ギルマス

コンコン

受け付けの女の人が扉を叩く。




「失礼します。連れて来ました」




すると中から返事が聞こえ、




「おお、いいぞ中へ入れ」




僕達は中に入った。

僕達が中に入ると受け付けの女の人は出て行った。




「よく来たな、カール。とりあえずそこに座れ」




中にいたのは少しいかつく体は筋肉の鎧に包まれたような男だった。

僕達は言われた通りに示されたソファーに座った。




「で、今回はそこのボウズを冒険者にさせたいと。そこまで強そうには見えないけどなぁ」




「まぁ、そう言うなよダリオス。元Aランクの君じゃあ手も足も出せずに終わるよ」




すると、ダリオスの雰囲気が変わり、




「ほぉ、カールそこまでか?」




「そこまでなんだよ。この国の騎士団長様が防戦一方になっていたキングボアを瞬殺、そして僕が実際に戦った。結果は君に言ったように手も足も出ずに負けた。君は勝てるのか?」




カールの言葉を聞いたダリオスは、




「あー無理だな。俺はカールに負ける。カールの速さに追いつけないからな。つまりカールはその速さより速くそこのボウズに動かれ手も足も出ずに負けたと、」




カール様に合っているか?と確かめるダリオスさん。

カール様はその通りだよ。と言い僕の話をし始めた。




「彼の名前はレイ」




僕は立ち上がり頭を下げた。




「レイです。よろしくお願いしますダリオスさん」




挨拶をした僕にダリオスさんは、




「俺はこのギルドのマスターダリオスだ。その言葉遣いはやめてくれ、それと俺のことはダリオスって呼び捨てにしてくれ」

 



















「つまり、レイが冒険者になるために来たと、」




ダリオスの発言を聞いたレイは




「無理ですか?」




その言葉を聞いたダリオスは笑って、




「お前が冒険者になれない?笑わせるなよ

逆にお前を冒険者にさせなかったらこっちが大損だ。しかもカールの話を聞いて魔の森の浅いとことでキングボアが出たって言うじゃねぇか。これはスタンピートの前兆だな」




その言葉に同意するカールを見たレイは、




「とりあえず僕は冒険者になれるってことでいいですか?

それに魔の森、スタンピートってなんですか?」




すると、カールは




「レイ君はわからないよね、まず魔の森は君がキングボアを倒した森、そしてスタンピート、これは魔物が活性化して普段は森の奥にいる魔物が浅い地に出てくる。そして、沢山の魔物が進化する。そのあとにその進化した魔物が自分の下位種を連れ王都に攻めて来る」




「その魔物は?」




「僕達冒険者が王都から出て国の騎士団と共に倒す。それだけだよ」




冷静に答えたカールにレイは





「つまり負けたらこの街の人が死ぬってことですよね?」




「そうだよ。だから王都の騎士団は強いし、ここの冒険者も手馴れがいる。さっき絡んできたのは三流以下だけどね。だから僕達としてもレイ君には冒険者になって欲しいと思っている。僕も自分の国に戻らなくてはいけない。そのためにレイ君を冒険者推薦させてもらったしね」




同意と示すようにダリオスは頭を縦に振った。




「わかりました。冒険者になります。それで推薦のためにカール様が何かやると言っていたのですが?」




まぁ、最初っからなるつもりだったけどね。

するとダリオスは、




「推薦された奴は俺と勝負してもらう。理由はちゃんとあるぞ、

推薦されるような逸材を死なすわけにはいかないからな」




じゃあさっそくやろうかとカール様に言われ、ダリオスさんに鍛錬場でやると言われたのでついて行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る