第3話 ナス

キッチンに立つねえさま。


おもむろに野菜室を開ける子供。


「ナス食べてもいいですか?」


「ダメです」


学校にも上がらない子供の丁寧なおねだりに、丁寧にダメ出し。


焼いたり、お味噌汁も漬け物も美味しいから、そのままでも美味しいと思ったのかもね。


さすがにナスは、そのまま食べちゃダメだったみたい。


野菜室の全てのものが、そのまま食べられないことを知ったのね。


覚えてない記憶。


幼い自分の野菜好きを知らされて。


笑う。

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