第50話 買い物と初夜

 ギルドマスターに挨拶に行く前にエミリーは着替えをする。ブラウスの色が白から薄い緑になった。


 その姿でエミリーが現れるとあちこちから悲哀の声が聞こえてきた。

 緑は既婚者を示すのからだ。

 後任が育ち次第受付を退き後方担当になることを意味する。


 男女平等な社会ではないし、受付嬢の条件は能力は当たり前だが容姿端麗なのだ。


 受付嬢自体も承知して応募するが、受付嬢自身は有望な冒険者に娶られたいからだ。上位の冒険者は収入も高く、比較的裕福な生活ができる。


 冒険者も綺麗な女性を、教養のある女性を娶りたいから頑張る。好きな受付嬢を落とす為に下心丸出しで頑張る。結果稼ぎがよくなり、冒険者もギルドも潤う。その為だけのカンフル剤として雇われているとエミリーが話してくれた。エミリーは単に生活の糧を得る為で、得てして粗暴な冒険者には興味が無かった、偶々俺が礼儀正しい人だから惹かれたと話してくれた。


 宣言をしてからリリアと買い物だ。


 主に服と下着類を買っていく。お金はかなりある。数年遊んで暮らせる額はあるからあまり妥協はしない。

 ちょっとしたドレスをその場で調整して貰ったりしている。昼はギルドに行き、エミリーと三人で食べ、昼からは冒険者の為の買い出しだ。


 テントを買い、外用のテーブルや椅子、調理用品、食器を買う。


 ふと思い布団や毛布、枕を数人分買い、収納に入れた。


 夕食もエミリーと一緒だ。

 途中でアクセサリー見世で買ったネックレスを二人にプレゼントした。

 一応婚姻の品として品の有るのを俺用のを含め、3つ同じシリーズでだ。二人はたいそう喜んでくれた。


 宿でリリアと分かれ、少しエミリーと二人のナイトデートをし、ドキドキ尻尾をもふりながら家に着く。


 もう夫婦だからと風呂に一緒に入り、猫耳族の初夜のしきたりとしてお互いの体を洗い会う儀式をしていた。そして、女性の尻尾の毛繕いだ。毛繕いを許されるのは両親又は育ての親以外では結婚相手しか認められないと話してくれた。


 一度見せて貰っているが猫耳族の身体は不思議だった。真面目に不思議だった。

 俺は風呂では冒険者モードにしていた。ベッドインまでに暴れん坊になっているのはプライドが許さず、余裕の有る大人な感じを演出する格好付けだった。


 そして二人の愛の時間になり、やがて寝ていくのだった。明日は三人でこの街の名物ダンジョンに入る予定だ。その為にエミリーは暫く休みを入れている。また、食糧をたんまり買い込むなど準備は万全だ!


 その頃俺達が普段泊まっている宿に若い連中がこぞって泊まっていたのだった。

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