自己満資料集

佐々木悠

第1話 君主号

多数の爵位などが存在するヨーロッパ。何がどう言う意味でどの順番に偉いのか、解説しようかなと思います


皇帝

皇帝、英語ではエンペラーですね。ドイツ語ではカイザー。これはローマ帝国の称号に由来しています。ローマ帝国軍への最高命令権を有する職式インペラートルがエンペラーの語源で皇帝の称号のひとつで後に副帝の称号となったカエサルがカイザーの語源となっています。

皇帝は一国の王とは異なり、普遍的世界の君主が称する君主号となっています。

例えば東ローマ皇帝や神聖ローマ皇帝はキリスト教世界の皇帝であり、神の地上の代行者を自認しています。

更には神聖ローマ皇帝はボヘミア王位等より上位であり名目的にはカトリック国の王位よりは上位になります。

著名な皇帝

コンスタンティヌス一世

シャルルマーニュ

オットー一世


ナポレオンの皇帝戴冠まで、欧州のほぼすべての君主が王若しくは後述の大公や公となる。

ローマ皇帝を源泉とする皇帝とは異なりkingなどは血族を意味する、kinを語源とし皇帝より血統が重視された。皇帝は実力の有るものが就く地位であり、神聖ローマ帝国などでは選挙王制度が維持された。現代に近づき新たに独立した王国では既に王家の血統が絶えていることも多かったが、その場合でも自国の貴族が王位に就くのではなく、他国の王家から王を招く事が多かったのは王となるのは王家の血を引くものという概念が存在していたからである。

他国から王となる人物を招く際ドイツ系が多かったのは神聖ローマ帝国ないには多数の王家が存在しており、また選挙制故に皇帝を排出した家系は王にふさわしいと考えられたからである。

著名な王

太陽王ルイ14世

カトリック両王フェルナンド二世

カトリック両王イザベル一世

北方の獅子グスタフ二世アドルフ


大公

大公には大きく2つ存在する。1つはgrand dukeと英語で呼ばれる公国よりも規模の大きな国家の君主である称号。

もう1つはドイツ語でErzherzogと呼ばれる君主号だ。

grand dukeとは異なりErzherzogはオーストリア大公にのみ用いられる称号である。

元々オーストリア大公ではなくオーストリア公が正式であったがはのルドルフ四世建設公の時代、ルドルフ四世の父アルブレヒト二世賢公の死後家臣に

「我はオーストリア公、シュタイアーマルク公、ケルンテン公、クライン公、並びに帝国狩猟長官、シュヴァーベン公、アルザス公そして、プファルツ大公である」

と宣言。後者の4つは明らかな僭称であり、司教の上に大司教がある様に公を幾つも束ねるハプスブルク家の当主こそ、大公に相応しいという主張であった。

大公と言う爵位は存在せずルドルフ四世の自作である。ルドルフ四世は選帝侯を超える権限を保有すると主張し、七選帝侯を上回る特権、自領内で爵位を授け、封土を与える権限を持つと宣言し、当時の神聖ローマ皇帝カール四世が求めた証拠として五通の特許状と2枚の手紙を提出。

勿論偽書ではあるがよく出来ており質のいい偽書であったが手紙の差出人がユリウス・カエサルや暴君ネロであったり鑑定を行ったペトラルカと言う人物からこの御仁はとんでもない大嘘ですと発言。力を持たないカール四世は神聖ローマ帝国内外と同盟網を構築していたルドルフ四世に対して黙認し、オーストリア大公は神聖ローマ皇帝に頼まれて臣下になっているのであり何時でも独立可能かつオーストリア大公領土を防衛する義務が神聖ローマ皇帝にあると言う内容も後に神聖ローマ皇帝ルドルフ三世により法律化される。

著名なgrand duke

フランツェスコ二世

(ロレーヌ家出身のマリア・テレジアの夫)

著名なオーストリア大公

カール一世

(神聖ローマ皇帝カール五世)

レオポルド一世

(神聖ローマ皇帝レオポルド一世)

マリア・テレジア

尚、オーストリア大公を世襲するハプスブルク家により神聖ローマ皇帝位は独占され、神聖ローマ皇帝がオーストリア大公を兼ねない場合の実権はほぼ無くなった。


公にもdukeとprinceの二種類ありプリンスの方が上のランクではある。

dukeとは主に王の支配下にありながらある程度独立した国家として動ける君主である。

著名なduke

シャルル一世

(ブルゴーニュ公国の君主、突進公)

カール一世アルブレヒト

(神聖ローマ皇帝カール七世)

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