2ページ目 神様の作った世界

 風が吹く、神様が言っていた世界。それは自分が住んでた世界よりも綺麗な光景だった。


「夢……だよね?鮮明すぎないかなぁ?!」

辺りを見回す

草たちが木の葉が風にそよぐ

ここは野原だと認識する

野原の先には大きな街が後ろを振り向くと森があった。だがしかし、人の気配がしないのだ。

「街に行くかな、そこなら人もいるよね?」

壱佳は街へと歩き出す。


 森からの視線を感じながら。


 街へ行く道中に看板を見つけた

 __英雄の街__

「英雄?なんかヒーローとかいた感じ?会えるかなー?」

呑気な主人公である。

街につくと、とても静かであった。

「誰もいないのか?」

街を少し歩くことにした。そして、他の建物とは全く違う大きさの家があった。

「……大金持ちの家かよ」

「誰だ!?手を挙げろ」

「へ?」

腑抜けた声を上げる。手を挙げながら、そして後ろを振り向くと、なんと、黒いタキシードを着ている男性だった。

「お前は誰だ?こんな時期に人が来るとはな?」

「た、高野壱佳ですっ!」

「……日本人か。聞いたことない名前だな。」

「え、えーとー恐縮ですが、あなたは一体?」

「私は、エイブラハム・リンカーンだ。少しは聞いたことはあるだろ?」

「え?リンカーン?元アメリカ合衆国の大統領?え?同じ名前の別人?」

「ちがう。私は私だ。」

「(異世界だしなんでもありなのかなぁ)えーとその杖を下ろしてもらっても?」

「いいだろう……お前はこの世界に迷い込んだ人とみた。一応聞こう目的は?」

「か、神様に頼まれて……パートナーを探して来いって……あはは……」

そういった時リンカーンと名乗った男は目を見開いた。

「な、ナイト様だったか。失礼しました。」

「え?」

「皆の者よ、ナイト様が来たぞ。警戒しなくても大丈夫だ。」

男はそう大きな声で言ったのだ。そして、次々に家から人々が出てきたのだ。だがその人たちも少し特殊なような感じがしたが今は気にしないようにしたのだった。

「えーと?ナイト様?僕そんな身分じゃないよ?ただの人だよ?」

「神から話を授かり、共に歩んでいくパートナーを探しているのだろう?」

「まぁそうだけど……」

「ここは北米区アメリカ、カナダ、メキシコの英雄、偉人たちが住む町だ。心置き無く探して頂きたいと……言いたいところだが……殆どが行方不明なのだ……」

「え?」

殆どが行方不明……今見えている人達は一体何者かと思うほどだった。

「ここにいる人達は皆、世界にも小さな英雄がいるのだ。……片隅にも覚えておいて欲しい」

「わかりました。けど……敬語は辞めてください。貴方にされるほどそんな身分は無いので……」

「では、敬語を辞めるのでナイト様も辞めていただいても?」

「じゃ遠慮なくリンカーン大統領!」

「ようこそ。ナイト様」

「様は抜けないんだね!」

さすが自由の国!と言いそうになった。大統領と言ったところは突っ込めよとも思った訳だが……。


 続く





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