第126話 アルリ工房とキノックス商会。
だ、誰か聞いて欲しい!
私ね、良い加減アルペちゃんとクルリちゃんに対して、ケジメをしっかり付けなきゃなって思ったんだ。だから二人にね、「ご両親に挨拶したいんだけど」って言ったらね、なんて返って来たと思う?
-ノノ姉様〜♪︎
-そのお話しは終わったよぉ〜♪︎
-片付けて来たのぉ〜☆
-褒めて褒めてぇ-♡
…………え、何が? ってなるじゃん?
だから詳細を聞くじゃん? そしたら本当に話し合いが終わってたんだよ。
なんか、キノックス商会のトップ、つまりアルペちゃんとクルリちゃんの親なんだけど、そいつは結構なクソ親らしくてね?
二人と私たちの仲って黒猫亭じゃ有名だけど、外だとそう知られてないんだ。だけどキノックス商会のトップは『女同士で婚姻するスキモノなんだから、ウチの半獣も食わせてから利益搾り取ってやる』って感じの奴だったらしい。マジかよぶっ殺すぞ。
で、私が手を出したって知られたらマズイから、アルペちゃんとクルリちゃんが先に潰して来たらしい。
いや、言葉通りの意味じゃなくて、思惑を潰したって意味で。
アルペちゃんとクルリちゃんは、ダンジョン事変の報酬では昇華薬じゃなくて縫製系のレアスキルが手に入るアイテムを選んでた。
そのスキルは『天衣無縫』ってスキルなんだけど、まぁどっかのエクストリームスポーツに出て来そうな技名なのは良いんだよ。今重要なのは二人が遭難組の生産職だってこと。
黒猫亭に寝泊まりして活動してる
そんな遭難組の生産職であるアルペちゃんとクルリちゃんも、外に出たら一躍時の人となれる針子だ。そしてその力量をベースに、二人は他の遭難組メンバーの力も借りて、二人をトップとした遭難組生産職が集う工房を設立してて、独自に力を蓄えてた。
それで先日、高位貴族の子供も多く居る遭難組が総出で乗り込み(私とルルちゃんとぺぺちゃんと王族とレーニャさん除く)、今をトキメク人気針子の工房である『アルリ工房』と独占契約をくれてやる代わりに、以後二人に対する干渉の制限を契約してきた。
二人だけならまだ、大損しそうな契約とか結ばされそうだけど、そこは高位貴族の子供たちが「ああん? ウチとやり合う気か? あん?」と睨みを効かせまくって、相当良い条件で契約完了。
今後は、アルペちゃんもクルリちゃんも、自分の人生を好きに歩んで、好きな相手と結婚して好きな姓を名乗れる。
…………え、マジで話し終わってたんだけど。
その話し合いにはタユちゃんも居たらしく、最近発言力が増してる辺境伯のバックをガンガン見せ付けて来たそうだ。
なんか、国王が私にビビり倒してるから、その私と娘が婚姻してるタユちゃんパパの発言力がグイグイ上がってるそうだ。あと
それで何か悪さをするつもりならコッチも考えるけど、ちょっと前に娘の様子を見るためにやって来た一家は、こう、なんと言うか、「本当に辺境伯ですか?」って聞きたくなるような、純朴な方々だった。
「アルリ工房ねぇ……」
「アルペとクルリで、アルリなんだろうね」
「二人合わせてアルリちゃんって呼びやすくて可愛いよね。今度呼んでみようかな。……でも、なんでアルリちゃん達がトップなの?」
「それはもちろん、ノンちゃんのお嫁さんだからじゃない?」
「…………そろそろハムちゃんも秒読みなんだし、ハムちゃんでも良くなかった?」
そんな出来事について、リビングでルルちゃんとちゅっちゅしながら喋ってる。
うん、最近ね、ハムちゃんの攻勢にタユちゃんが流されそうになってて、鍛冶の腕もメキメキ上がってるし、マジで秒読みだと思う。早くハムちゃんもロリ化して食べたいぜ。
…………新規のお嫁さんも、
「あたしも聞いた話しだけどね、なんか半獣の地位向上が目的でもあるんだってさ。それで、飛びっきり可愛い二人を頭に添えて、
「マジかよ活動家じゃん」
確かに二人は、もう飛びっきり可愛いよ。美の神に愛されて『可愛さ』ってパラメーターをカンストして生まれてきたんだなって思うもん。
でも幼女だよ? ロリコンの私なら「ひゃああ可愛いぃぃい♡」ってなるけど、普通の人なら「え、子供なの? 大丈夫?」ってならない? 工房のトップだよ?
「むしろ、なんでダメだと思うの? ダンジョン事変で千階層から生還した奇跡の子供で、神様もびっくりするくらい可愛い双子で、宿泊した探索者が軒並み激強になって帰って来るようになった伝説の黒猫亭が由来の工房だよ? むしろダンジョン事変関係ない大人が頭になるよりずっと印象的だと思うよ?」
言われてみればマジでそうじゃん。
腕さえ確かなら、むしろプラスなのか?
「しかも、今まで宿泊者しか手に出来なかった黒猫亭由来の装備が、独占してキノックス商会に流れるんだよ? アッチだってもう何も言えないよ。下手を打ってアルリちゃん達の怒りを買ってさ、品物が流れなくなったら、お客さんに干されるのは向こうだもん。こっちは別に、また宿泊者だけを相手にしたって良いんだからさ」
うっわ、怖っ!?
え、でっかい釣り針にザックリ引っ掛けて、一度かかったらもう逃げられない奴じゃんそれ。
「工房の頭がアルリちゃん達でダメって言うなら、それもそれだよ。また黒猫亭で完結すれば良いだけだもん。試して損は無かったんじゃない?」
「…………え、私それより、ルルちゃんがそこまで考えてる事にびっくりしてる。めっちゃ頭良くなってない?」
「もう、ノンちゃんは酷いなぁ。あたしだって、ノンちゃんの一番素敵なお嫁さんで居たいから、色々頑張ってるんだよ? むぅ、ちゅーしちゃうぞ?」
「えへ、もうしてる癖にぃー」
「ちゅー♡ んっ♡」
ルルちゃん可愛い幸せ。
しっかし、あのぽやーってしてた二人が、なんの憂いも無く全力で私たちとイチャイチャするために、親の商会との関係を叩き潰して来るとはねぇ。
「あ、ノノンちゃんとシルルちゃん、依頼されてた物出来たよ」
ルルちゃんと深いキスをしてると、若返り過ぎた恩師がリビングに入って来た。挨拶しようとルルちゃんから口を離すと、触れていた舌と舌が唾液で糸を引いてえっちぃ気分になる。
「にゅぁ、オブさん……」
「おいおい、お嫁さんが愛しいのは分かったから、リビングで口から糸引くのは止めておくれよ。まだ色に染まってないちびっ子も居るんだぜ?」
いや、それはどうだろう。
色に染まってないとは言うけど、滲むくらいはしてるからね?
「で、何が完成したんです? 孵卵器?」
「いや、孵卵器はまだ待って。完成したのはコッチ、妊娠薬さ」
オブさんがピンク色の小瓶を私に投げ渡し、落としたら大変だと慌てて受け取った。
…………で、え? 何が出来たって?
「これは?」
「だから、妊娠薬さ。女の子同士で、女の子同士を、女の子のまま妊娠させられる薬さ。例のドラッグレシピ、薬創薬で引いたレシピから色々と逆引きして、薬創薬を使わないレシピを確立したよ。……あれ本当に便利だね! 僕もう、本当に薬師の神になった気分だよ!」
…………なんですと?
「はえっ!? も、もう出来たんですかッ!? 私がルルちゃん孕ませるお薬がッ!?」
「言葉を選びなよ愛弟子ちゃん。まだ陽は高いぜ?」
「お、おおお、おおおおおおッ!? オブさん、あたし、ノンちゃんを妊婦さんに出来るのッ!?」
「ほら見なよノノンちゃん。お嫁さんの可愛らしい表現を。女子力捨てたのかい? 拾って来てあげようか?」
「あ、私の女子力はルルちゃんが産んでくれるので大丈夫でぇ〜す」
「確かに娘でも息子でも、母性が生まれりゃ女子力か? いや女子力じゃ無くね?」
うるさいな! 女はいつまでも女の子だって言うじゃないですか!
それより早う! 使い方はよう! 私は早くルルちゃんを孕ませて、私もルルちゃんの子を孕みたい!
「あ、当たり前だけど初潮来てないと使えないからね?」
………………oh、ガッデム。
「私とルルちゃんとタユちゃんの初潮はいつ来るんだ……! リアルならもう来てたのに! 血を出す場所が無くなってたから意味無いけど!」
「いや笑いずらいネタをブチ込まないでよ。老人の寿命ネタみたいなの止めて止めて。あれお年寄りが鉄板ネタみたいに使うけど、場が凍るの理解して欲しいよね」
「だってぇ……。早くルルちゃんの子が孕みたかった……」
「言葉を選べっちゅうに」
あーあ、今夜は今までに無いくらい盛り上がるはずだったのに。
「あの、オブさん。それで使い方は? あたしのお股から血が出たら、ノンちゃんを妊婦さんに出来るんだよね?」
「そうそう。まぁ使い方は別に難しい事は無いんだ。それを飲んだら一日寝込むんだけど、翌日から体質が約一ヶ月ほど変わる。興奮が定量を超えた時に、膣から分泌される体液が白濁して男性のソレとほぼ同じ物になる」
薬師モードのオブさんは、医療に関わるワードならセクシャルな単語も恥ずかしがる事無く、真剣に教えてくれる。
なんでも、リアルでもお薬関係の仕事をしてるらしい。今はコッチの世界に来る為に長期休暇中。そのまま退職も考えているそうだ。
出来れば、自殺とかは止めて欲しいなぁ。こっちの世界に来る為に、サユさんと
穏便な方法を探して欲しいなぁ……。
「まぁ要するに、いつも通り
「……オブさん、それだと真っ先に自分が妊娠しません?」
「流石に自己妊娠は回避出来る作りにはなってるよ。近親相姦どころの騒ぎじゃないからね。同じDNAは拒否される形になってる。この薬で作られた種は、自身と同じDNAを持った卵子に触れると魔法的にそれを参照して、自己壊死する」
「なる、ほど?」
えと、纏めると、薬を飲むと一日寝込み、目覚めたら体質が一ヶ月ほど変化する。一ヶ月経つと元に戻る。
変化中は、極度に興奮すると股から出るヌルヌルが白く濁って、男性の出す種とほぼ同一の物になる。
自己妊娠はしない。自分の種が自分の卵子に触れた瞬間、種が死ぬ仕組みになってる。
粘液を白濁させた状態で、妊娠させたい相手の股にいっぱい擦り付けて使う。もしくは自分の粘液を手で掬いとって、相手の中に直接グチュグチュしなさい。
と、言うことらしい。初潮が来てないと体質は変化出来ないし、変化しないのに寝込みはするので、使っても辛いだけらしい。
というか初潮も来て無い相手はどっちにしろ妊娠出来ないしね。
「これ、ちなみ姉妹で使ったらどうなるんです?」
「んー、正直それは分からないんだよなぁ。多分妊娠は出来ると思うけど、血が近過ぎる問題を解決出来てるのかはちょっと自信ない。あと、一卵性の双子は無理。二卵生なら多分ギリギリ行ける」
「なるほど。……フィルたんとロアにゃん、結婚出来るかな?」
「あの、揃ってお互いに恋してるって言う可愛い百合姉妹だろ? んー、いや待てよ。普通に薬創薬で血縁の姉妹でも妊娠出来る薬のレシピ調べて応用すれば良いんじゃないか。……よし、そっちの薬も任せておくれよ」
「か、神が居るよノンちゃん……」
「そうだよ。私の師匠は神なんだよ」
「ふふ、【薬師神】だもの。て言うか、君がくれたアイテムのお陰なんだぜ? シルルちゃん、君もちゃんと誇りなよ?」
「……ふぁっ、いまちょっと、あたしもオブさんがカッコよく見えちゃった! ノンちゃん居なかったら危なかった!」
「でしょ。オブさんはカッコ良いんだよ。小規模だけど地味にファンクラブあったし」
「え待ってノノンちゃん何それ僕知らないんだけど」
あったんだよなぁ。
オブさん、プレイヤーには割りと冷たかったし、汚い権力者とかにも凍えるような視線を送るけど、力ないNPCとかには凄い優しくて、その様子を見てコロッとやられた女の子とか、そのプレイングに憧れた男性プレイヤーが発足したファンクラブがね。あったんだよ。
そもそも、オブさんがNPCを相手にしてるのって地味だったからファンクラブの規模は小さかったけど、それでも根強い人気があった。
「マジかよ、僕もノノンちゃんみたいなファンクラブとかあったのかよ」
「え待ってオブさん何それ私知らないんだけどソレ」
え、なに? 私のファンクラブ?
「ジワルドで一番有名なプレイヤーが何を今更……」
「いやいやいや! 私が一番有名だなんて嘘だ嘘だ」
「なんで君は変なところで自己評価が低いんだい? なろう系主人公なのかい?」
「それぺぺちゃんにも言われました……」
「…………そう言えば、僕はまだ【双鎌妖精】と会えてないけど、何処に居るんだい?」
「あー、ぺぺちゃんはなんか、リアルがゴタついてるみたいです」
今のぺぺちゃんは、二日か三日に一度のペースでログインしている。
ログインしたら私と遊んでくれたり、遭難組の子達を面倒見てくれたりしてる。
「て言うか、私も師匠のお話し聞きたいんですけど、師匠は他国で今何をしてるんです? 師匠がロリコンになったとかちょっと信じられないんですけど」
「あ、うん。君の前では巧妙に隠してたからね。元々あのクソポニテはロリコンだったんだよ」
「…………えぇ、信じられない」
私の中の師匠って、女の人だけど凄いカッコ良くて、厳格で自分に厳しくて、でもちゃんと優しくて気遣いもしてくれた、立派な人だった。尊敬出来る武人だった。
でも、オブさんも嘘を言う人じゃ無いし、……いやオブさんは必要なら嘘も言うけど、意味の無い嘘だけは絶対につかなかった。
「……師匠、ロリコンだったんですか。もしかして、私にもハァハァしてたんですかね?」
「してたね! 確実に!」
すっごい力強く断言された。
マジかぁ、師匠って私に興奮してたのかぁ……。
気持ち悪いとかは微塵も思わないけど、ちょっとモヤッとする。
「…………え、もしかして、あたし恨まれてない? モノムグリ様が大好きでハァハァしてたノンちゃん、あたしお嫁さんにしちゃったよッ!?」
「あ、うん。ちょっと怪しいね。でも本人は、ノノンちゃんが幸せなら祝福するって言ってたよ。それにもし敵になるとしても、僕はシルルちゃんの味方だから安心してね?」
「…………ふぁあっ、ノンちゃん、オブさんがカッコ良い」
「ちょっとオブさん、私のお嫁さん口説かないでくださいな」
「確かにシルルちゃんは凄く可愛いし、代償の効果でドキドキはするけどね? でも僕にはもう可愛いお嫁さんが二人も居るから、他に手を出す余裕なんて無いのさ」
「おぉ、ここで慌てないのも、大人って感じがするねっ。……なるほど、
「私の師匠がいつの間にか幼女キラーになってる件に付いて」
「新作のラノベかい? 君こそ『知らぬ間に弟子が立派なロリコンだった件について』なんだけど」
「クソ作品の予感がヒシヒシと……!」
「ちょっと笑えそうだから買ってみたいけどね」
「むう、たまにオブさんとノンちゃんが仲良しなの、羨ましい。寂しい……」
「はぅぅぅうううルルちゃん可愛いぃぃぃい♡」
ごめんねルルちゃん。やっと会えた大事な人の二人目だから、私も楽しくなっちゃうんだよ。
「ふと思ったんだけど、ノノンちゃんは代償とか大丈夫なのかい? シルルちゃんみたいな事にならないかい?」
「あ、私はもうなってるんですよコレ。平気そうに見えるだけで」
雑談してると、途中でそんなことを聞かれた。
多分、ルルちゃんの姿を見て心配してくれてるんだろう。あれはもう、痛々しかったからね。もう二度とあのレベルの代償は発動させない。
あの時のルルちゃんは、私たちとの距離が五メートルを超える頃には感情が爆発して、七メートルに至った頃には「ごめんなさい」とか「死にたい」とか、「一人にしないで」「棄てないで」と、とにかく泣き叫びながら何かに怯えて、謝り、自分の死を願っていた。
正気を失って、虚ろな目で何が悪いのかも分からずにただ謝り、その寂しさを一番簡単に消せる方法として「自死」を希う。
私がそれを見て我慢出来たのは三秒だった。すぐに飛び付いて、何回も呼び掛けてちょっとずつ正気に戻した。私の胸も張り裂けるかと思った。
友達が死んだとか、家族が死んだとか、そんなレベルじゃ無かった。その全部が一度に、自分のせいで目の前で凄惨に死に絶えたような絶望に泣いていた。もはやアレは慟哭と言っていい。
一番心配そうにしてたのは、その代償を背負わせている
「私の
「…………字面がクソ酷いけど、シルルちゃんのアレを見た後だと全ッ然笑えない代償だね? それで、大丈夫なのかい?」
「大丈夫じゃ無いですよ? 私って、二十五時間ずっと、いつも必ず下着がグショグショなんですよ。ルルちゃんを今この場でメチャクチャにブチ犯して鳴かせ狂わせたい欲望が頭の中で渦巻いてます。お嫁さんも恋人も全員そうですし、
「…………わ、笑えねぇ」
うん。笑えないよ? 今も本当に、気を少し緩めたらルルちゃんの服の中に手を入れて、オブさんの前でパンツを脱がして中をメチャクチャに掻き混ぜて鳴かせたい欲望がね、頭をガンガン殴ってるから。
「それ、どうやって耐えてるんだい?」
「ふぇ? 耐えてないですよ?」
「は?」
「え?」
いや、私耐えてないよ? 発情してるって言ってるじゃん。
「どゆこと?」
「あのですね、私って、ロリコンなんですよ」
「いや知ってる」
「それで、ぶっちゃけ代償を背負う前からルルちゃんを常に襲いたい発情ロリコンだったんですよ」
「ポリスメン呼んだ方が良い?」
「呼べたら自分で呼んでます。それで、私の今の状態を簡単に描写するとですね? こう、狂ったまま常人の振りをしてるシリアルキラー的な…………?」
「……え? じゃぁなに、完全に発情して狂ったまま、常人の振りをしてるだけって?」
「いえす、あいどぅ」
「いやそれ耐えてるって言わない?」
「そうですか? 私、発情を押さえ付けて我慢するって感じの対処はして無いですよ? 我慢すると余計に辛いんで。興奮したならしただけ、下半身グッショリさせて成すがままです」
「いやいやいや、それでシルルちゃんを襲ってないし、耐えてるんじゃないの?」
「んー、言うて限界だったらルルちゃんを連れ込んでスグに致してますし? なんでしょうね、今は手を出さなくても、興奮して興奮して、発情をブチ上げ続けても、後で全部解消出来るって分かってるから、収まることは無く無限に興奮し続けてますけど、本能が大人しくしててくれる的な?」
うん。代償によって獣にされた私の本能も、今ルルちゃんの下半身に手を突っ込んで掻き混ぜるより、お部屋で思いっきり交尾する方が何万倍も興奮するし、何億倍も気持ち良いって躾ちゃったから、大人しくしててくれる。
だけどその分飢餓感と言うか、えっちぃ事に対する欲望はエンドレスなので、毎日毎晩大洪水なんだよ?
「うわ、自分の本能を調教してギブアンドテイクを築くとか上級者過ぎる……!」
「なんて言うんでしょうかね、こう、代償にたらふく食べさせてあげてたから、上手いこと共存は出来てるんですよ。だって、代償が私に求めてるのって、暴走のリミット条件は性交そのものですけど、この代償の本質って結局、私が無制限に興奮するバケモノになる事なんですよ」
そして、私はその代償を、代償が望む物よりも大量に、高品質な物を毎日毎晩ほぼ無制限に食わせているのだ。
代償もそりゃ、今すぐルルちゃんをブチ犯したいのだろう。でも代償も理解してるんだ。夜に全員揃って、人目を憚る事無く乱れられる場所まで待てば、今手を出すのとは比較にならない興奮と絶頂が待ってると。
変な例えだけど、今すぐ食べれるカップラーメンと、夜に食べれる名店のラーメンなら、まだ代償の暴走はカップラーメンに釣られちゃう。
だけど、今すぐ貰える百円のお小遣いと、夜に貰える宝くじ一等三億円だったら、百人でも千人でも、一人残らず夜の三億円を選ぶでしょ?
あ、お金が怖い人とか嫌いな人とか特殊な人はノーカンね。
「まぁ要するに、私って毎晩、代償にとって三億円に匹敵する大興奮プレイをしてるんですよ」
「こわっ……。え、こわっ……、僕の弟子こわっ」
こちとら、処女喪失の初夜に始まって二週間腰を振り続けた色狂いぞ? 色に狂った
ぶっちゃけ、黒猫亭は私のわがままでやってる部分もあるし、本当に限界だったら黒猫亭をウルリオやレアノアさんに譲って、お嫁さんと恋人全員連れて山奥にでも引きこもるよ?
それで二十五時間ずっと、食事と排泄の時以外はずっと交尾する生活を送れる。私は何時でも芋を引ける。
「つまりですね、私と
「…………♪︎♡♡」
私はちょうどやって来て飛び付いて来た
んー、タユちゃんの味がする。ほんの数分前までタユちゃんをドリンクバーにしてたな?
て言うか、うん。私はこんな感じで大丈夫なんだけど、タユちゃんは正直、最近ちょっと危ない感じするよね。
時間が空くと、かなりの頻度で
あれ、何とかしないと不味いかなぁ………?
「相性が良過ぎるのもダメなんですよねぇ。
「だよね、そうだよね。みんながみんな、ノノンちゃんレベルだったら話しにならないよ。武器どころの騒ぎじゃないもん!」
「
「世界こわっ……」
ふむ。ちょっと心配だし、タユちゃんの様子見てこようかな?
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