4ページ目 4代大統領

 存在消滅、騎士、元凶……様々なことを知った。

そして壱佳は……


「……分かった。つまり!存在消滅と呼ばれるやつを倒せばいいってことか!」

「ありがとう。」

「状況は状況で仕方がないよ……自分たちの世界が崩れるのもいやだしね」

あははと苦笑いをこぼしていると……

「リンカーン。そこのいる者は誰です?」

渋い声の男性が家から出てきた。

「すみません。ジョージ・ワシントン殿。騎士と少しお話をしていました。」


 まさかの初代アメリカ大統領であった。

「騎士だと?もう来ないと思っていたが…な。騎士は?」

壱佳は頭を下げ、一礼した

「占い師が言っていた騎士は……お主の隣にいる子でいいのか。」

「はい。」

「そうか……騎士殿よ…私はジョージ・ワシントンどうぞ、よろしくお願いします。」

こっちに体を向け頭を下げるアメリカ初代大統領


「よろしく!……あの敬語はやめてもらっても?」

「騎士殿……これが私です。敬語は抜けられない癖な部分もあるので……」

「わかった。……えーとここワシントン大統領の家だったんだね……。」

「はい。よかったら中に入ってお茶でもどうですか?」

「いいの?!じゃっお言葉に甘えて……」

「リンカーンも来なさい。」

「はい。」

「残りの物は例の準備を!」

見ていた人達がみな動き始める。


 まさかこの時の壱佳は……あんなことになるとは思いもせずに。


~ワシントンの家(マウント・バーノン)~

「騎士殿は、珈琲、紅茶どちらが好みで?」

「珈琲でお願いします~」

「リンカーンはいつもどうりでいいですよね?」

「はい。」

ワシントンは珈琲やら何かを入れに別室へ……


「ここにもこういうのあるのかぁ……。それにしても……広すぎないか?掃除が大変そう……」

「ハウスキーパーをたまに雇っているらしいな。」

「この世界にもいるのかよハウスキーパー……」

「幽霊だが…」

「……え……えぇ~」

「確か……」

この世界の概念がなんなのか疑問に思い始める主人公であった。


「……ここまでいるんだから。残りの2人もいるのかな?」

「残りの2人とは?」

「トーマス・ジェファーソン大統領、セオドア・ルーズベルト大統領」

「騎士様……その2人は…………」

「……その2人は存在消滅によって飲み込まれた。」

ワシントンがいつの間にか戻ってきていた。リンカーンは俯く。 驚きのあまりに壱佳は、嘘だろと呟く。

そして、リンカーンの口が開く。

「守れなかった……。」

「落ち込むのではない……リンカーン。私も守れなかっのだから……。」


「……何があったの?……」

「過去に……過去に他にも人が来たと言っただろう?」

「その時に、人を守るために彼らは前へ出た。」

「それっきりだ。」

「そんな……」


 ワシントン、リンカーンの話を聞く。迂闊だった。すっかり忘れていた、ここにいるということはもう被害が出ているのだ。

放置しておけば、気付かないうちに増えているかもしれないのだ。

怒り、悲しみそして、震えがある……

「騎士殿……」

淹れたての珈琲を飲む……苦い。

普段砂糖を入れてる壱佳にとっては苦い。でも今はそれが覚悟を決めるスイッチになった。


「……教えて!存在消滅との戦い方を!」


続く

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