リコリス・リコイルに対する率直な感想

最初に注意喚起しておくと、この記事ではアニメ「リコリス・リコイル」の、個人的に気になった点を批判します。

同作を好きなかたが読まれるとご気分を害される可能性があるので、ご注意願います。


今年七月~九月クール(四半期)に人気を博したオリジナルアニメ「リコリス・リコイル」(略称「リコリコ」)を、自分もそれなりに楽しみました。シリアスな世界観と明るい雰囲気のバランスがよく取れている作品だったと思います。


ただ、設定や展開に気になる点があったところも確かです。すでにいろいろ突っ込まれていますが、個人的に気になった点としては、

・メインのダブル女性主人公の百合の過程が弱いこと

を挙げます。


「リコリコ」の売りの一つは、一見能天気だけど影がある主人公・千束と、クールな堅物であるもう一人の主人公・たきなの百合っぽい関係性です。

しかし、その関係性が築かれる過程の描写が弱かったように感じます。

優しくて明るい千束の影響でたきなが変わっていく描写はあったものの、逆にたきなを千束が特に気に入るエピソードがなくて、いまいちたきなが千束の「特別」になったように思えませんでした。

それと、バディ(相棒)ものだったら、相棒同士の相容れない部分がぶつかり合う過程も不可欠です。しかし、「リコリコ」ではそこも弱く感じました。不殺の信念を持つ千束と、第一話で思い切り敵を殺したたきなのぶつかり合いは描けたはずですが、そういう描写も特にありませんでした。


個人的に「リコリコ」を物足りなく感じた点は、そういうところです。

逆に、例えば「声優ラジオのウラオモテ」だったら、ダブル女性主人公がばちばちにぶつかり合ってお互いの「特別」になる過程がしっかり描かれています。

バディものの物語を書きたいかたには、そういう過程を物語中にしっかり入れることをお勧めします。偉そうに書いたものの、自分もそういう基本が意外とできていないかもしれませんが……。


この記事が、創作活動をされるかたのお役に立てば幸いです。

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