第7話 一生言われる


あまみ「おきのちゃんてさ、ゲームやる?」


おきの「嗜む程度かなぁ。どうして?」


あまみ「いや、なんか想像できなかったから。見た目だけは真面目そうだし、見た目だけは」


おきの「私普通にやるし、結構強いよぉ。手遊びゲームでよかったら今やる?」


あまみ「おーいいね! なにやる?」


おきの「叩いて殴ってじゃんけんぽん」


あまみ「ぼこぼこじゃん」


あまみ「あれはどう、いっせのーっせって指を出すやつ」


おきの「あー、爪剥がしゲーム?」


あまみ「痛みを伴うんだね、絶対」


おきの「戦争ゲームでもいいよ」


あまみ「この流れできたときの戦争ゲームってめちゃくちゃ怖いね」


おきの「共産主義か、崩壊的共産主義の資本主義か、それとも民主主義の皮を被った排他主義のどれがいい?」


あまみ「おきのちゃん本当に中学二年生?」


おきの「人間の最大の過ちは過ちを忘れることだから」


あまみ「ちょっと怖くなってきたから、はい、みやちゃん!」



みやこ「過ち、綾町! 泊まりたい! 旅行! 夏休み!」


あまみ「おおー! いいね! おきのちゃん行くよね?」


おきの「資本主義の犬に成り下がったか」


あまみ「駄目だ帰ってこない」



しらいし「なんか盛り上がってんな」


みやこ「過ち、綾町! 泊まりたい! 旅行! 夏休み!」


しらいし「いいじゃん。私も行くよ」


あまみ「男連れていく?」


しらいし「男子のことを男っていうなよ。それと却下。理由は疲れるから」


あまみ「(よし、ツッコミ役受け渡し成功)」


おきの「人間の最もな弱点は孤独だぞ、ぬしよ」


しらいし「きっついキャラ変だな。おきの、いますぐやめないとお前の小学校のときのあだ名がトリシマだったことばらすぞ」


おきの「ばらしてるじゃん! ばらしてるじゃん! 絶対定着するからやめてっていったのに‼ それだけはやめてっていったのに‼ もうしらちゃん嫌い! 馬鹿!!」


しらいし「おーおー、顔真っ赤にして可愛いですなぁ」


あまみ「やばい、そそる」


しらいし「盛ってんじゃねぇよ」


みやこ「ずるずる」


しらいし「啜るな、汚いぞ。なあ、トリシマ」


おきの「ごめんなさいもう二度とやらないので許してくださいお願いしますごめんなさいもう二度と調子乗りませんだからもうお願いします本当に――」


しらいし「ちなみにこいつの初恋の男子、酉島トリシマくん」


おきの「あああああああああああああああああああああああああああ」

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