2.異世界

ー2.異世界ー



「……へ?おいおい……」



いきなり暗くなったと思ったらいきなり草原になったぞ、凄く目に悪いじゃないか


それに俺がいたのは住宅街の筈だ、こんなロシアにありそうな草原じゃない


それにあんまり暑くないな…春先みたいな暖かさだ



「どこだ?ここ……」



ここがどこなのか、手がかりがないか辺りを見渡してみるが視界に入るのは草、草、草…



「ダメだ…草しかねぇ……」



そんなことをぼやいていたら、



「ん?」



空になんかいるぞ?


かなり高いところにいるが翼が見えるな…航空機か?


……あれ、急旋回してどっか行っちった



………航空機じゃないな、なんか「グェエエエ」だか「ギェエエエ」だか叫んでたし



…………空飛んで叫ぶトカゲとは珍しいな



「………ハハッ」



ダメだ、某夢の国のげっ歯類みたいな笑い声が出てしまった



つまり、ここは





「………異世界、なのか」







~~~~~




やってしまった!


早く見つけなければ!


また同僚に笑われちゃう!



え?何を焦っているのか?ですって?



……実はついさっきこの世界につれてきた人をうっかり落としちゃって……



いけない!こんな事してる場合じゃなかった!



まだ彼にはこの世界のことも、この世界でやって欲しいことも何も説明していないのにーー!?






~~~~~



…………なんだろう、誰かが物凄く焦っている気配を感じる……



「さて、どうするべきか……」



ここは異世界、当然俺は右も左もわからない状態


更に言うと今俺がいる此処が安全なのかすらわからない



それに気になることはまだある



「俺は何故、この世界に飛ばされたんだ……?」



「───!」



ん?



誰か呼んでる?



「おーい、あんた!そこで何やってるんだ?」



振り替えると馬車に乗ったおっさnゲフンゲフンおじさんがいた



「何って………俺も何でここにいるのかわからないんだ」


「なんだぁ、そりゃ?まるで記憶喪失みたいな言い方だな」



……流石に「死を覚悟した瞬間に異世界に飛ばされた」なんて言えないな


このおっさんには悪いが、ここは記憶喪失という設定で行かせてもらおう



「…何も覚えて無いのはその記憶喪失ってやつのせいなのか?」


「ああ、そう言うらしい。こんな所で突っ立ってるからてっきりモンスターに食われようとしてた自殺志願者かと思ったぜ」



……は?ここそんなに物騒なの?



「……へ?モンスター?」


「おいおい、モンスターも知らないのか……本当に記憶喪失みたいだな……仕方ない、荷台に乗れよ、丁度近くの村に行く予定があったんだ、……流石にこれからずっと面倒を見るってことはできないが、そこまでなら送ってってやる」



それはありがたい。流石に何も知らないままいきなりゲームオーバーは嫌だからな



「すいません、助かります」


「なぁに、いいってことよ、…んじゃ行くぜ」



こうして俺という荷物が追加されたおっさんの馬車は近くにある村というのに向かっていった






~~~~~




「 ─見つけた!」



やっと見つけた、場所はアルク村の宿屋ね


……なんでこの世界のお金持ってないのに宿屋にいるのかは理解できないけど



「それじゃあ、いろいろと説明しに行きますか」



そうして私は下界に降りていった






~~~~~



─宿屋の一室─



「………ふむ、なるほどな」



俺は宿屋であのおっさん(商人だったみたいですぐ別の村に向かった)から得たこの世界の情報を整理していた



この世界(大陸)はヅヴォール大陸と言うこと


この世界にはモンスターがいること


この世界には魔法があること


この世界にはかつて魔王といわれる存在がいたこと


この世界には大きな国が幾つかあること


この村はアルク村と言うこと


この村がある国はルーバス王国ということ



これが俺がおっさんから聞いた情報



そして、



この世界には電気ガス水道、その他ライフラインが地球ほど整っていないこと


この世界の兵士は地球では時代遅れな騎士の格好をしていて主装備は剣や弓であること



これが俺がこの村に来て気付いた事だった



このアルク村はかなり小さい村だからライフラインが整って無いのかと思ったら、おっさんが「帝都でもない限りだいたいこんな感じ」と言っていたからライフラインはまだまだなのだろう



恐らくその辺りは魔法で補っているのだろうか



兵士に関しては何も言わなくてもわかるだろう



そして結論は…


「…………この世界は、剣と魔法のファンタジーワールドなのか……」



そう、俺はベッタベタの異世界に飛ばされてしまったのだった



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