焦げた庭 ☆
武装格差を是正することで均衡を作り出し犯罪を抑止する。
この考えのもと武装の装備携行が義務化されている。
均衡を作ることが求められる武装、特に武器の方には様々な規制がある。
武器がある程度均質であるならば、扱う術技の差が重要になる。
そう考え道場を訪ねた。会うなり先を取って師範は言う。
「武に縋るのはおやめなさい、矛を止めるが武の本義、その生き方こそ武道」
「……」
「提案出来るのは警察署に通って防犯対策を練るくらいなものです」
「……」
返答を待たず師範は去り、門戸は閉ざされた。
死ぬまでに犯人共を何人道連れに出来るか。
武装格差の是正という絵空事を描いた政治屋、能力の無い有権者。
例外でない自分も死ぬまでに、順番に何人を道連れに出来るか。
憎悪と復讐に燃えている事を一目で看破され、例外でない生き方を看破された。
日々学ぶこと、日々備えること、よくよく生きること。
あの師範は出来ているのだろう。
縋るのはやめだ。
殺された者たちとの日々、裁判で知る、殺される過程、殺された現場と遺体。
思えば、あれは武ではなかった。
暴力を振るうのに、刀剣は必要ない。
財産をスカイダイビングと法律の知識、自家用航空機、他、に変えた。
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