恋は巡る輪廻の如く

ろいくん

恋は巡る輪廻の如く 声劇台本

恋は巡る輪廻の如く






声劇用台本






登場人物



主人公

鳴上 陽(なるかみ よう)


16歳高校生

本作の主人公で佳代のことが前から好き

少し見た目はチャラいが

言動がしっかりしている

その見た目のせいか勘違いされることは多いが意外にも真面目







ヒロイン

桜葉 佳代(さくらば かよ)


16歳高校生

本作のヒロインで

宗二と付き合っている

お転婆で天然だが真っ直ぐな少女







東條 宗二(とうじょう そうじ)


16歳高校生

佳代と付き合っている真面目な優等生

生徒会に所属し他の生徒、先生からも

信頼されている







佐野 萌香(さくの もえか)


16歳高校生

佳代と席が前後で仲良くなった

小柄でおとなしい、ほんわか系

舞と佳代の親友






美波 舞(みなみ まい)


16歳高校生

佳代とは中学からの友達

さっぱりしていて

姐さん気質なところがある

萌香と佳代の親友





三神 恵太(みかみ けいた)


16歳高校生

陽の幼馴染

その明るさからクラスからの人望は厚い

クラスのムードメーカー的な存在








来栖 涼(くるす りょう)


16歳高校生

陽の同じクラス

いつのまに仲良くなっていた

少し謎がある男

大人びた見た目の割にチャラい

泣かせた女は星の数ほど












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








※日が差す中庭で2人が会話しているシーンから








宗二「それでね!その時の……」







佳代「あはは♪そんな展開なんだね!面白いそう♪今度見てみる!」







2階の渡り廊下を歩く陽

窓から中庭を見下ろして





陽「あいつらまたあんなとこいんのかよ」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




〜回想〜





宗二(貴族)

「何度言えばわかるんだお前は!!」

※叩く音





佳代(お嬢様)

「うっ……ご、ごめんなさい

でも、あの人のお話が楽しくて」





宗二(貴族)

「あんな平民と喋るなんてどうかしている!

私の許嫁なんだ君は」






佳代(お嬢様)

「ごめん……なさい」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





※渡り廊下から見下ろす陽の顔を写しながら





(心の声)

最近よく不思議な夢を見る

綺麗な女の子が辛そうな顔をしていて

いてもたってもいられなかった旅人は

その子を助けるって不思議な話

その時、旅人はその子と約束をする

その約束はーーー




ーーーーーーーーーーーーーーーーー






宗二

「僕らって運命の赤い糸で結ばれてると思うんだよね!」






佳代

「ばか///照れるよそんなこと言われたら」






宗二

「あっはは♪照れても佳代ちゃんは可愛いなぁ」





佳代

「もう…ばーか」←俯きながら





「おい、お前ら

そこは立ち入り禁止なはずだったと思うが?」





宗二

「あ、そうだったね、ごめんね

えーっと君は確か

Fクラスの鳴上くんだったっけ」





「よくご存知で

生徒会の一員の東條宗二くんに

知られていると思わなかったよ」






佳代

「ねぇ!なんか言い方に棘があるんだけど!

そりゃ、私達がここにいたから注意してるんだろうけどさ

宗二くんにもうちょっと優しく出来ないの?」





宗二

「いいよ、佳代ちゃん

僕らがいけない訳だし

鳴上くんは注意してくれたんだよ」





佳代

「でも!」





宗二

「大丈夫だから…ね?

注意してくれてありがとう鳴上くん

それじゃ教室戻ろっか」






佳代

「あ、待って宗二くん!」






※去り際に一瞬、陽を見つめる佳代




佳代

「…………………」






「あいつ…なんか見覚えがある気がする」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




※佳代のCクラス




「あ、佳代おかえり!ってなんでそんなむくれてんの?」





佳代

「それがさぁ聞いてよ!」





萌香

「佳代ちゃ〜んど〜したの?

なんか怒ってるの?」






佳代「萌香も聞いて!実はさっきね?

宗二くんと一緒にいたんだけど……」







「なるかみって…あの鳴上くん?」





萌香

「あぁ〜あの鳴上くんかぁ

私も知ってるよ〜?」





「Fクラスで見た目はチャラいけど実はしっかりしてるって噂だしね

それに意外とファンも多かったり」





佳代

「へぇ〜……ってそーじゃなくて!

そりゃ悪いのはこっちだけど

言い方ってもんがあるでしょって話!」






「普通だと思うなぁ

と言うより佳代には悪いけど

うちは東條ってなんか好きになれなくて」





萌香

「わかる気がする〜

東條くんてなんか怖いというか

なんとなくなんだけど

怪しいというかぁ〜」







佳代

「一応彼氏なんだよ?宗二くん

私の前で言うかな普通」






「佳代は知ってるでしょ?

うちが昔からこーゆー性格って」






萌香

「ん、そうなんだよねぇ

舞ちゃんはそこがいいところぉ〜!」






佳代

「2人とも言いたい放題だね……はぁ。

いいもん、私は宗二くんのいい所いっぱい知ってるもん」







「はいはい、お暑い惚気ご馳走様」






※学校のチャイム





「あ、予鈴なった

んじゃ、先生くるから話はまた後で」





萌香

「また後でねぇ〜」






佳代

「あ、二人とも逃げたな…もぅ」





※渋々席に着く佳代





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






陽のFクラスにて





「はぁ………」









恵太

「ため息ついてどーしたよっ!親友!」





※陽の背中を叩く





「なんだ恵太か」





恵太

「なっ!いつもは怒るはずの陽が怒らない…だと?!

ちょっと陽もしかして熱あるんじゃ?

よし、帰ろう!帰ってひと休みして

それからゲーセンに行こう!」






「いやいや恵太君世迷言は心の中で言おうね?

僕が察するにこれはきっと……」





恵太

「きっと?」





「きっと誰かに恋をしているんだろう

陽君は絶賛誰かに夢中なんだよ」





恵太

「…………。

ま、またまたぁ涼ってばぁ

我らの陽が誰かに恋を?!

ありえない…というかあっても困る!」






「それ以外に考えられないよ

と言うより君が困る理由はないと思うけど

まぁ困る理由とすれば

それは君がホモだった時だ

とまぁ余談は置いておいて

僕もね、恋をしているとああなるんだ

まぁ、恋せよ青年てとこだね」






「2人とも聞こえてんぞ

そろそろ授業始まるんだから座っとけよ」






恵太

「ちょーっと待とうか涼くーん?

誰がホモだって?!

ゴホン…まぁ冗談はさておき

とうとう陽が恋する年になったのかぁ

うんうん、お兄さん嬉しいぞ」





「うるせーって

慶太がお兄さんとか100万年立っても嫌だわ」






恵太

「おーピリピリしてますねぇ

お兄さんが相談に乗りますよ?」






「恵太くんに相談かぁ………うん、ないね

そもそも君いまだに恋人もできず

いまだに童て」






恵太

「ちょ?!まてまて!それは関係ないでしょ!?

俺だって好きな人くらいいるわ!

そりゃ進展もないし……上手く話せないけど」





「なおのこと恵太君に相談はないでしょ」





「そんなんだから

いまだにお前、萌香に告白できねーんだって」






恵太

「え?陽まで?!

というかなんで知ってるの?!

ちょ、誰にも言ってないよな?!

言ってないよね?!相棒!!!」





「(笑いながら)うっせ、くっつくな、はっ倒すぞ」







※学校のチャイム







「まぁまぁ冗談はこれくらいにして

そろそろ席に着こう恵太くん」





恵太

「そ、そうだな……

陽と涼にバレた、陽と涼にバレた(ボソボソと)」








※2人は席に戻る





「…………恋…ね。そうなのかもな

ふぁぁ〜眠…」








※陽は再び眠気が来たので眠りに入る





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




〜回想〜




佳代(お嬢様)

「うぅ…(泣いてるシーン)」





陽(旅人)

「可愛いお嬢さん?泣いてちゃ勿体ないぜ?」






佳代(お嬢様)

「旅人さんなの?どこにいるの?」





陽(旅人)

「こっちだ、窓のテラスに居る

さっきの一部始終見てたよ

俺のせいで叩かれたのか?」






佳代(お嬢様)

「貴方のせいではないの!

ただ、私があの人の言いつけを守れないだけ」






陽(旅人)

「言いつけ?俺と喋るなってのが言いつけなのか?なら何故破るんだ痛い思いをしてまで」






佳代(お嬢様)

「それは…旅人さんの話が面白いから!

もっと話したいって思うくらい!」






陽(旅人)

「なら、話だけじゃなくて

実際に見て回るか?この広い世界を」






佳代(お嬢様)

「それは出来ません

私はあの人の婚約者ですもの」






陽(旅人)

「なら、俺が連れ出してやるさ

そんなつらそうな顔似合わないからな!」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





恵太

「おーい、そろそろ起きろよー

授業終わったぞー?」






「ん、あと5分な」





恵太

「いやいやいや!

5分って子供かって」







「眠いんだよ寝かせてくれ」






恵太

「放課後カラオケ行くんだろ?

だから起きろってば

ホームルームも終わったんだから

早く行こーぜ?」






「あー、そんな約束してたな

………すまん、気分じゃなくなったから

また今度でもいいか?」






恵太

「そうかぁ…じゃあ涼にも伝えとくよ

ただ今度行く時お前の奢りな?」





「人にたかるな…と言いたいところだけど

今回ばかりは俺のわがままだしな」




恵太

「それにしても気分じゃないってどーしたんだよ?」






「いや、特に何があったって訳じゃないけど

今は気分が乗らなくてな」





恵太

「そっか…。まぁ頑張れよ」





「なにがだ?」




恵太

「いーや、なんもない

んじゃま、先俺帰るわ!

また明日な!」






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放課後のとある教室にて






宗二

「ふふふ、ふはは♪

ああ、いや気にするなつい嬉しくてな

そんなことよりどうなんだ?

人払いは終わってるのか?」

それならいい

お前ももう帰っていいよ」





※電話が切れ静かな部屋で

胸にぶら下げたネックレスを手に取り

それを眺めながら





宗二

「まさかとは思ったが……鳴上陽。

君がそうだとは思いもしないよ

これでようやくだ…ようやく

俺に恥をかかせ

あたかも自分達は被害者だと思ってる2人に復讐を果たせないかとずっと思ってたがこんなチャンスが来るなんてねぇ♪」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





陽は昇降口に向かい

下駄箱で靴に履き変えようとするシーン





佳代

「先に帰ってていいよと言われたものの舞と萌香はバイトだし…ひとりかぁ」






陽&佳代

「「あ」」





「……あー、えっと

東條は一緒じゃないのか?」






佳代

「う、うん

先帰っててって言われちゃったから」






陽&佳代

「「……………」」






「あのさ…昼間は悪かったな」






佳代

「昼間?」






「あ、いや…ほらお前が棘のある言い方だって怒ってたから」






佳代

「あー!その事ね

あの時は確かに怒っちゃったけど

悪いのは私達だったし謝らなくても」





「でも、お前を不快にさせたのは事実だろ

だから謝りたかったんだ」






佳代

「鳴上くんて意外と律儀なんだね」





※ここで佳代が笑う





「普通のことだろ(笑顔で言う)

それと俺のことは陽で構わないよ」






佳代

「そっかそっか普通のことか

あ、じゃあ私のことも佳代って呼んでよ」






「わかった」





佳代

「なんか不思議だね」





「不思議?なにが?」





佳代

「なんだか前にもこんなことあった気がするの」







「前ってどーゆーことだ?」






佳代

「んー、上手く説明出来ないんだけど

なつかしいなぁって気分になるの」






陽の胸がチクリと痛む





佳代

「陽?」





「なんだ?」





佳代

「なんか…苦しそうな顔してる

具合悪いの?」





「苦しそうな顔?」







その時陽の脳裏でフラッシュバックする





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜回想〜



陽(旅人)

「さぁ行こうぜ!

この世界はなんたって広いんだから!

何があっても俺は君を守るから」



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「なぁ佳代」




佳代

「どーしたの?」




「すまんなんでもねーわ」





佳代

「何よ〜、気になるじゃんか」





「ホントになんでもないって」





佳代

「んー、そう?ならいいんだけど

あ、そうだ陽も帰りひとり?」






「ん?まぁそうだけど」







佳代

「ならさ!一緒に帰らない?

舞と萌香はバイトでもう居ないし、宗二くんもなんか用があるとかで先帰っててって言われちゃったんだよね」






「要はぼっちだから一緒に帰ってください〜ってか?」←笑いながら






佳代

「あー!絶対馬鹿にしてるでしょ?

もー、別にぼっちとかじゃないもん」





「あーわかった、わかったから叩くなって」







佳代

「それで?一緒に帰ってくれるの?くれないの?」






「そうだなぁ俺も暇だし帰るか一緒に」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


※陽達が玄関から出た後





「んー、やっぱり

陽君の想い人は桜葉さんか

てことはもしかすると

あっちももう分かってるのかな

ま、困ってたら助け舟くらいは出してあげよう

せっかく陽君とは友達になれたわけだし」







萌香

「ありゃりゃ〜?来栖くん?

どーしたのこんな所で

もしかして次の女の子でも探してる?」







「佐野さんじゃないか

それは心外だよ

僕はいつでも女性を愛してるだけだよ

ところでなんで佐野さんはここに?

確かバイトのはずじゃなかったっけ?」





萌香

「んーと、来栖くんがなんで知ってるのか疑問は残りますけど

何となくこうした方がいいと思ったので」





「女の子の勘ってやつかな?

まぁそれは置いておいて

どうかな?佐野さん

僕と一緒に帰るなんて」





萌香

「やめとくよぉ

来栖くんのファン怖いもん」





「んー、それは残念

じゃあまたね」





ーーーーーーーーーーーーーーーーー




宗二

「ごめんね?佳代ちゃん昨日は一緒に帰れなくて」






佳代

「んーん!大丈夫だよ!

宗二くんも忙しいと思うし

それに昨日は陽が一緒に帰ってくれてさ?

意外といい人なんだなぁって」






宗二

「へー、昨日は鳴上くんと帰ったのか」






佳代

「宗二くん?」





宗二

「ん?どーしたの?」






佳代

「すごい怖い顔してた…。もしかして怒ってる?嫉妬させちゃった?」





宗二

「あー、いや別になんとも思ってないよ

先に帰っててって言ったのは僕の方だし

嫉妬もしてないから安心して」







佳代

「そ、そっか……。ねぇ宗二くん

宗二くんて陽のこと嫌い?」






宗二

「………」






佳代

「宗二くん聞いてる?」




※少しかぶせ気味に小声で宗二のセリフ



宗二

「あぁ、早く壊してしまいたいよ」





佳代

「もしかして具合悪い?大丈夫?」





宗二

「あ、ごめんちょっと寝不足みたいで

生徒会の仕事を持ち帰って仕事してたからね

ごめん、ちょっと飲み物買ってくるよ」





佳代

「あ、うん……待ってるね」







※宗二が自販機に行ってるとこに陽が立ち寄る




「ん、佳代じゃん。こんな所でまたぼっちか?」





佳代

「あ、陽

てかまたって何よ!またって」





「悪いただの冗談だ

東條は今日は居ないのか?」





佳代

「え?あーさっき飲み物買ってくるって」






「そっか飲み物買いにか

やっぱぼっちじゃねーか」





佳代

「もー!だからぼっちじゃないって」



※なんだかんだ笑顔で会話する陽と佳代






※そこに宗二が帰ってくる





宗二

「あぁなんだ鳴上くんもいたのか

あ、ごめんね鳴上くんが来てるとは思わなくて飲み物買ってないんだ」






「いや、別にいいよさっきたまたま来て話してただけだからな」





宗二

「そうなんだ?」





佳代

「うん、宗二くんが飲み物買いに行ったあとに」






宗二

「ありがとう鳴上くん

佳代の相手してくれてて」←張り付いた笑顔





「……………なぁ東條

無理に笑顔で返さなくていい」






宗二

「無理?何言ってるのかな?」






「まぁいいそれじゃ俺はそろそろ行くわ」





※2人の元を去る陽






宗二

「ところでどんな話をしてたの?」





佳代

「へ?あ、あぁ…普通の話

でもまぁ楽しかったかな」





宗二

「そっか鳴上くんに感謝だね」

(暗い笑顔)





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




〜回想〜



宗二(貴族)

「あの糞虫がっ!

絶対に見つけ出して誘拐犯として

罪人に仕立てあげ処刑してやる!」





※一通の手紙を握りしめながら




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深夜・宗二の部屋にて



(目を覚まして、腕をおでこにつける)





宗二

「……はぁ…懐かしい夢を見たな」






(起き上がって、ネックレスを月明かりにかざす)






宗二

「…あの時も、こんな満月の夜だったっけ…」





(手の中にネックレスを戻し、握りしめて口元に持って行き、目を閉じる)







宗二

「あの時のような失態は二度としない…。あの後、俺がどれだけ恥をかかされたか…。必ず復習してやる…‼︎」








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※佳代達の教室で




萌香

「佳代ちゃ〜んお昼食べよ〜?」





佳代

「あ、うん!どこで食べよっか?」






萌香

「ん〜、いっぱいいい所がありすぎて

悩むところですねぇ

舞ちゃんはどこがいい〜?」





「まぁ無難に中庭でいいんじゃない?

天気もいいし外で食べない?」





萌香

「舞ちゃんてんさーい!

そうと決まれば中庭にレッツゴーです!」






※そこへ宗二が教室に入ってくる





宗二

「佳代ちゃんお昼食べよ…ってもう先約が居たか」






佳代

「あ、ごめんね宗二くん

2人と中庭で食べることになって」





宗二

「いいよいいよ?

それじゃ僕は友達でも誘って食べてくるね」





※宗二は教室から出ていく






萌香

「ん〜やっぱり好きじゃないです

なんか冷たいというか」






「同感」







佳代

「この前もそんなこと言ってたけど

なんでそんなに好きになれないの?」






萌香

「ん〜、なんでだろ

何となく受け入れられない」






「私は東條くんの噂とかもあるけど

やっぱ女の勘ってやつ?」






佳代

「噂?どんな?」






「大したことじゃないんだけど

時折凄く怖い顔で笑ってる時があるって」






佳代

「怖い顔で……」




※佳代の脳裏でこの前の怖い顔を思い出す




萌香

「まぁそれは置いといて

ご飯食べに行くんでしょ?

時間無くなっちゃう」





佳代

「あ、そうだね

行こっか2人とも」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





※放課後




佳代

「宗二くん遅いなぁ〜

どこいったんだろ」




※廊下を歩いてる佳代の耳に

陽の怒鳴り声が聞こえてきて

そこに駆けつける





「てめぇふざけんなっ!

何が目的なんだよ!!」





宗二を殴り飛ばす陽

それを目撃する佳代




佳代

「何してるの?!

陽やめて!!」




佳代

「暴力振るうなんて、サイッテーだよ!

そんな人だなんて知らなかった!

もうどっかいって…どっかいってよ!!!」



「……………」




沈黙の後立ち去る





佳代

「宗二くん…口から血が……」





宗二

「う、うん…大丈夫だよ。ありがとう」






佳代

「ホントに?立てる?」








宗二

「ちょっとふらっとするけど大丈夫。

君はいつも大胆だね(苦笑い)」




佳代

「だって、宗二くんが大事だから体が勝手に動いちゃったんだもん」




宗二

「うん、わかってるよ。ありがとう」





佳代

「保健室着いていくよ」





宗二

「あぁ大丈夫だから本当に

悪いんだけど教室で待っててくれないかな?

あとで迎えに行くから」






佳代

「わ、わかった……。じゃあまた後で」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





宗二

「はぁ……。鳴上陽には聞かれちゃったし

そろそろ始めるかなぁ

恋人ごっこも疲れてきたし…。

それにしても………」



首元のネックレスを手に取り見つめながら





宗二

「ぷっあはははは♪

思い出すだけで笑えてくるよ

僕達が出会ったのは運命?

あははははっ!

確かにその通りだよ!

これは『運命』なんだよ!」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






佳代

「宗二くん大丈夫かな…」






「あれ?佳代どーしたの?

さっき東條のこと探してどっか行かなかったっけ?」






佳代

「舞…」







「ちょっなんで泣きそうな顔してんの!」





佳代

「宗二くん探してたら陽が…陽が!」







「うーん、なんで鳴上くんは殴ったのか聞いたの?」






佳代

「聞いてどうするのよ!」





「まずは落ち着いて佳代

いい?鳴上くんだって理由無しに殴らないはずよ?

それに怒鳴ってたって言うなら

相当な理由だと思うわ」






佳代

「そんなの……そんなの!!」






萌香

「舞ちゃ〜ん忘れ物取りに行くの長いよぉ

ってあれ?佳代ちゃん泣いてるの?

なんで?どうしたの?」







「萌香…なんかね……」







萌香

「んー、殴ることは確かにいけないことです……でもなんで殴ったんだろ」







※そこに陽のクラスメイトの

恵太と涼がクラスの前を通る






「あ、ねぇ2人とも!」






「美波さんじゃないか

どうしたんだいお茶でも誘ってくれるのかな?」






「冗談言ってる場合じゃなくて

鳴上くんて喧嘩っ早かったりする?」







恵太

「なんかあったのか?

陽は何もなきゃ良い奴だし

喧嘩っ早くもないぞ?」






萌香

「あのですね〜?こんなことがあったらしいのですよ」









恵太

「殴り飛ばした相手は東條か……。

んー、でも陽なら理由無しには人を殴ったりしないぜ?幼馴染の俺が保証する」






佳代

「そんなの分からないじゃない!」







「まぁ余程の理由がない限り

陽君は人を殴らないよ

それにあぁ見えて誰かを守るために

しか拳を上げないからね」







「まぁどうあれ事実を聞きたいなら

直接本人に聞くしかないでしょ?

東條は保健室いるんだよね

行ってきなよ佳代

なんでああなったか気になるんでしょ?」







佳代

「うん」





萌香

「なら、行ってモヤモヤしたのを

解消するのが1番!」






佳代

「ありがとうみんな

宗二くんのことも心配だし見に行ってみるね!」





※保健室に向かって教室を後にする佳代





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恵太

「もしかして陽の想い人って」





「余計な詮索はしない事だよ恵太君

あ、それじゃ美波さん、佐野さん

僕達は帰るけど2人はどーするんだい?」






萌香

「ん〜なんだか首を突っ込まず帰った方がいい気がしますし…」





「そうねぇ私達も帰ろうか

呼び止めてごめんね?」





全員「またね〜」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






※保健室で

宗二は誰かと電話で話している





宗二

「ああ、少し唇を切っただけだ

は?なんでそうなったかって?

君との電話の会話が鳴上に聞かれたんだよ」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー










宗二

「うん、うん、そう、それでよろしく。桜葉佳代⁇いいよ、好きにしちゃって。それでこそ、復讐が始まるんだから。じゃあ、手筈通り頼むね」





(電話切って立ち去ろうとする)






「待てよ」





宗二

「ん⁇あぁ、鳴上くん。どうしたの⁇今日はよく会うね」



「今の、どういう事だ」






宗二

「今の…っていうと⁇」






「とぼけんじゃねえ‼︎電話で、佳代を好きにしていいよって言ってたじゃねぇか‼︎どういう事だっつってんだよ⁉︎」






宗二

「君には関係のない事だよ?」






「ふざけんな‼︎あいつのことが好きだから付き合ってたんじゃねーのかよ⁉︎全部騙してたのか⁉︎」







宗二

「ふはっ…くくく…」







「笑ってねーで答えろよ!」






宗二

「あぁ、そうだよ⁇だから何⁇」






「だから何?だと?ふざけんじゃねー‼︎佳代がお前のこと好きなのにその気持ちを弄んでんのか!」







宗二

「騙される方が悪いんだろ⁇

それに君も例外じゃない

沢山遊んだ後に壊してやる」







「てめぇふざけんなっ!

何が目的なんだよ!!」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







宗二

「とまぁこのタイミングで

あの女が来てって感じ

面白いだろ?

くははは♪それにその後、鳴上に向かって

最低だと言ったんだよ?

ざまぁみろ」









※保健室前で

全てを聞いてしまった佳代

泣きながら廊下を走る







宗二

「あー今のも聞かれたな…。まぁいいか

また後で連絡するよ」










佳代

「(嘘っ嘘だよっ…あんな宗二くん知らないっ!怖い…怖いよ)」







曲がり角を曲がる際に陽とぶつかってしまう





「おっと…危ねーから前ちゃんと見て…って佳代?」





佳代

「?!……陽…。ご、ごめん。じゃあねっ」






「待てって!泣いてるお前をほっとけるわけねーだろ?」





※俯きながら

佳代

「陽には関係ないでしょ」





「あのなぁ……ったく顔上げろって」





※佳代が顔を上げたタイミングで

手を差し伸べながら





「約束しただろ?ずっと守るって」







※まだ泣いているが少し笑いながら

佳代

「なにそれそんな約束したっけ?」





はにかみながら

「(小声で)ずっと前にな」






佳代

「え?ごめん聞こえなかったなんて言ったの?」






「よし、泣き止んだな?

じゃあ行くぞ」



※佳代の手を引きながら




佳代

「行くって?」





「決まってるだろ、決着をつけに行くんだ」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーー









宗二

「さて、そろそろ来る頃かなぁ」





※保健室の扉を開けて

陽と佳代が入ってくる






「待たせたな東條」






宗二

「ホントに待ちくたびれたよ

鳴上くん……。

どれだけ待ったか君達に分かるかい?」





佳代

「え、これどーゆーこと?」





宗二

「どーゆーことも何も

それは僕が聞きたいよ佳代ちゃん

どうして僕と付き合ってるのに

そいつと手を繋いでいるんだい?」





佳代

「いや…あの…これは」






※少しかぶせ気味に

「佳代は俺が貰うから」






佳代

「え?ちょっ陽?」






宗二

「ふーん、やっぱり僕に盾突くんだ君達は

あの日もそうだった」






「なにが盾突くだ…お前のせいだろ」





宗二

「お前の……せい?

お前の…?

それは僕に言った言葉かい?

鳴上陽」






佳代

「ちょっと話が見えないよ……。

説明してよ二人とも」







宗二

「そうか君は全く覚えてないんだったねぇ

じゃあ簡単に説明するよ

僕達3人は前世で縁がある

君は貴族のお嬢様で

僕も…まぁ下級ではあったけど貴族だった

僕と君は婚約した中だったんだ

そしてそこのやつはただの旅人

あぁいや違うね、盗人だったよ」







「なにが盗人だ

お前が彼女に暴力を振るい

自由を奪って監禁してたクソ野郎じゃねぇかよ」





宗二

「いい加減黙れよクソ平民

っとここで怒って計画が狂ったら台無しだ

(指を鳴らす)ほら鳴上くん

この人数に囲まれてもその威勢は持つかな?」






「用意周到なこったなクソ貴族様っ!

逃げるぞ佳代!」





佳代

「え?」





「ここじゃお前を守りながらだと狭すぎる!とにかく早く!」







佳代

「う、うん!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー






学校の屋上に逃げ込む陽と佳代





佳代

「全部知ってたんだね

宗二くんのこと」






「俺も気づいたのはつい最近だよ

お前が俺の守りたかった人で

あいつが佳代を傷つけてたやつだって」






佳代

「今度ゆっくり聞かせてよその話」






宗二

「今度があればいいけどね?2人とも

こんな逃げ場のない所に逃げ込んで

ねぇ鳴上くん

袋の鼠って言葉知ってる?」





宗二は引き連れた仲間を陽達にけしかける

それを陽は1人ずつ確実に気絶させていく







宗二

「なっ?!ありえない!!

15人は居たんだぞ?!」






「なぁ東條

さっきの言葉丸々返してやるよ

袋の鼠って知ってるか?」





宗二

「くそがぁぁぁぁぁっ!」





カッターをもち陽に突っ込んでいく





「お前の愛が歪んでなければこんなことにならなかった

これは……佳代を泣かせた分だっ!」





※1発、宗二の顔面にストレートを叩き込む





宗二

「ぐぅぅっ痛い…痛いよ

許さない…許さない許さない許さない!

僕をここまでコケにして!

殺してやる!!」






「今も昔も佳代を泣かせて

俺だってお前にムカついてんだよ!」






陽の肩にカッターの刃が掠めるが

陽の拳は宗二の顎を揺らし

宗二は気を失う





佳代

「陽!!」






「ったくマジで刺さったかと思った」






佳代

「でも陽…肩から血が…」

※ここで泣いてしまう佳代






「ばか泣くなよ

別にこれくらい平気だって

お前を守れたんだし」





佳代

「でも…私…何が何だか分からなくて

少なくとも原因は私にあって…だから2人は!!」







「あーもうっ!佳代泣くなって!

言っただろ?」





少し間を開けて





『ずっとお前を守るって』






佳代

「またそれ…(涙を拭きながら)

その話ちゃんと聞かせてよね?」






「あぁ…これはずっと昔の

とある旅人とお嬢様の出会いの話」

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恋は巡る輪廻の如く ろいくん @roikun___cas

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