事実
私は赤ちゃんとちゃんとお別れ出来たものだと思っていた。
私のお腹の中に確かに居た赤ちゃんの姿は確認できなくなっていたしまっていた…
それでも尿検査では数値は下がらず
出血も日に日に多くなっていった…
医師「んー…おかしい。
このままだと良くないから今度、堕胎手術しよう」
かかりつけ医からそう言われたのは
出血し始めてから1週間経った頃だった。
私「手術?どうしてもしなくちゃいけませんか?
実は結婚が決まっていて…式の後じゃいけませんか?」
医師「式はいつなの?
出来れば早い方がいいんだけど…」
私「来月の15日なんです。」
医師「来月…もうすぐだね…
出血が治まってくれてたらいいかも知れないけど…
来月か…どうしても式の後がいいんだね?」
私「はい。」
この日、私は微かな希望を持ってしまった。
正直に言うと私はまだ赤ちゃんは見えないだけで生きていてくれてると思い込んだ。
先生を信じていなかった訳じゃない。
けれど、尿検査の結果が私にそう思わせた。
数値は下がることなく、検査の度に確実に妊娠している事を示してくれていた。
これは先生を悩ませることとなっていたけれど
私はその結果を信じ、希望を持った。
医師「じゃぁ…とりあえずまた来週来てみて。
そこで、どうするか決めよう。
ただ、出血が今以上になったり腹痛が出たら直ぐに連絡して来てください。」
私「はい。」
私の頭は基本能天気だ。
医学の知識もない。
先生の「おかしい」と言う言葉を頭から排除すれば妊娠している事実だけがこの時の私の中にはあった。
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