第115話 奴隷の取引

 昼からは馬車の乗り合いのメンバーを変えていた。

 俺の馬車は俺、ステラ達3人、サイラー、ユキリン、リーナだ。

 作戦会議を行う。まず奴隷だった3人に


 聡太「すまないが嫌な事を思い出すと思うが、頑張って思い出して欲しいんだ。君達を買おうとしている奴は盗賊からの取引をしようとしているんだ。サイラーさん、これって違法だよね!?」


 サイラー「ええ、闇取引、しかも盗賊相手だと、取引先の奴を捉えて騎士団に差し出せば報酬を貰えます!この国は特に締め付けが厳しいんです。なので実行可能な場合他国より大きなお金が動きます。奴隷商も厳しい監視に置かれていますから、今回の様に他人から奪った奴隷は正規のルートでは売れません。奴隷に虐待などをして奴隷購入を禁止された者が買うのだと思います。奴隷に対する暴力の取締が厳しいので、暴力行為が判明すると一度目は奴隷没収、二度目は奴隷没収と奴隷購入禁止措置が取られます」


 聡太「なる程。買えない奴に高く売るのか。多分ステラ達を捉えた盗賊はその取引相手の常連か子飼いなんだろうね。できる限り捉えて奴隷にしてやろう。そいつ等はどうせ常習犯なんだろう」


 サイラーは何かを言いたそうだったが、俺の気迫に黙ったようだ。


 3人は必死にアジトで聞こえてきた会話を思い出していた。

 俺は涙を流しているその目元にハンカチを当て涙を拭うと少し照れていた。


 断片的な記憶だと夕方少し前に青い帽子と赤い帽子を被った2名の馬に乗った男が街の手前10分位の水場で馬の世話をしているので面識の無い者が行く場合位飼い葉がどこで手に入る?という類いの質問をすると。


 後は少し脇に逸れた所にいる仲間に引き渡しお金を貰って帰る。もし別の取引があれば話を聞いてくる。そんな感じで若い奴に話していたと。幹部はは流石に街に近づけないので、襲撃する時にアジトに残した一般的に面の割れていない者を向かわせて、今回の奴は新入の予定だったと。他の面子が以前の襲撃時に殺しそこねて逃げられた者に顔を見られているから新入りだったらしい。


 俺はひとりひとりをぎゅっと抱きしめ俺も泣きながら感謝をした。

 俺は涙もろかった。アルマゲドンの映画も最後のエンディングの結婚式の所で毎回泣き、ミーナに呆れられていた。


 今回は少数精鋭だ。基本的にステラ達以外では男しか連れていけない。

 念の為モナとリリアが俺の後を追い掛ける算段だ。


 馬車にはステラ達3人、俺、ビグザ、フレディで行く。まあこれで十分だろう。戦闘になったら俺は基本一人で行くからビグザ達は馬車に残り3人を護衛する事とした。他のメンバーは少し遅れて街に向かう事とした。


 ステラ達には奴隷らしい服を着せた。

 そうして馬車1台で向かい出すとそいつ等がいた。


 聡太「こんにちは。街はもうすぐだよね?所でどこに行けば飼い葉を買えますか?」


 青帽子「やっと来たか。遅かったじゃないか。今日は来れないかと思ったぞ。しかしまた若い奴を寄越したな。何かあったのか?」



 聡太「いやーヘマをやらかしていつもの者が顔を見られて新入りの俺達しかここに行けないって親分が言ってました」


 赤帽子「っちまたか。頼むから坊主はへますんなよ。毎回来る奴が変わると面倒臭いんだよな。ちょっと馬車を見せてもらうぞ」


 青帽子「おお間違いないな。聞いている女だな。おい、報告通り勿論初物だろうな!?俺達の主人は処女じゃないとブチ切れるんだぞ!おい女、もうやられたのか?」


 聡太「大丈夫っす!親分おっぱいはしゃぶらせてくれたっすけど、挿れたら殺すって言ってやらせてくれないし、今朝も連れて行く途中でやったら殺す!お客がうるさいからやったらお前が殺されるぞって言われてるんで胸しか揉んでません!」


 青帽子「よしよし。あいつちゃんといつも言いつけを守るんだよな。ご褒美に払い下げを渡してやっから楽しめや!」


 聡太「はいありがとうございます!おい、やれそうだぞ!」


 フレディ「よっしゃー」


 アドリブに付き合ってくれている。

 俺はあれ?って思った。確かに思い出すと最後までやられている状況は見なかった。それでも姓的に惨い事をされていたのには変わりない


 赤帽子「すぐそこだからついてこい。旦那が首を長くしてお待ちだ」


 そしてついていく事5分。ちょっとした開けたスペースに着いたのであった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る