オン ザ ワールド・コンダクター【オワコン】
EveP
プロローグ
あなたも、一度は考えた事はないですか?
――もしも魔法が使えたなら――、と。
人類はこれまで何度も、“あったらいいな“と思うものを、現実のものとしてきました。
きっといつか、魔法も、ごく当たり前に使える時代が来るのかも知れません。
ただ、その時に私たちは、一体どの様な生活を送っているのでしょうか?
はたして幸せなのでしょうか
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――此処はおそらく地下。
日が届かない暗がりの中、青白く冷たい小さな光が蛍の様に辺りを一面埋め尽くしている。
それらはカタカタという、耳を澄まさないとと聞こえないくらいの微弱な音と共に、規則正しく、そして、たまにランダムに、まるで意思を持って互いが共鳴しているかの様に光っている。
そこは、機械とコンピュータで一面を埋め尽くされた部屋だった。
目の前には、少女を模した“モノ“が立っている。そして、見た目に似つかわしくない、やや年寄りの口調で語る。
「――驚いたか?これがこの世界の、魔法と称するものの真実の姿よの」
口角を上げ、嫌みたらしくほくそ笑んだ。
しかし、その言葉や仕草とは裏腹に、そのモノは、無機質な雰囲気を纏っており、まるで感情など無いかの様だった。
――さて、それは遡ること数日前だ。
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