こんな毎日、心臓が持たないよ-!
花楓
第一話 クール系男子に告白される
「好きだ。結婚を前提に付き合ってくれないか?」
図書室で本を読んでいた私に床に跪き、手を差し伸べた彼はそういった。さらさらな黒髪で切れ長の目、ふむふむ、私はこの人を見たことがない。
「あの、お相手間違えじゃないですか?」
面識がないし、間違えてたりなんてあるかも-、と思い聞いてみる。
「いや、だって君は1年A組の藤白なずなさんだろう。誕生日は今日5月30日の双子座でA型。国語が得意。部活には所属しておらず、図書委員で新しい本が多い第1図書室でなく、あまり人のこない第2図書室を担当していて仕事が少ないため委員の活動中はずっと本を読んでいる。この高校に入った理由もおそらく蔵書が多いのが理由でそのくらい本が好き。そして、さっき三組の目黒君を振った。理由は相手の浮気。」
「...はい、そうですね。」
色々つっこみどころ満載。元彼のことは正直どうでもいいけど、周りに隠してたのに何で。私のストーカーかよっ。でも私であってるみたい。
...私はこんないかにも眼鏡が似合いそうなクール系イケメン、知らないよ?
そう思いつつ、彼の顔をみて思う。表情全然変わらないなぁ。えっ、まっ、まさか、罰ゲームで告白っていうやつかな?失礼かもだけど聞く?でも、そうだとしても言わないか。うーん。そう思いつつ、また、彼の顔を見る。じっとこちらを見つめる視線は真剣そのものだ。元彼はこんな風に見てくれたことあったっけ?...もう一度、しっかり見てみよう。長いまつげ、目の近くには黒子、ていうか本当に眼鏡似合いそう。眼鏡かけたら、タイプどストライクだわ。言ったらかけてくれるかな~。って、そんなこと考えてる場合じゃない!告白をどうするか考えなきゃ。結婚を前提に、かぁー。普通の人がされたら、重いって思うのかなぁ。
でも...今の私にはそれくらい本気の人が良い。...たとえ、告白自体が嘘であっても、いいんだ。この歳から結婚願望がある人なんてそうそういないのだから。嘘ならさっさと振られるでしょ。私は一緒に
「よろしくお願いします。」
「いいのか?」
「はい。」
「そうか。ありがとう。」
そう言って気が緩んだのか、彼は笑った。クール系イケメンの彼が笑うとギャップがすごくて破壊力抜群。でも、これが演技で私をすぐ振る可能性だってあるの。油断禁物よ、なずな!あれ、でも...私、そういえばこのクール系イケメンもとい彼氏の名前知らなくない?
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