世界の終わりを告げる声

庵乃 云(アンノウン)

第1話 「閉鎖される都市」

『C国B地域で集団感染が確認されました・・・・』

こんな事くらい国際的なニュースではよくある話だった。

インフルエンザ等が冬季には蔓延するしSARSも知っている、日本だって毎年何千人の死者が出てることくらい記事で読んだことがある。他にも動物感染する病気だってあって自衛隊の人々が出向いたりしてるのも動画で観た。


いつものニュースの記事の中の話だと思ってたんだ・・・・この件も・・・


『B地域は閉鎖されました。現在ではあらゆる一切の出入りを禁止されており・・・・』

まぁ、ここまでは割と普通の対応だ。


しかし、暫くするとネット上では様々な情報が飛び交い始めた。

閉鎖されたB地域から”とあるガスの発生”が確認されたからだ。

亜硫酸ガス・・・死体を燃やした時に出るガスらしい。これが数万体分確認されたのだ・・・・・。それは多人数の死を意味し

その後に数万台分のスマホの契約が一気に解約され約同数のスマホ本体が処分されたという。

「数万台・・・・結構な台数だよな・・・そんなことがあり得るのか?・・・いや、C国の人口だと比率的にあり得る話なのか・・・・・・・・?」

僕はそんな事を考えながらネットの記事を観ていた。まぁ勿論、全部が全部本物の記事内容であると思ってなかったしネット上にはフェイクニュースもあったりする。それくらいは心得てるつもりだった・・・・。

数日後のニュースを見るまでは・・・



『日本でKウィルスの感染者が確認されました』

 


二転三転していたウィルスの呼び名と国内感染が同時に確認された。

僕は眉を顰めたが、過去に経験があった。

空港で発見された数人程度の感染者が透明なビニールみたいなシートで囲った車椅子に乗せられて移動していくそんな映像を思い出した。


だが発見されたのは都市部、市街地だった・・・・

 

それからはKウィルスの拡大は急速なものとなり多くの企業と人々に危機感を与える存在となった。連日連夜ニュースで取り上げられてはその都度騒ぎを大きくしていった。


しかし妙に引っかかる点がある・・・・・・・・


それはWHOのコメントである。


最近急速に経済の成長を見せたC国に対し異常に忖度した事を述べているのだ。


「・・・・・・おかしくないか?ここまで病原体を拡散した国に対してなぜ気を遣った発言をするんだ?」


WHOの事務局長が妙に発生源のC国を褒めたりしている・・・・・明らかにおかしい・・・金か?

 

最初は「そんなに危機的状況じゃない~」とか油断させる事ばかり言っていていざ流行るとC国の対応のみ褒める・・・・・妙な流れを感じ取った。


僕はネットで色々な所を彷徨った。

大型掲示板サイト「日ちゃんねる」で深いところまで行き、オカルトのエリアまできてしまった。


その板では「ペサ」という単語が飛び交ってた。初めは意味が分からなかった。聞いてみてもこのサイトの一部の住人の排他的特性で貶された。

なんとか教えてくれる人が現れ内容を知ることなった



「472 名前:本当に盛った怖い名無し 2020/02/11(火) ID:+2jicIjoJv70d:mi

  ペサ=フィンランド語で「巣」の意味

 

  P.E.S.A=Population explosion suppression agencies 」

 

「人口爆発抑制機関」なんともオカルトらしい表現である。本当にその英語で合ってるのか?と思ってしまうほどに。


しかし、その板を見ると妙に説得力があり鼻で笑うことが出来なくなってきたし正直怖かった・・・・


その住人達の情報によるとC国が巨額の出資をしそれに関与しているということと、


その機関により大量に「人が殺害」されていることだった・・・・。

  



 


 

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