続 私は私。
もえ。
新しいスタート
私は式を挙げてから1ヵ月くらいで彦さんと籍を入れ新たな生活のスタートを切った。
戸籍が変わる瞬間、寂しさを感じた。
父と母の次女として印されていた私が消えた…
『結婚ってこういう事なんだ…』
そう思った。
と、同時に新たな人間に変われる気がして
希望に満ち、幸せになる!と覚悟に似た感情が沸き上がった。
入籍前の手術によって私達は1日でも早い妊娠を望んだ。
私の子宮にある病気との追いかけっこが結婚と同時に始まっていた。
が、上手くはいかなかった…。
彦母は朝が早く(4時30起床、5時に朝食。6時には出勤)私は彦母の朝ごはんとお弁当を作るために4時には起きなければならなかった。
そして、彦母を見送ると今度は彦さん。
彦さんの朝が終わると彦父…。
私は彦さんとご飯を食べていたが
結局、朝だけで3回準備と片付けが必要だった。
専業主婦だったけれど、皆が仕事に出掛けると
掃除に洗濯。
お昼前に買い物に行き、彦母が仕事帰りに(15時頃)連れて帰ってくる甥(タイちゃんの子供)と姪(フミちゃんの子供)のおやつや夕食の準備をし、洗濯を片付けて1時間程休憩。
そこからは甥や姪を見ながらお迎えを待ち、皆が帰ると彦父と彦母は夕飯(18時)
彦父と彦母の夕飯の片付けをして彦さんの帰りを待ち、彦さんが帰ってきたら一緒に食事(19時~20時頃)
全てが終わり落ち着くのが21時過ぎ。
それからお風呂に入ってゆっくり…と思っているのだけれど、いつも眠気に教われ寝てしまっていた私…
同居で、しかも皆がバラバラだった彦家の生活に私は順応することが中々できず、子作りなんて出来なかった…。
そして、3ヵ月が過ぎ夫婦生活が無いことに気付き私は焦り始めてしまい半年を待たず不妊治療に踏み出した。
焦ってしまった原因は井原先生が教えてくれたことが頭から離れなかったからだった…
『この病気を発症してしまった人は
いつかは子宮を取らなければならない』
腺筋症はやっかいな病気で子宮筋膜の中に
シミのような感じで内膜症が入り込み増殖していく。
生理の度に増殖を繰り返し、筋膜の中で出血していき、子宮は固く大きくなっていく為に痛みも強くなっていく…
痛みに堪えられなり、貧血をお越し、何度も救急搬送される…
終わりの無い繰り返される痛みと貧血に堪えられなくなってしまい、子宮を取る選択をしてしまうらしい。
その上、筋腫も育ってしまったら取らなければならない。
思うようにならない忙しい新たな生活と
病気との追いかけっこで私が焦るのも時間の問題だったのかも知れない…。
けれど、この焦りが新しい私の家族を
少しづつ壊していってしまった…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます