コーヒーボランティア

ささきゆうすけ

沸騰

「いらっしゃいませ」

「ユキちゃん、久しぶり」

「あら、おじさん久しぶり。帰ってきてたんですか」

「うん、ちょうど今ね。帰ってきたらすぐ、ここに来ようって決めてたんだ」

「嬉しい。ちょっと待っててね、コーヒーいれるから」

 静かな店内に、プクプクと水の沸騰する音が響く。

「ユキちゃんが他の人といるところ、見たことないな」

「私も、おじさんが他の人といるところ、見たことない」

「不思議だね、ここの店に来るといつもユキちゃんしかいない」

「いつもはけっこう忙しいんですよ。はい、出来ました」

「ありがとう。それじゃあ、いただきます」

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