勇者の力で世界を救う

第1話 序章

　100年前、突如現れた魔王が世界を支配しようとした。

　人々は魔王の従える魔物達に恐怖し世界は混沌を極めた。

　人々が生きることを諦めかけた時、10人の勇者達が魔王を倒すべき立ち上がった。

　魔王は圧倒的な力で勇者達と互角の戦いをしたが、勇者達は命と引き換えに魔王を封印した。

　魔王が封印されたことで魔物は消滅し世界は平和になった。

　それから100年後の世界を舞台にしたのが今ハマっているＶＲＭＭＯＲＰＧ【Equip Adventure World】の世界設定である。

　空を見上げて寝ている。

　別に、河川敷で友達と殴り合いの喧嘩をして、最後2人で仰向けに倒れながら『空ってこんなに青かったんだな…』とかボロボロになって友情を深めているわけではない。

　場所も道路だし、友達もゲームの中でしかいない。

　ボロボロなのしか合ってない。

　ボロボロなのは友達と喧嘩したからではなく、大きめの車に轢かれたからだ。

　子どもが轢かれそうなのを助け、車に轢かれた…。

　近くで突き飛ばして転けて、膝を擦り剥いた子どもが泣いている。

　轢かれるよりマシだろ？大人の俺が泣きたいくらい痛いんだから。

　あっ、もう１つ合っているのがあった。

「そ、空ってこんなに青かったんだ…」

　俺『日之内遊吾』はこうして死んだ。