第10話 男の娘(こ)!?

{Thanks!:森園珠子様}

{テーマ:男の娘(こ)}


 自分は、いったいどういう存在なのだろう?

男なのに娘。つまりは、男の娘(こ)?


 自分は産まれた時から、何かが他と違っていた気がする。

他の一般的な面子はそんなことないのに。

自分だけが……、そう、自分が男なのか女なのか分からないのだ。


 ……そしてここまで来ると、もはや性別がどういった意味を持つのか?なんてことまで考えてしまう。

 そしてそんな自分がこの仕事についたのは……、必然であったかもしれない。


 それは、平たく言えば「ショービジネス」の世界。

毎日自分たちを見に、多くの人たちがやって来る。

そして自分たちはそこで精一杯生き、その「生き様」と言えるものを見てもらう。

……そう、それは「生き様」だ。


 ただ、自分たちはリスペクトされていない……、そう感じる時もたくさんある。

みんな、ただの物珍しさで見に来ているのではないのか?

でもそれでもいい、最近はそう思えるようになってきた。

それでみんなが勇気をもらえるなら、みんなが喜んでくれるなら、それでいい……。

 そして今日も、自分たちはみんなの目に触れる。


 「パパ、ママ、連れて来てくれてありがとう!」

「そうだね。でも近場にこんな【水族館】があって良かった!」


※ ※ ※ ※

「この魚は、大変面白いものでして、

【途中で性別を変える】ことができるのです!」  (終)

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