雲の流れ

椎名由騎

亡き母の顔

 ガタンゴトンガタンゴトン



 走る電車の車窓から僕は青空に浮かぶ雲を見上げる



 小さい頃は雲が何に似てると母親に言った記憶が蘇る



 瞼を閉じれば母親の笑う顔が浮かぶ



 目を開く前に涙が零れる



 目を開けた先に見えた雲はどこか母親の顔に見えて



 さらに両目からの涙が止まらなかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雲の流れ 椎名由騎 @shiinayosiki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ