車好きの彼と恋愛下手の私

@96cat-Vanilla

第1話:彼との出会い

ギュルルル!!「さてと、今日も攻めるよ!」

私の名前は結衣、大学1年生の18歳。

普段は女子大生だけど、夜になると町の峠を攻める走り屋となるの。私の愛車は白いRX-7、ほぼ毎日この子と一緒に峠を走りに来てる。

今日も普段と変わらず、峠を攻め続ける。

峠に谺響するロータリーエンジンの音はまさに、オオカミの咆哮。暗闇の中に光るヘッドライトは暗闇を切り裂く一筋の光のように、暗い峠道を照らす。

私は1度、休憩のために峠の頂上にある休憩所で休んでいたその時だった。

峠にVTECのエンジン音が響き渡る。

そのエンジン音と共に現れたそのNSXは、休憩所の薄暗い駐車場に止まった。

「...珍しい、こんな峠にNSXが来るなんて...しかも、紫色...」

私がNSXに見とれている間に運転手はフラフラとしながら、車を降りていた。

「...よし、少し話に行ってみようかなぁ」

私は、興味本位でNSXの運転手さんに話しかけに行った。

「あの...すいません。そのNSX、カッコイイですね」

私がそう呟いた。

「ん?あぁ、ありがとう」

彼は、今にも死にそうなほど顔色が悪く倒れかけていた。

「なんか体調悪そうですけど、大丈夫ですか?」

「あぁ、俺なら大丈夫だ。心配させてしまって、すまないね」

彼はそう言いながら、微笑んだ

「あの、名前...名前伺ってもいいでしょうか?」

「...赤羽...赤羽直樹だ」


続く...

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