一学期
強くニューゲームって事ですね
オタクでデブ。そして性格も歪んでいる方だと自覚している。
彼女いない歴=年齢
27歳でニート。社会の負け組の田中負拓は今日も家にこもり、今日もネットでおかずを探す。
「クソが。いいのねぇーな。」
パソコンを閉じ、ベッドに転がり、天井に貼ってある押しのキャラを見つめる。
(あー。俺も転生してハーレム築きてーな。)
負拓はそう思い、今日を終える。
この負け組の人生から変わりたいが変わりたくない。負拓はそう思い続けて今日に至る。
それを見て呆れた神様は負拓にチャンスを与えたのだった。
***
負拓は長い夢を見ているかのような気分だった。
夢の内容は自分が赤ちゃんになり、他の人の家で過ごす。
それが夢でじゃないと理解したのは2年後であった。
(俺は転生したのか?)
今の体をみる。
腕は丸々としていて体も小さくどうやら幼児体型だとわかった。
小さな手で頬をつねってみたがやはり痛みはあった。
そしてようやく、夢ではなく、転生したのだとわかった。
今の名前は
それからも悠は前世の記憶を引き継ぎながらも幼稚園、小学校、中学校を卒業する。
高校に入学を迎える前日、ふと自分の顔を見て気がついた。
「あれ?俺イケメンじゃね?」
前世の自分の顔が絶望的なまでにブサイクだった為に鏡を見るのがトラウマだった悠だが、ようやく自分の顔を確認した。
「やっぱりイケメンだ。」
確かに違和感があったと悠は思った。
(中学の時、やたらと女子が寄ってきたのはそのせいなのか?)
自分に自信がなかった悠は女子がこんなに近くにいるのにも関わらず一切会話をしてこなかったのだ。
「まじかーー!!やらかしたーー!!!」
人生初のモテ期を逃した悠は果てしない後悔に襲われる。
(くそ!!もう少し早く鏡を見ておけばよかった!!)
頭を抱え、悶えた後、悠は決意した。
「高校では絶対にモテてやる。」
前世で出来なかった事を成し遂げる。
「待ってろ俺のハーレム生活ーーーー!!」
悠は一人で大声で叫ぶと親から苦情が来たのだった。
***
入学式当日。
(遂に入学式。待ってろ青春。待ってろハーレム!!)
そう思いながら悠はずっと体育館で校長先生の長い話を聞いていたのだった。
ようやく入学式終えて教室に着き生徒の親達も教室へ入ってくる。
その親の中に一人知っている顔がいた。
(あの顔は鶴山春!!あいつ、人妻になっていたのか……)
春の顔を悠は忘れてはいなかった。なぜなら高校時代、悠が初めて恋をした相手が春だったのだから。
(歳をくっても美人だな。)
なぜか悲しくなる。初恋相手が人妻でしかも今じゃ悠にとっては親ほどの差があったのだから。
悠が落ち込んでいると隣から声をかけられた。
「落ち込んでるように見えるけど大丈夫?」
「えっ?」
隣を見ると美少女と言えるほどの美貌を持った生徒に声をかけられていた。
(ロングヘアで綺麗な黒髪ストレート。身嗜みはちゃんとしている。まさに清純派ヒロイン!!)
「えっ、いやなんでもないよ。大丈夫。」
「そう?ならいいけど。」
(うおおぉぉぉっっっ!!すげー可愛い子に声かけられた!!しかも席隣とか神かよ!)
そんな事をが考えている時、先生から声をかけられる。
「新垣悠君。………新垣悠君?」
「えっ!?あっ、はい!」
先生の声に気づき慌てて返事をする。
(そういえば今出席番号を確認中だった。終わったかもしれない。俺の高校生活……)
そんな事を考えている内に悠の隣の席の子が名前を呼ばれていた。
「茅根千夏さん。」
「はい。」
(へぇ、千夏って言うんだ。可愛いなぁ。)
千夏の顔を見ていた悠だったが次第にある場所へと目が移る。
(このおっぱい!!でかい!顔埋まるんじゃないか!!)
「どうしたのこっち見て。何かついてる?」
悠のいやらしい視線に気づいた千夏は不思議そうに悠を見つめる。
「へっ!?いやなんでもないよ!べ、別にあ、あんな所は見てないし……!」
慌てて悠は念を唱える。
(俺はイケメン。俺はイケメン。俺はイケメン!!)
「…………茅根さん。だったよね?これからよろしくって挨拶をしようとね。」
なるべく爽やかにそう答えると千夏は笑顔で返事をしてくれた。
「うん!よろしくね。新垣君!」
(うっひゃー!可愛い。可愛いよぉー!神様仏様!ありがとうございます!こんな僕にチャンスを与えてくれて!!)
その後、出席確認。先生の話も終わり下校時間となった。
そして悠は千夏の事を目で追っているとやがて春の姿も見えた。
千夏と春は話をしながら仲良く帰っていく。
(おいおい、鶴山の子どもが茅根さんかよ!って言う事は……今の名前は茅根春か!!)
知りたくない春の苗字を知った悠はため息をつけながら親と一緒に家に帰った。
(前世の事はもういい。ここから始めるんだ。俺のハーレム生活を!!)
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更新は不定期となります。すいませんm(_ _)m
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