ヤキモチ

私達は築3年の2DKのアパートに引っ越した。













引っ越し祝いに純ちゃんの職場の人達から

色んな家裁道具や日用品などを貰い

充実したスタートを切ることができた。














冷蔵庫はなかったけれど台所はある。

仕事帰りに買い物をして自炊も出来るようになった。














自炊するようになると純ちゃんの貯金も切り崩さなくても何とか生活できるようになった。
















ある日の休みの日、私達は買い物に出掛けた。














この日の目当てはダブルの布団と毛布。














冬に向けての準備だった。














ファンヒータも購入し、灯油も買い込んだ。














そして、純ちゃんは婦人服売場へ行き

私の服を選んで買ってくれた。













支払いの時に値札を取って欲しいと言った純ちゃんは買ったばかりの服に着替えて来るように私に言った。













私は喜んで試着室に行き、純ちゃんが買ってくれたばかりの服に着替えた。














私「どう?」














私は純ちゃんの前で回って見せた。














純「似合う。それにして良かった」













そう言いながら私の手にある着替えた服が入った紙袋を持つとそれをレジの店員さんの前に置き「捨てといて。」そう言って足早にお店を後にした…













困った顔の店員さんに私は会釈して

純ちゃんを慌てて追いかけた。













私「ねぇ?何であの服置いてきたの?

取りに行ってきてもいい?」













追いかけながらそう聞いた私に純ちゃんは


純「あの服、岡さんが買ったやつでしょ?

もえは大切にしてたの知ってたけど、いらないじゃん。あの服がいいなら岡さんの所に帰ればいい。」


そう言った…













一緒に暮らし始めて初めて見る純ちゃんだった…














とても冷たく、私に何も言わせない感じで言い捨てる純ちゃんは少し怖かった。














この日、純ちゃんの機嫌が治ることはなかった














ずっと黙ったままで

毎日必ず一緒に入っていたお風呂も1人で先に入り

私が片付けやお風呂が終わる頃には

もうシングルの布団で眠っていた…













次の日には、機嫌も治り「あれはヤキモチ妬いただけだから(笑)」そう笑ってた。

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