ぢつとその眼を見つめてゐると

 ぢつとその眼を見つめてゐると

 真つ黒な瞳の潤ひから

 連綿と寂しさが続く

 私とあなたの 悲しさが募る


 ぢつとその眼を見つめてゐると

 深く柔らかい息遣ひへと

 次第にあなたが消えてゆく

 私とあなたが 混ざり合つてなくなる


 ぢつとその眼を見つめてゐると

 静謐を湛えた眼差しが

 私にいのちを与へる

 あなたには もう何もない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る