足手纏いなのは承知でいいます。私もそのチームに入れて貰えませんか?」
唐突にサナティが言い出した。
横にいるライや仲間たちも仰天した。
「サナティ!?俺だって連れて行って欲しいのに抜け駆けはズルいぞ!」
いや、そっち!?
「そうだぞ!俺らももっと強くなりたいのに、いくらサナティでも抜け駆けはズルい!」
と仲間の男たちも言っている。
俺も自分の仲間たちのスキル上げで精一杯だしなぁ。
人のチームまで面倒は見てられないしなぁ。
そうだ、どうせなら…
「気持ちは分かるが、俺にも都合がある。全部面倒は見てられないし、命の保証もしてあげれない。だからさ、まずはBランクに上げれるようにスキルとステータスをマックスまで上げてくれないか?特に、サナティは精霊魔法を100までは上げてほしい。他のメンバーは武器スキルだな。どうだ?」
流石にCランクだと、ステータスもAランクの半分までしか上がらないし、スキル上限も100までしか上がらない。
これから攻略するダンジョンだと、即死する可能性しかない。
まずは、底上げしないと死にに行くだけになるのだ。
「それなら!…実はスキル上げをあの日からずっとしていて、精霊魔法も95までは上がりました。あと少しで100になりますから、上がったらすぐに来ますね!」
サナティは、目を輝かせてそう答えた。
他のメンバーも思った以上にやる気だ。
「やる気になるのはいい事だが、無茶するなよ?訓練したければ、うちの訓練場使うといいよ。無料で貸すからさ」
「「「「ありがとうございます!」」」」
まずは、連れていけるランクにならないと話にならない。
俺が想定している敵は、SSランクだからだ。
あいつが襲ってきたときに、せめて逃げれるようになってもらうためには、この課題は絶対条件なのだから…。
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