【05話の2】 取り寄せ能力は便利です!

 

「イルマタル様、侍女扱いで申し訳ありません」

「別に気にしないでください、ただあの乗り物のことは内緒にしてください」

「そうですね、『オーパーツ』とでもいっておいてください」

 

「わかりました……大変失礼ですが、褒賞など後で支払わせてください……それから……」

 

「エヴプラクシヤさんは治せません、方法は一つありますが、それは死んだほうがましかもしれませんよ」

「マトリョーナさんではその方法も選べません、本人の決断が必要なのです、その上に、私もかなりの犠牲を払うことになります」

 

「そうですか……姉様と……相談してみます……その時は……」

 

「話ぐらいは聞きますよ、それより、エヴプラクシヤさんを見舞いに行きましょう、この薬を渡しておきませんとね」

「最初の薬はもう使用できません、効力は落ちますが、我慢するしかありません、飲まないよりはいいでしょう」

 

 エヴプラクシヤさんを見舞いに行きますと、薬が切れかけているようで、かなり痛そうな様子です。

 

「どうですか?」

「薬が切れかけているのか、かなり痛いですが、でも最初よりはましですよ」

 よく見ればエヴプラクシヤさん、かなりの巨乳、それなのにスラっとしてロシア風美人、女でなかったら惚れてしまいそう……

 もっとも、相手にもされないでしょうね。

 

「姉様、ご相談が……イルマタル様によれば、一つだけ治療する方法があるそうなのですが……死んだほうがまし、なのだそうです、その上イルマタル様も、かなりの犠牲を払うことになるとのことです」

「……」

 

「マトリョーナさん、少し席を外していただけますか?」

 マトリョーナさんに席を外していただき、エヴプラクシヤさんに方法を説明しました。

 

「そんな……すこし考えてもいいですか?」

「私も考えなくてはなりませんから、エヴプラクシヤさんが望まれても私がね……とにかく貴女がどうするか、考えてくださいね、マトリョーナさんを呼んできましょう」

 2人はこれからのことを相談するのでしょうね。

 

 さて、ご飯にしますか、提供された食事は、お世辞にも美味しいとはいえませんし……

 

 やはり面倒なのでデリバリー商品を……

 某ハンバーガー店の、ネット注文による宅配システムを利用してと……

 

 ハンバーガーとホットドッグ、オニオンフライとフレンチポテト、野菜サラダ、それにシェイクは欠かせません♪

 あとチーズケーキですかね、重複しますがコーヒーも♪

 全部一つ当たり700円以下、いいですね♪

 

 そうだ、袖振り合うも何かの縁、3名の女性にも同じものを差し入れしましょう。

 ヴェロニカさんに渡せば大丈夫でしょう。

 

 そうそう松葉杖なんて進呈しましょうか、あの時は慌てていました、安直に添え木なんて出したりしましたのでね。

 

 インターネットを検索すると、いいものがありました。

 

 足を90度に折り曲げ、膝から下に杖を装着するタイプ、ハンズフリー松葉杖というのだそうです。

 これなら、今のエヴプラクシヤさんでも装着して歩けるでしょう。

 両手が自由になるのも便利、ちょっとトイレは不便ですね。

 

 お値段が素晴らしいですね、3万円近くします。

 足首固定のサポーターも必要ですかね、防水カバーもつけておきます。

 ついでに、折り畳み式の松葉づえも渡しておきましょう。これがあれば何とかトイレも……

 こいつもいい値段しますよ、1万6千円ぐらいでした。

 

 使い方をヴェロニカさんに教えておきます、多分エヴプラクシヤさんの面倒も、見ているはずですから。

 

「ヴェロニカさん、ご飯はおいしいとはいえませんでしたね、こちらのほうがマシでしょう、皆さんで食べてください」

「それからこれをエヴプラクシヤさんに渡してください、これなら今後の生活も少しは良くなるでしょうから」

「とにかくこれの使い方を覚えてください」

 ヴェロニカさんに装着方法を説明しました。

 

「差し入れてきますが、イルマタル様が直接お渡しになれば?」

「お2人は大事な相談をされているはずです、私は聞かないほうがいいでしょうから」

 

 ヴェロニカさんが差し入れに行かれましたが、少し時間がかかっています。

 多分、大事な話について、協議してきたのでしょう。

 

「あの……」

 ヴェロニカさんが戻ってきましたが、

「今は聞きません、後日ということにしてください」

 とにかく私は寝ることにしました。

 シャワーを浴びたいのですが、こんな場所ではね。


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